三田証券 ニデックのTOBを巡り元役員らがインサイダー取引で逮捕

東京地検特捜部は2/2、牧野フライス製作所に対するニデックのTOB(株式公開買い付け)公表前に株式を買い付けたとして、三田証券の元取締役投資銀行本部長ら3人を金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで逮捕したと発表しました。三田証券はニデックのTOB代理人を務めていました。

公表前の2024年9月6日から12月26日までに牧野フライス株式、計32万9100株を約23億4980万円(1株平均7140円)で買い付けていたというもの。物凄い金額ですね。公開買い付け価格は1万1000円ですので、公表後は株価は1万円を超えてきます。まさに濡れ手に粟。

この三田証券、敵対的なTOBの公開買い付け代理人を専門に担当してきた会社。そこらの証券会社とは訳が違います。インサイダー取引に関する専門的な知識、経験が間違いなくあり、その法規制の網をかいくぐって儲けようとしたわけです。

インサイダー取引が最も疑われる立場の代理人の役員であるため、買い付け者の名義を分散させるなど、他社の会社役員らを協力させていたようです。特捜部は現時点で17名の名義が使われたとみているとのこと。業界内ではもともと倫理観が疑われてきた三田証券。「とうとうやってしまったか」って感じです。

Terra Drone(株) 社長による同社株式取得に問題はなかったか

昨日火災事故で取り上げたTerra Drone。最近の開示情報を確認していて少々気になることが。事故発生後12/17に2000円まで大きく下げた(2700円台→2000円)株価は、翌日から上昇に転じ、1/9には3000円台を回復しました。絵にかいたような急落後の急騰です。

その間の開示に、同社社長が自社株を約1万株買い付けたというのがあります。最安値を付けた12/16、12/17の両日で約2000円で1万株を市場買い付けしています。そのわずか3週間後に、「政府は、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に追加指定した『ドローン(無人航空機)』の国産化支援に乗り出す」というニュース。

この報道を受け、同社株はストップ高を交え一気に1000円上昇しています。タイミングが悪すぎですよね。あまりにも見映えが悪い。政府が特定業種の企業群に補助金や助成金を付けるなどする場合、その費用対効果を精査するために、対象となる企業群に政策実施効果に関するヒアリングなどをあらかじめ打診するってことは容易に想像できます。

同社社長はこうした情報をあらかじめ知っていて、同社株を買い付けたのでは?というインサイダー取引の疑念が沸いてきます。新興企業とはいえ上場企業ですから、会社として事前にインサイダー取引に該当しないことの検討はしてると思いますが・・・。実は意外に上場企業であってもこの辺りの認識は低いんです。

三井住友信託銀行元社員によるインサイダー取引 調査結果等を公表

三井住友トラストグループは5/1、「三井住友信託銀行株式会社の元社員によるインサイダー取引に関する調査結果 および再発防止策や処分等について」を公表しました。部長職が約3000万円の利益を得ていた事案。

取引の概要

3月24日、SESCは部長職の社員による3銘柄(カッシーナ、サンウッド及びJTOWER)の取引につき、イ ンサイダー取引の嫌疑により告発し、3月25日、東京地検は当該部長を3銘柄の取引に係る金融商品取引法違反(インサイダー取引)の事実により在宅起訴しました。

調査結果

調査結果を読んで感じるのは、三井住友信託銀行のインサイダー防止にかかる管理態勢が意外によく整備されていて、当該部長のルール違反・暴走であったこと。調査報告書では次のような評価が。

「全ての上場会社等の特定有価証券等の自己売買等が原則禁止されていた。」

「社内規程類に基づく自己売買の事前許可制又は事前届出制がとられていた」。

「インサイダー情報管理等に関する社内規程類の整備状況という観点においては、特段の不備は見受けられなかった。」。

「有価証券等取引を行っていないことについては、誓約書による自己申告によって担保されていた」。

「取引先重要情報管理票を用いた情報管理そのものは、基本的に厳格かつ適切に運用されていた」。「インサイダー取引の防止のための研修が相当程度の頻度において実施されていた」。などなど。

最低限のルール整備が行われていたものの、こんなことが起きたのでもう一段階踏み込んだ改善策を求められています。しかし、これで2~3割の報酬減額とは、役員はつらいねぇ。

東証社員インサイダー事件 起訴内容認める 懲役1年6月求刑

東証社員インサイダー事件の初公判が4/24、東京地裁でありました。検察側は細道被告が業務上閲覧できた部署内の共有情報を父親に繰り返し伝えていたとし、細道被告は罪状認否で「間違いありません」と述べたたとのこと。伝えられた情報をもとに株を不正に取引したとしてインサイダー取引違反の罪に問われた父親の正人被告(58)も起訴内容を認めました。

おさらい

上場部開示業務室に所属し、上場企業の未公表情報に関する相談を受けていた細道被告が、TOB情報を得て、対話アプリのLINEの電話機能などで父親の正人被告に伝達。正人被告が情報が公表される前に合計3銘柄を取引して約409万円を不正に設けていたという事案でしたね。

懲役1年6月求刑

検察側は「市場の公正性と健全性、一般投資家の信頼を低下させた程度が大きい」などとして、2人に対し懲役1年6月、罰金100万円を求刑。父親の正人被告には追徴金約2116万円も求めました。判決は5月9日に言い渡されるということです。

409万円の利益に対して2人とも懲役1年6月。罰金が200万円に追徴金2116万円。インサイダー取引がどれだけ割に合わない不正かがよく分かりますね。

動機が

父親の正人被告が未公表情報を求めていたようで、これに対して細道被告は被告人質問で断り切れなかった理由について「父親との関係があまり良くなく、改善したい気持ちがあった。インサイダー取引は必ず露呈すると認識していたが、喜んでもらいたいという気持ちを優先してしまった」と語ったそう。東証元社員は(DVなどを背景にした)被害者だったんでしょうか。

オウケイウェイブ 自社株買いにおける不正まで登場

報道によると、東京地検特捜部は4/4、インターネットサイト運営の「オウケイウェイヴ」について、会社法で定める手続きを経ることなく同社株を不正に取得したとして、元社長ら経営陣3人を同法違反(自己株式不正取得)罪で在宅起訴したとのこと。

インサイダー取引

問題がややこしくなってきましたが、同社で起きた問題がクローズアップされたのは。2022年4月に発生した特別損失の発生という情報を公表する前にまんまと同社株を売り抜けたというインサイダー取引でした(詳細は過去記事をお読みください)。この時も東京地検特捜部が動いていました。

自己株式不正取得

で、今回問題になっているのは、上記よりも3か月前の2022年1月に実施した自己株式の取得(約8億円)が、会社法の定める手続き(取締役会決議)を経ることなく行われていたということです。普通、会社法違反だけで在宅起訴はないと思われますので、おそらく違法に会社資金で株価を買い上がる中で社長ら経営陣3人が売り抜けていたというおまけも付いてきそうです。

だとすると、会社の資金で自己株を買い上げる中で売り抜け、3か月後に致命的な悪材料を公表する直前にも売り抜けていたことになります。おそらく悪材料はもっと手前から見えていたんでしょうね。何とか自社の株価水準を維持しつつ、自らの持ち株を売り抜けようとあれやこれやと不法行為を行っていたってことになります。現時点ではkuniの想像も含めた投稿ではありますが、、、こいつらとんでもない輩です。