株式会社バルカー 幹部社員による不正行為 調査結果

株式会社バルカーは11/14、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。取引先に対し代金の水増し発注を行い、捻出した資金の一部を執行役員らが着服していた事案に関する2か月弱の調査の結果ですね。

調査結果の概要

同社執行役員および従業員が特定の取引先と示し合わせるなどして、取引先に対し代金の水増し発注を行い、捻出した資金の一部をキックバックさせ、幹部社員らが着服していたということです。主犯格は高機能シール本部の本部長である上席専務執行役員だそう。

共犯としては、同本部の副本部長、開発部長、チームリーダーの3名があげられています。同じ本部内で縦のレポートラインすべてが不正に関与しているという鉄壁の布陣ですね。

4人が受けてきたキックバックの総額は明らかにされていませんが、上席専務執行役員が最も多くて2000万円程度で、飲食で費消していたということです。かなり高額な飲食ですね。女性絡みのお店も含まれてそうです。

一方、このキックバックに関与(キックバックに協力)した取引先や事業者は12社に及んでいたとのこと。中にはバルカーグループの出身者が経営する企業も含まれています。

同社高機能シール本部のレポートラインを網羅するチームでのこの不正行為ということで、社内ではまるで認識されず、外部からの通報で初めて発覚したというのも頷けますね。

TOKAIホールディングス 他社の顧客情報不正取得の疑い 支店長ら3人逮捕

TOKAIの千葉県市原市の支店長ら3人が、「許可を受けている」などとうそを言って、買収を持ちかけていた地元のガス会社から顧客データを不正に利益を得る目的で持ち出した疑いで逮捕されました。600人余りいた顧客のデータを不正に利益を得る目的で取得したとして、不正競争防止法違反の疑いが持たれています。

TOKAIホールディングス

TOKAIホールディングスは静岡県で都市ガス事業を開始して以降、LPガス販売や情報通信サービスなど数多くの事業会社を持つTOKAIグループの持株会社。全国展開を進めている東証プライム上場企業です。

事件の概要

2022年9月、支店長ら2人が、当時の社長が不在の間にガス会社を訪れ「許可を受けている」などとうそを言って、従業員にパソコンを操作させ、顧客情報を抜き取ったということです。当時、両社の間では、事業譲渡の協議が行われていたものの合意には至っていませんでした。

この会社ちょっとヤバいですね。2021年には子会社2社の従業員2人が架空請求などの不正行為(それぞれ全く別の不正行為)で、計約5億4千万円を着服していたことが発覚。翌年には社長の混浴接待など、経費の不正使用が発覚して解任されています(詳しくは過去記事で)。

毎年のように不正が出てくる同社、今回の事件についても一切開示してないし、この会社、上場企業のままでいいんだろうか。

野村證券 社員が強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕

野村証券の社員(当時29歳)が、営業先の顧客だった広島市の80代夫婦の住宅に放火し、現金約2600万円を奪ったという事件。強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕されました。

野村證券

今更ながらですが、野村証券は日本における最大で最強の証券会社です。現在では持ち株会社を設立し、東証プライムに上場しているのは野村ホールディングスとなっています。同グループ内には中核の野村證券に加え、野村アセットマネジメント、野村信託銀行などを子会社に持っています。

事件の概要

容疑者は今年7月28日、営業先の顧客だった広島市の80代夫婦に夫婦宅での食事を持ちかけ、食事中に睡眠作用のある薬物を混入したとみられるといいます。意識をもうろうとさせたところで住宅に放火し、現金約2600万円を奪ったとのこと。

報道機関の電話取材に対して、野村ホールディングスの広報担当者は、この男性が元社員であることを認め、すでに懲戒解雇されていることを明らかにしたといいます。今となっては元社員かもしれませんが、犯行当時は現役の野村社員。野村證券の看板・信用力を全面的に利用した犯罪です。

しかし、野村證券はこの事件に関して何の開示もしていません。奪われたお金に関する保証もしないつもりなんですかね。そんなことだから、この会社不正が絶えないんでしょうに。ちなみに、一昨日に国債先物取引で課徴金2,176万円を納付したばかりの会社です。

ファーストリテイリング ユニクロ店長が試着室の盗撮で逮捕

ファーストリテイリングは10/31、「当社従業員の逮捕について」を公表しました。東京都豊島区のユニクロ アトレヴィ大塚店で勤務する同店店長が、同店試着室を利用中の女性顧客を盗撮したという疑いで逮捕されたとのこと。

ファーストリテイリング

ファーストリテイリングは、アパレルブランド「ユニクロ」をグローバルに展開し、商品企画・開発から販売までを手掛ける製造小売企業です。もちろん東証プライム上場企業です。世界25の国や地域で店舗を展開しており、店舗数は国内が797店舗、海外が1698店舗の計2495店舗。

盗撮で逮捕

逮捕容疑は「ユニクロアトレヴィ大塚店」で、試着室の下からスマホを差し入れ、顧客の中学3年の女子生徒(15)など、計9人の女性の体や下着を盗撮するなどした疑いだそう。同店長は容疑を認めているといいます。昨年9月から店長を務めており、「女性の下着を見たかった。今年6月から店で盗撮していた」と供述しているとのこと。

警視庁が別の盗撮事件の捜査で男のスマホを押収し、勤務先での行為が発覚したということですから、店舗以外でも盗撮してたんでしょうね。しかしまぁ、なんともトホホな事件です。この件を受けてファーストリテイリング株は急落しています。

株式会社プロトコーポレーション 従業員の不正行為

プロトコーポレーションは10/18、「特別調査委員会設置及び 2025 年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表しました。同社社員による不適切な取引について社内調査を進めてきましたが、特別調査委員会を設置することを決めたということです。

プロトコーポレーション

プロトコーポレーションは、クルマ情報誌「グー」やクルマ・ポータルサイト「グーネット」などのメディア展開や情報サービスの提供と、中古車や各種チケットの販売を手掛ける東証プライム上場企業。博多華丸大吉さんと高橋ひかるさんの、「カー!と言えばグーネット」というCMでおなじみの会社ですね。

不正の概要

今年5月、同社社員による一部取引において、売掛金が未回収となる事案が発生したことを受けて、当該社員に事情を確認しようとしたところ、当該社員との連絡が取れなくなりました。その後、7月以降に当該社員と直接連絡がとれ、事実関係の確認を進めたところ、社員が架空取引をしていた疑いが発覚したということです。

2016年7月〜24年3月で、架空の売上額は18億円にのぼるということで、詳細を調査するため特別調査委員会を設置し調査を開始するということです。かなりデカい不正のようです。開示のタイトルにあるように決算発表も延期となっています。