国立研究開発法人物質・材料研究機構は6/16、「元職員による架空業者への不正発注について」を公表しました。当ブログでは上場企業以外での不正・不祥事は取り上げてこなかったんですが、この事案についてはちょっと特別に・・・。
国立研究開発法人物質・材料研究機構
物質・材料科学技術の水準の向上を図ることを目的として設置されている機関で、世界最高水準の研究開発成果の創出・普及及び活用の促進に向けた取組を進め、我が国のマテリアル分野を牽引する中核的機関としての役割を果たしているんだそう。
不正の概要
不正を行ったのは同機構の室長職にあった者。事業実態のない架空の個人事業主に対し、調達部署の承認手続きを要しない少額契約の不正発注や経費申請の手続きにより、機構業務を架空業者に繰り返し発注する形を装い、業務委託料等を私的に流用していました。
不正発注は2015年度から2021年度までの7年間にわたり行われ、発注件数は計69件、発注金額は総額27,248,500円だったそうです。
不正は昨年末に情報提供があって発覚し、機構側が内部調査をしていたようです。公表文では、「職員は死亡により退職したため懲戒処分は実施していない」としています。報道等でも、「流用を認めた後に死亡」と表現されています。状況からすると、おそらく自殺なんでしょうね。
不正等の調査で、行為者の自殺は最も回避すべきことです。本人が真摯に語ってくれれば、他にも様々な課題が見えてきたかもしれません。もちろん民間企業であっても同様です。