介護事業者倒産 昨年度最多179件 介護職員の処遇改善も喫緊の課題

4/16、東京商工リサーチが公表した調査結果で、介護事業者の倒産が昨年度最多の179件となったそうです。同社は、職員の処遇改善や物価高への対応など、「国の支援拡充がなければ25年度も倒産の増加は避けられない」としています。

特定最低賃金の導入という動き

その解決策としては3/21に、最低賃金を通常より高く設定できる「特定最低賃金」の介護職への導入について「活用の検討を進めたい」という閣僚による話がありました。日経では、「賃上げの裾野の拡大につながる可能性がある」としていましたね。

特定最低賃金

特定最低賃金は特定の業種を対象に、地域経済を支える産業における中小企業の従業員の待遇改善を行う制度で、現在、電子部品製造業や百貨店・スーパーなどの業種にとり入れられています。とはいえ、最低賃金のお話ですから、過去の適用例を見ても時間当たり数十円から100円程度。

介護職の現状認識

とにかく報酬が低い。これにつきます。そのため人手不足の解消は遅々として進んでいません。これに対して介護を受ける高齢者は増え続けているわけです。今回の政府の動きは大きな影響力があるとは思えませんが、とりあえず一歩前進として評価しましょう。こういう話題が世の中に拡大することが重要です。

認知症の高齢者からパワハラ、セクハラを受けながらも、自分の感情を押し殺し、安い給料で必死に働いてくれている介護職たち。さらなる処遇改善を求めたいですね。もちろん事業者への対応も。最後に介護職の皆さん、いつもお仕事ご苦労様です。Kuniは介護職の皆さんを応援しています。

国土交通省 物流パレットの規格を統一

7/10付け日本経済新聞に、「物流パレット規格統一 国交省、積み替え省略狙う 作業時間3割削減」という記事がありました。パレットの共通化で作業時間が3割減になるとの試算があるそうで、物流の効率化は産業全体に好影響を与えるとしていました。

パレット

パレットとは保管や運搬の際に荷物を載せる荷役台のことで、数える時の単位は「枚」。パレットを使用することで複数の荷物をまとめて保管・管理でき、作業効率を向上させてきました。しかし、業界ごとに規格が乱立しており、積み替えなどに無駄な時間がかかっていました。

調べてみると、日本国内で使用されているパレットのサイズは10種類近くありますね。2021年に国交省や関係省庁、物流の業界団体・企業、学識経験者などが参加して統一に向けた調整を進めてきました。

統一規格

で、結果的に統一規格は、JIS規格でもある、「1.1メートル四方で厚さが14.4~15センチメートル、最大積載量を1トン」となったそうです。現在この規格以外を使用しているのは、酒類業界、冷凍食品業界、化学業界などだそう。

いわゆる2024年問題で物流業は深刻な人手不足が懸念されていますが、このパレット統一による効率化でかなり解消するはず。しかし、2024年問題は何年も前から懸念されてきたのに、なんで規格統一決定までに3年もかけてしまったんでしょう。

ドラッグストアの食料品が意外に安い理由

東洋経済オンラインで「『肉も野菜も安い!』ドラッグストア絶好調の理由」という記事を読みました。このところ個人的にもドラッグストアの食料品が妙に安いなぁ、と感じていただけに、kuniにとっては非常に良い記事でした。のでシェア。

ドラッグストア

ドラッグストアの売上高ランキングは、1位 ウエルシアホールディングス(売上高1兆1,442億円)、2位 ツルハホールディングス(売上高9,700億円)、3位 マツキヨココカラ&カンパニー(売上高9,512億円)、4位 コスモス薬品(売上高8,276億円)、5位 スギホールディングス(売上高6,676億円)だそうです。

食料品が安い理由

記事では4位のコスモス薬品がメインで取り上げられていて、食品の売り上げ構成比率は約6割なんだそう。食料品等消費財の値上げが相次ぐ中(マジで大変)、スーパーよりも安く食品を販売するドラッグストアが支持を集めているとのこと。

ドラッグストアの強みは、粗利率の高い医薬品や化粧品で利益を確保できるため、食料品の価格を下げて集客できることなんだそうです。なるほど、ですね。言ってみればオマケ。客寄せパンダってことです。納得はできたんですが、これって、売り場面積がデカいスーパーが、ドラッグストア並みにドラッグコーナーを充実させるなんて逆襲もありそうだけどね。

JAL(日本航空) 新社長にたたき上げのCAさん 鳥取三津子氏

JAL(日本航空)は1/17、「2024 年4月1日以降の社長の交代等について」を公表しました。なんと新社長は元CAさん。元旦に発生した日航機事故で、約400名の乗客を誘導、救出したお手柄のCAさんでしたが、そのCA出身の女性が新社長です。

事故の直後だけに

顧客全員が生還したという奇跡の直後だけに、この社長人事はインパクト大ですね。JALがそういうことを企図したと勘ぐるのはやめておきましょう。ただ、顧客の命を守る最後の砦がCAであること。そして航空会社にとっては最も近くで顧客と接するCAこそが最重要職なのかもしれません。そう考えるとCA経験者がトップに就くというのは納得感があります。

CA一筋

新社長の略歴をみると、1985年にJALに入社。マネジャーに昇進されたのが2005年となっていますので、おそらく20年間一線のCAとして活躍されたようです。当時の男社会では、入社から10年~15年で初マネジャーって感じでしたから、女性というだけでかなり苦労されたんでしょうね。

その後はダイバーシティやらなんやらで女性に対する社会の対応も変わってきました。2020年には執行役員、今年4月には専務に昇格されています。そして、まさにたたき上げのCAさんが社長就任です。顧客の目線を一番理解する元CA、社内に与えるインパクトも大きいでしょう。いやぁ、期待したいですね。

ゴマってアフリカから輸入されてるんだ

ちょっと前になりますが、12/18付け日本経済新聞に、「ごま、輸入価格が最高値 輸入元のアフリカに政情不安」という記事がありました。日本はごまを食品や搾油用の原料としてほぼ全量を輸入に頼っているんだそう。その輸入元がなんとアフリカ。いやぁ、全然知りませんでした。

価格が急騰

貿易統計によると日本のごまの輸入価格は直近10月時点で1トンあたり29万円。2008年に付けたこれまでの高値(28万2千円)を上回り、遡及可能な1988年以降で最高値を更新しています。特に2021年半ば以降の上昇は急ピッチで、この2年半で輸入価格は約2倍になりました。

輸入元

日本におけるゴマの輸入元とそのシェアを調べてみると、1位はナイジェリア(37%)。2位はブルキナファソ(13.5%)となっています。この両国で半分を占めてますね。続いて3位はタンザニア(8.6%)、4位はモザンビーク(8.3%)、5位はパラグアイ(6.3%)となっています。

こうしてみると確かにアフリカからの輸入上位国だけで7割近いシェアとなっています。で、ブルキナファソでクーデターが発生したりと政情が安定しない国々。生産量の減少を不安視されており、価格の高騰につながっているとのこと。小麦と違って主食ではないけど、ごま油の高騰は結構痛いよね。しかし、アフリカ産を食べていたとは・・・。

今年も1年間、お読みいただきありがとうございました。それでは皆様、良いお年を。