新型コロナウィルス 従業員を守る 経営の変化に投資尺度も変化を

コロナ騒動で企業の経営が変わってきた。そんな感じしません?「従業員を新型コロナ感染から守るために・・・」。そんなやりとりが経営会議等の場でも普通に聞かれるようになってきました。もちろん、経営者が急に優しい人になったわけではないんですけどね。

コロナの与えた影響

自社従業員から感染者が出たら世間から何を言われるか分からない。そんなリスクを感じ取った経営者が、従業員を守るという当たり前のことを言い始めました。効率や生産性に劣後させてきた経営スタイルが変化しています。新型コロナウィルスの一番の功績だったのかもしれません。

しかし、そういう企業は生産性の低下、業績の低迷を受け、会社としての評価が下がり、株価が低迷することになります。コロナ以前の常識では。

投資尺度のニューノーマル

新常態、ニューノーマルなどと言われ、新しい生活様式が求められていますが、株式市場における企業評価のものさしもニューノーマルがあっていいのでは。そんなふうに思うんですよね。株主の利益に貢献するだけでなく、社会に貢献する企業が評価されるように。

たとえ生産性が下がって、収益が下がったとしても、「この会社は従業員にとても優しい会社」という評価軸。これで市場平均の倍のPER(株価収益率)でも買いだ。そんなアフターコロナの投資尺度があってもいいじゃないですか。

昨年の秋口でしたか、米国大手企業のCEOらが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、これまで20年以上掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明しました。

「新型コロナウィルスが変えた」のではないかもしれませんが、投資尺度の変化を加速させるのは間違いなさそうです。