株式会社ハイパー 会計不正か

株式会社ハイパーは2/14、「2021年12月期決算発表の延期及び特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。同日の決算発表に向けて準備を進めるなか、一部の取引において、不適切な売上処理が行われていた疑いがあることが判明したとのこと。

ハイパー

ハイパーは、法人顧客向けに、コンピュータなどのOA機器販売と保守サービスの提供を中核に、アスクルが取り扱う事務用品の代理店業務を運営する、東京日本橋に本社を置く東証1部上場企業です。1部らしいけど、初めて聞く社名でした。代表取締役社長は女性なんですね。

事案の概要

この開示では冒頭に書いたように、「決算発表に向けて準備を進めるなか、一部の取引において、不適切な売上処理が行われていた疑いがある」としか説明されておらず、詳しいことが一切分かりません。

少なくともこの疑いに関する精査には一定期間を要するとしていて、そのため決算発表を延期し、特別調査委員会を設置するとしています。

2/18には「特別調査委員会の委員選出に関するお知らせ」も公表されましたが、事案についてはやはり2/14の開示の表現のままです。客観性、独立性の高い正確な調査を委嘱するための委員を選出したとしています。

しかし、ここまで客観性、独立性にこだわった委員会を設置しなければならないという展開になっているということは、それなりの不正を把握してると思うんですよね。現時点で判明していることを開示するべきだと思うんですが。。。

サカイホールディングス 会計不正か

少し前の話になりますが、サカイホールディングスは2/9、「独立調査委員会の設置及び 2022年9月期第1四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社である株式会社セントラルパートナーズにおいて、売掛金の過大計上の疑いがあるということです。

サカイホールディングス

サカイホールディングスは、太陽光発電による再生可能エネルギー事業のほか、移動体通信機器販売関連事業、保険代理店事業、葬祭事業、不動産賃貸・管理事業などを展開するジャスダック上場企業です。中部地盤で、本社は名古屋の会社ですね。

事案の概要

連結子会社である株式会社セントラルパートナーズにおいて、売掛金の過大計上の疑いがあることが判明。同社としてのこの開示時点での把握では、2021年9月期末時点で純資産が 5億円程度過大と考えているということです。

同開示の翌日2/10には、「2022年9月期第1四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」も公表。本来2/14が四半期報告書の提出期限でしたが、3/31まで期限の延長が承認されています。

独立調査委員会

社内調査委員会、第三者調査委員会など、名称は色々ですが、独立調査委員会というのは珍しいですね。「事態を重く受け止め、より深度ある調査、検証を実施するため」ということで、良いことなんだけど、しっかりとした態勢を組めば組むほど、ついつい重大なことが起きているのでは、、、と勘ぐってしまいます。調査結果を待ちましょう。

アールビバン 会計不正の可能性 社内調査委員会を設置

少し前になりますが、アールビバン株式会社は2/10、「社内調査委員会の設置及び過年度決算修正並びに決算発表延期に関するお知らせ」を公表しました。2016年以降の売上原価の一部に計上漏れがあることが判明したとのこと。

アールビバン株式会社

アールビバンは、版画、絵画、美術品などの現代美術品の販売を行う企業。アート関連事業は欧米や中国、国内などの現代アーティストなどの版画(スタンダードアート)やイラストレーターの版画(イラスト系アート)を主要商品として、催事と店舗を中心に販売しています。ジャスダック上場企業ですね。

事案の概要

2016年以降の売上原価の一部に計上漏れがあることが判明し、2016年以降の決算の訂正を行う必要がでてきました。そのため、2/10開催の取締役会において、社内調査委員会の設置及び第3四半期の決算発表を延期することを決議したということです。

1社の取引先より支払の漏れがあるのではないかないかとの確認を受け、社内調査を実施した結果、2016年以降売上原価の一部に計上漏れがあることが判明し、2016年以降の決算の訂正を行う必要がでてきたとのこと。

「商品担当部門の担当者間において、事務処理作業の業務の連携(引き渡し)が正確にできず、業務を引き受けた担当は、商品原価の複数の原価構成のうち一部の商品原価の計上のいらない商品仕入れとして誤認し、処理をしてしまっていた」とのこと。(ちょっと日本語おかしい?)

まぁ、とにかく原価なしで売上がたっているわけで、その金額が「現状4~8億円程度と推定」しているとのこと。年間売上自体が100億円以下、利益が10億円内外の企業ですから、これ、インパクトそれなりにありそうです。

アジャイルメディア・ネットワーク 新たな会計不正が

アジャイルメディア・ネットワークは2/1、「第三者委員会の設置及び2021年12月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。今度は、同社の台湾子会社における過去の取引等について、不適切な会計処理が行われていたことが判明したとのこと。

取締役の不正行為

当ブログでも取り上げてきましたが、この会社、CFOである取締役が同社の資金約3億5000万円を流用していたという事件を起こしています。その詳細を調査するために第三者委員会を設置して調査していましたね。調査を終え、過去の決算等の修正を終えたのが昨年6月のことです。

新たな会計不正

そしてまたしても第三者委員会を設置することに。今度は同社台湾子会社における過去の取引等について、外部からの指摘により、2022年1月から社内で再調査を進めた結果、不適切な会計処理が行われていたことを今年1/21に認識したということです。なんと、不正行為を行ってきた元取締役が董事長を務めていた子会社だそうです。

現時点で判明している内容は、2018年12月期から2019年12月期に至るまでの期間において、台湾の取引先から台湾子会社を経由して同社に入金され、売上として計上されていた約4,500 万円について、実際には同社または台湾子会社から役務の提供を行っていた事実が確認できなかったにも関わらず、売上として計上されていたという疑義。

さらに、同期間において、国内の取引先への売上約500万円と広告宣伝費等の費用約300万円が、本来計上すべき期から異なる期に計上されているという不適切な会計処理がなされたという疑義が生じているとのこと。

以上が開示の内容。詳細はまだまだ不明ですが、明らかに前回の調査で発見できていたはず、という残念な結果になりました。

グレイステクノロジー 架空売上や架空外注費で利益操作

グレイステクノロジーは1/14、「特別調査委員会による調査の継続、2022年3月期第2四半期報告書の提出遅延及び当社株式の監理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ」を公表しました。昨年11月から不適切な会計処理を調査していた特別調査委員会でしたが、、、。

調査委員会の中間報告

同社は会計処理の適切性につき外部からの指摘を受け、事実経緯の確認のために社内調査を進めた結果、一部の取引について会計処理の適切性に疑念があることを認識しました。これを受け、利害関係を有しない外部の専門家で構成される特別調査委員会を設置したんでしたね。

で、もともとこの1月中旬に調査結果を得る予定だったんですが、残念ながらよりマズい不正が出てきてしまって、今回は中間報告にとどまってしまったという流れ。

調査の過程で、①架空売上を計上し、その架空取引に係る売掛金を当社役職員の自己資金を用いて仮装入金等していたこと、②売上の前倒計上をしていたこと、③利益操作目的で架空外注費を計上していたこと、④これらを実現する手段として偽装工作している状況が多数発見されたといいます。

最も致命的なのが、これらを主導したのが経営そのものであること。調査委員会からは、「元代表取締役及び元取締役が関与する重大な経営者不正が発見された」との報告がありました、と綴られています。

株価急落が示していた

11月に不適切な会計処理を公表した直後、二日間で株価が半分になってしまいました。不祥事発覚で株価は下げますが、ここまで強烈な下げは珍しい。前回取り上げた際も書きました。やはり上記のような最悪の不正が行われていたというわけです。EduLab(エデュラボ)級の衝撃です。