スルガ銀行再建策

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4/10 日本経済新聞でスルガ銀行の再建策について報道がありました。りそなHD、SBIHD、新生銀行の3金融機関に加え、なぜか家電量販店のノジマが支援に名乗りを上げているんだそうです(ノジマの本社は横浜で、神奈川、静岡で約100店舗展開してます)。また、例によって「複数の関係者によると・・・」という記事でして、ソースがはっきりしませんが、おそらく情報の多くが金融庁関係者からリークしているような感じです。

金融庁のプラン

記事中に「株価が500円強まで低下し、時価総額は1200憶円、割安感が出たため、金融庁も2018年度内には決まるだろうと見ていた」などと書かれています。金融庁としては、資本提携や資本参加といった形で、いずれかの金融グループ傘下に収まることを期待していたと思います。

ところが、本命と思われていたりそなHDは、あくまで資本提携ではなく業務提携にこだわったとか。まぁ、当のりそなHDにしても、先日書いたように、自行におけるレオパレス21絡みの不良債権化問題等もあり、スルガ銀行の救済どころではないんでしょうね。ただ、今後のサブリースショックの破壊力次第では、2行一緒にしておいて、最終的に公的資金の注入なんていう大技もありかもしれません。二度とそんな光景は見たくないんですけど。

4陣営の見立て・思惑

記事を読んでいて少し気になることが。「個人に強いスルガ銀行の顧客基盤を使えば相乗効果が出る可能性がある」というSBIの見立てです。いや、微妙な書き方ですが、この見立ては日経によるものですかね。いずれにしても、ここでいう「個人に強い」とか「顧客基盤」って、幻想に過ぎないですからね。

他にも、不祥事後も貸出金利回りが3.35%だとか、実質業務純益が423憶円で、ライバルの静岡銀行を上回るなどという見立てもあります。これらも決して将来のスルガ銀行を表したものではありません。

投資用不動産向け融資の多くが不正な融資であり、過去数年間、地銀の中の優等生と言われてきた、その営業力は虚構だったわけです。加えてこうした不正融資の餌食になった顧客は少なからず同行から離反していくでしょう。顧客基盤も大きく傷ついているはずです。

スルガ銀行は十分な引当金を積んだとみられているようですが、これもあくまで不正である可能性が高い融資分だと思われます。それ以外の投資用不動産に対する融資も(たとえ不正がなかった案件だとしても)、サブリースショックの規模次第では不良債権化する恐れはあると思われます。こんなことも含めてですが、4陣営ともに、やや見立てが甘いように感じます。不良債権処理の規模等の精査が進むと、まだまだ、このお話二転三転ありそうですね。

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