みずほ銀行でも 行員が貸金庫から顧客の金品を盗んでいた

報道によると、みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ銀行は2/18、2019年に元行員1人が貸金庫から顧客2人の資産を盗んでいたことを明らかにしたということです。被害総額は数千万円で、1つの支店で発生。盗んだ元行員は懲戒処分となり、既に退職しているとのこと。

何故公表しなかった?

6年間公表してこなかったんですね。こんなところに企業の体質、カルチャーが出てしまいます。三菱UFJ銀行で同様の事件が発生し大騒ぎとなりましたが、この事件を受けてみずほ社内ではどういった議論が行われてきたんでしょう。公表すべきか、隠しきるべきか・・・

同行では被害を訴えた顧客とは個別に協議し、顧客との関係なども踏まえて、公表は実施していなかったと説明しています。そしてこの事件については金融庁にも報告しているそう。

事実を公表しなかったみずほ銀行に、報告を受けても動かなかった金融庁(どの時点で報告を受けていたかは不明ですが)。金融機関では貸金庫なんて前世紀の遺物みたいな扱いなのでほったらかしに。そしたら三菱UFJでもっと大きな事件が起きてしまって、ってのが正直なところでしょう。

他には?

6年前の事件で、公表もしなかったこの事件。公表にしても被害金額も超アバウト。類似事案はなかったとのことですが、調査ってどこまで行われたんでしょうね。公表した手前再調査したらまだまだいろいろ出てきましたなんてこともあるかも。さらに両行以外の銀行でも、「実は当行でも・・・」みたいなことになっていきそうな予感が。

株式会社日本抵抗器製作所 連結子会社で従業員の不正行為

日本抵抗器製作所は2/10、「不正行為の発覚および令和6年12月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。タイトルで不正があったことをここまで明示する開示は久しぶりに見る感じがしますね。なんだかんだと隠したがる開示が多い中、潔さすら感じます。

日本抵抗器製作所

日本抵抗器製作所は、自動車をはじめ各種産業用途で利用される電子部品を製造販売する企業。主な製品は、抵抗器、ポテンショメーター、ハイブリッドIC、電子機器などで、販売先は国内を中心に、アジアや欧州など海外にも展開。東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

連結子会社である株式会社日本抵抗器大分製作所の経理担当による不正行為が発覚。不正行為は約6年にわたって行われており、総額1億5千万円を超える現金を株式会社日本抵抗器大分製作所の銀行口座から引き出していました。会計帳簿には虚偽のデータを入力して発覚を免れようとしていたとのこと。

当該従業員は引き出した現金の私的流用を認めていることから、今後懲戒解雇処分並びに刑事告訴を進めていくとしています。

社外の弁護士、税理士を含めた社内調査委員会を設置して、事実関係の調査をはじめ不正行為の原因並びに今後取るべき対策について鋭意検討を進めているとし、2/14に予定していた決算発表を延期するということです。

野村證券 またしても従業員が逮捕される

報道によると、顧客に架空の投資話を持ちかけ現金1千万円をだまし取ったとして、警視庁戸塚署は6日までに、野村証券元社員を詐欺の疑いで逮捕したとのこと。容疑者は24年4月に野村証券のグループ会社に出向し、同年6月30日に自己都合で退社しているということです。

野村證券

今では東証に上場しているのは野村ホールディングス。その中核子会社が野村證券です。野村ホールディングスは、その野村證券に加え、野村アセットマネジメント、野村信託銀行などを子会社に持っています。海外では主要な金融資本市場に営業拠点を展開。証券グループ国内最大手の東証プライム上場企業です。

従業員の不正

野村證券では昨年、広島市の80代夫婦宅から現金を盗んだうえ放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂や現住建造物等放火の罪などで営業員が起訴されました。国債先物取引をめぐる相場操縦なんてのもありましたね。逮捕の責任を取って、昨年末に役員報酬の返上を発表したばかり。

そこへ今回の超富裕層向け営業員の逮捕報道。マジでここ悪行三昧ですね。逮捕容疑は2024年1月、自身が担当していた都内在住の70代女性に対し「野村証券の社員に社内預金の積立枠が認められることになり、年2%の利率で返済できます」などと虚偽の説明をして自身の口座に1千万円を振り込ませた疑いだそう。だまし取った資金はギャンブルの借金返済へ。

警視庁はさらに「同じ顧客から数千万円を詐取していたとみて、詳しい経緯を調べている」ようです。ここのトップの役員報酬は5億円超。今回もタップリ返上してください。

鴻池運輸株式会社 元社員2人が特別背任容疑で逮捕

報道によると、鴻池運輸の元社員2人が特別背任容疑で大阪府警に逮捕されたようです。当ブログでも過去に取り上げたことのある、従業員による架空取引とキックバックという事案。昨年4月には調査委員会の調査結果が公表されていました。

おさらい

同社の取引業者であった協力取引先7社の協力を得て、実態の伴わない架空の業務を発注したこととし、同社から協力取引先 7社に対して448百万円を不正に流出させ、これに伴い、協力取引先7社から現金にてキックバックを受けるなどして、私的に着服していたという事件でした。

新たな事実も

最終報告書で犯行に及んだのはある支店の課長とその部下だったことが明かされましたが、今回の報道で、二人が茨城県の鹿島支店の元課長(38歳)と、その部下の女性(34歳)ということが判明しました。普通この手の悪巧みに部下の女性が協力なんてなかなかないですよね。男と女の関係みたいなモノもあったんでしょうか(kuniの妄想です)。

逮捕容疑は取引先4社に架空業務の請求書を計70回提出させ、鴻池運輸に計約1億8000万円の損害を与えた疑い(特別背任)とされています。同社の調査結果では実際には7社のはずなので、今後の捜査で損害金額は増えると思われます。

大阪国税局の税務調査がきっかけで23年11月に発覚したこの事案。二人は24年3月に懲戒解雇、そして逮捕まで1年2か月を要しました。

NEC(日本電気) 就活生に性的暴行で社員が逮捕

NECは1/14、「当社社員の逮捕について」を同社ホームページで公表しました。同社社員(29歳)が、インターンシップで知り合った就職活動中の女子大学生に性的暴行をしたとして1/8、警視庁に不同意性交の疑いで逮捕されたということです。

NEC(日本電気)

NECは産業エレクトロニクス大手の一角。事業再編を通じ、情報通信関連事業に注力できる体制を構築し、企業や官公庁向けに、システム構築、コンサルティング、サポートなどのICTソリューションサービスを提供しています。顔認証をはじめとした、生体認証分野では世界トップの技術を有する東証プライム上場企業です。

採用指針の見直し

事件の性格上、報道等でも「20代の女子大学生が住む都内のマンションの一室で性的暴行をした疑い」としか伝えられていません。今回の事件を受けてNECは、採用に関する採用指針(社内ルール)を見直すということです。

就職活動の学生と面会する際の面会場所や時間などを制限したり、飲酒の禁止やSNS等の利用を禁止したりといった内容になっています。さらに、メールによる採用活動全般に関するハラスメント相談窓口も設けられました。

「採用活動全般に関するハラスメント相談窓口」ってのが今回初めて設けられたというのがむしろ違和感ありますね。昔から採用活動では結構ビミョーな問題起きてたのに、なぜ対応してこなかったのか。事が起きてからでないと腰を上げない日本企業らしいところです。