国税職員の不正・不祥事 人間関係の希薄化が原因

1/18付け日本経済新聞に「国税職員の不祥事相次ぐ」という記事がありました。昨年は確かに国税や税務署職員の不祥事をよく見たような気がします。それでも記事によると件数自体は例年と大差ないらしいです。ただ、不祥事の内容が酷すぎるということのようですね。

2つの事例

記事で紹介されていたのは、甲府税務署の20代職員の事例。大学生と共謀して持続化給付金をだまし取った疑いで逮捕されています。250件の虚偽申請に関与しているとか。さらに、愛知県警の家宅捜索で乾燥大麻まで出てきたというあの事件です。

もう一件は、不動産取引で消費税の還付を不正に受けたとして、札幌国税局の職員が逮捕された事例。こちらは45歳の職員ですね。この職員も昨年夏に大麻を栽培、密売したとして逮捕、起訴されています。どちらも国税職員としての専門性を悪用しています。

発生の原因

この記事の中ではある現場職員の話として、「人間関係の希薄化」をあげていました。この意見にはkuniも賛成です。新型コロナの影響で人と人との距離感が大きく変化しました。組織で働く者は、組織の中で上司や同僚から受ける「牽制」を意識するものです。

この牽制がうまく機能していることで、一人一人のルール遵守が担保されてきたのは事実だと思います。その牽制が有効に機能するための人と人との距離感が変化してしまいました。リモートワークしかり、職場でのウェブ会議しかり。職場で飲み会がなくなってしまったことも。

こうした状況はまさに不正を働く機会が増加したということであり、さらに、発見しにくい環境も出来てしまっているということだと思います。不正・不祥事がより発生しやすくなっていますし、より発見しにくくなっているのです。管理職の方はまずこの現実を直視する必要があると思います。

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