日野自動車 泥沼エンジン不正

日野自動車がますますマズいことになってきてますね。8/2に調査委員会が公表した情報によると、エンジンの不正について、少なくとも2003年以前から行われていたということです。これまでの説明では2016年以降となってましたっけね。20年以上にわたって不正が行われていたということです。

対象車両も

不正の行われていた時期に加え、不正が行われていた対象となる車両も、これまで公表していた12万台から56万台へ拡大しています。現行車種では8車種の不正が新たに判明していますし、当然出荷は停止。これで従来販売してきた車両の約半分が出荷できなくなるようです。

2016年に三菱自動車の燃費不正が発覚した際、他社で似たような事案がないかについて、国交省が指示した調査報告についても、日野自動車としては虚偽の報告をしていたということです。

調査報告書

特別調査委員会は、「縦割りで上層部からの意向を絶対視する企業体質や、組織全体の問題である」ことを指摘しています。役員からの指示は絶対と捉えられ、現場が不正を働いたという構図で整理されているんですが、経営陣の直接的な関与は認定できなかったということになっています。

ここまでくると経営陣の直接的な関与についてもこの後出てくるんじゃないの?って感じです。認定できなかったというのは、書類やメール等で指示している証跡が見付からなかったというだけの話でしょう。全部の責任被ってる現場、そろそろ声を上げてもいいんじゃないの?

回転寿司業界がおかしい?

元気寿司にスシロー、このところ回転寿司チェーンでの不祥事が続いています。わりと間仕切りのある配席だったり、持ち帰り(テイクアウト)対応など、コロナに対する対応力で危機を乗り切ってきた感じの業界です。が、なぜかいろいろ不祥事が表面化しています。

なんなんだろうね

やっぱり日本人はお寿司が好きなんですね。だから回転寿司の人気は凄い。しかし、素材の価格上昇など逆風はこの業界にも吹き荒れています。おまけに、気候変動の影響もあって、日本近海で取れていた魚の漁獲量も激減。この業界も相当ヤバいことになっているはずです。

にもかかわらず、テレビCMではメチャ景気の良いCM、っていうか魅力的なキャンペーンをバンバン出してきます。このCMの勢い見てて、疑問を感じてたんですね。そしたらやはり強気の営業戦略のしっぺ返しがあちこちに来てる感じ。

そりゃやっぱ無理あるでしょう。こんなご時世に安さとボリュームアピールして集客ってのは。と思うんだけど、それでもテレビCMでは「これでもか」って感じでメチャ勢いのある宣伝が・・・。

これって、実はもうにっちもさっちもいかなくなってきてるって可能性もあるかもしれません。こんなふうに背に腹替えられない勝負をし始めると、気になるのはやはり商品の品質。なにせ生モノを扱う商売だけにとても怖いものがあります。

このところの不祥事を見ていても、経営の強気の戦略に現場のオペレーションが付いて行っていない感じがあり、いずれまた大きな事案が発生しそうな気がしてしょうがないんですね。消費者としては口に運ぶ商品を注意深くチェックするしかないんですが。そういえば、今年はアニサキスがやたら活躍してるみたいです。こちらも気を付けましょう。

またしてもスシロー 一部店舗で「生ビール半額」を誤掲示

景品表示法違反(おとり広告)で再発防止を求める措置命令を受けたスシロー。今度は7/14、「7月13日からの 何杯飲んでも「生ビールジョッキ」半額キャンペーンに関するお詫びと再発防止策等のお知らせ」を公表しました。続きますねぇ、不祥事。

おさらい

先月には、実際には購入できない商品を購入できるかのように表示した「おとり広告」に当たると判断し、公正取引委員会がスシローを運営するあきんどスシローに対して措置命令を発出しました。これに対してはもちろん真摯に受け止め、再発防止に努めるとのコメント。

さらに、事件を受け、親会社の社長をはじめ取締役3名について、7月からの3カ月間、役員報酬の減額を決定したことも開示しています。その際に調査結果報告においてちょっと気になったのが、「キャンペーン商品の欠品に対するクレームがあったにもかかわらず事態を放置していた」という指摘です。

現場を知る

つまり、現場で起きていることや顧客からの意見やクレームといった、ビジネスで最も重要な情報が経営層に届いていなかったという点です。いろいろな不祥事を見てきましたが、その真因のほとんどがこれなんですね。経営と現場の乖離です。

そして、やはり、今回のような事件が発生したわけです。これも発生原因は同じ部分だと思います。キャンペーンの告知を(現場が)行うタイミングや、告知の中で顧客に誤認を与えないための配慮といった、現場感覚の欠如が真因だと思われます。

こういうふうに進めていくと現場で何が起きそうか。顧客はどう感じるだろうか。こんなことすら事前に検討できない経営層。この会社かなりマズいことになってるような気がします。

今度はスシロー 景品表示法違反(おとり広告)

公正取引委員会は6/9、「株式会社あきんどスシローに対する景品表示法に基づく措置命令について」を公表しました。提供を中止した寿司のメニューを取り扱っているかのようにテレビコマーシャルなどで宣伝したとして、景品表示法違反(おとり広告)を認定し、再発防止を求める措置命令を出しました。

FOOD&LIFE COMPANIES

先月末に、元気寿司において不適切な支出が発覚し、特別調査委員会を設置することになった件を取り上げましたが、今度は業界1位のスシローです。スシローを運営するのは株式会社あきんどスシロー。そして同社を傘下に置き東証プライム市場に上場するのが、(株)FOOD&LIFE COMPANIES。

回転すし店「スシロー」を直営店中心に全国でチェーン展開し、店舗は客席数200席程度の大型郊外店が中心。2022年3月末時点の店舗数は、国内975店、海外73店の合計1048店だそうです。

違反行為の概要

2021年9~12月、全国の約600店舗で実施したキャンペーンで「新物!濃厚うに包み」(税込み110円)、「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り」(税込528円)、「冬の味覚!豪華かにづくし」(同858円)という期間限定の3商品を売り出し、テレビコマーシャルや自社のウェブサイトで宣伝しました。

しかし、実際は宣伝を続けている間、店舗の9割超で提供されない時期があったようです。提供できなかった店舗は583店舗に上り、公正取引委員会は、実際には購入できない商品を購入できるかのように表示した「おとり広告」に当たると判断したということです。

何度お店に行っても売り切れやら入荷待ちということで、SNSでもこの件は結構顧客から発信されていたようです。あきんどスシローでは、同じ日にお知らせを公表しており、「措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努める」としています。

ソフトブレーン株式をめぐりインサイダー取引 元内部監査室長ら4人起訴

東京地検特捜部は6/6、ソフトブレーンに関する株式公開買い付け(TOB)の情報を事前に知り、共謀し同社株を購入するインサイダー取引などをしたとして、同社の元内部監査室長を金融商品取引法違反と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の罪で在宅起訴しました。

共謀者など

前回5月に当ブログでこの件を取り上げた際は、同社従業員から情報を得てインサイダー取引を行ったとして、医療ベンチャーの社長が逮捕されたというところまででした。そして今回は共謀者など新たに3人が起訴されたということです。

いやぁ、しかしインサイダー情報が漏れていたのが内部監査室長からだったとはねぇ。まぁ、取締役がインサイダーに手を染めたりするわけですから、内部監査室長でもありうる話ってことですか。しかし、企業におけるガバナンスやコンプライアンスの番人たるポジションですからねぇ。任命責任も含めてかなり重大な事件です。

6/3に証券取引等監視委員会が当件を告発しているんですが、内部監査室長以外は素性が明かされていませんでした。ところが6/7付けの日本経済新聞では軽く紹介されています。そのほかの2人というのがこれまた気になるんですね。

一人は85歳の税理士で、やはり内部監査室長の知人ということで、インサイダー情報の伝達を受けています。85歳にもなってまだ汚れた金が欲しいんですね。そしてもう一人が同じく内部監査室長から情報を得た41歳の接客業の女性(指名から推察して女性と思われます)。こんな濃い情報をもらえる立場にいる接客業の方ってどんな人?気になりますねぇ。

東京地検特捜部は4人について、その認否を明らかにしていないそうです。ソフトブレーンは監視委員会の告発に関してはコメントを公表していますが、かなり軽いタッチでした。