京都を代表する企業 オムロン ワコール 希望退職者募集

日経平均株価がバブル時の最高値を更新したと大騒ぎですが、オムロンは2/26、国内外で合計2,000人の人員を削減すると発表しました。国内では4月から5月末まで、40歳以上の正社員などを対象に約1,000人の希望退職を募るということです。

オムロン

オムロンは様々なモノを計測するセンサーの技術に強みを持つ企業。これを活用した工場自動化用制御機器(FA機器)が主力事業です。我々の身の回りでは血圧計などのヘルスケア事業も展開する東証プライム上場企業です。京都を代表する企業ですね。

オムロンが大規模な人員削減に踏み切るのは、IT(情報技術)バブル崩壊後の2002年以来だそうです。同社の連結従業員数は約2万8,000人(23年3月末時点)で、2,000人が退職すれば7%程度の人員を削減することになります。

ワコール

同じ2/26、同じく京都を代表する企業のワコールは、募集していた早期退職に215人が応募したと発表しました。11月に今期の最終赤字が拡大するとの見通しを公表するなか、販売職を除く正社員で45歳以上64歳以下の150人程度の早期退職を募集するとしていました。同社の想定より多くの人が応募したんですね。

インバウンドで訪日外国人が大挙して訪れる京都。地場産業はかなり潤ってると思われますが、京都発で世界に名を轟かせてきたオムロンとワコールは業績悪化に苦しんでます。なんなんでしょう、このコントラスト。

スギ薬局(スギホールディングス) うるう年の影響でシステム障害

大手ドラッグストアのスギ薬局を展開するスギホールディングスは2/29、処方箋管理システムの障害が起き、全国のスギ薬局で処方薬の会計ができなくなったとのこと。同社の開示ではなく、こちらは共同通信が報じた情報のようです。

スギホールディングス

スギホールディングスは、主に調剤薬局(医師の処方箋に基づき保険調剤する薬局)併設型のドラッグストア「スギ薬局」を運営する企業。一般用医薬品・健康食品・化粧品等の販売から、処方箋調剤、健康相談なども担っています。愛知県に本社を置く東証プライム上場企業です。

この日、ドラッグストア国内最大手のウエルシアホールディングスと、2位のツルハHDが経営統合するというニュースが出ており(公表は28日)、ドラッグストア業界が世間の注目を集めていました。ちなみに、スギホールディングスは業界第6位ですね。

システム障害

処方箋管理システムの障害が起きたのはうるう年(2/29はうるう日)の影響だそうです。システムのデータベースにおける、日付テーブル(カレンダーテーブル)がうるう年を考慮してなかったということでしょうかね。しかしまぁ、今どきこんな初歩的なミスで障害が起きるとは。

これを書いている段階で、同社からの開示やお知らせもなく、詳細は不明です。ちなみに、神奈川、新潟、愛媛、岡山の4つの警察本部の運転免許センターでも、うるう日の影響でシステム障害が発生したそうです。4つの警察本部のシステムはいずれも同じメーカーのものなんだとか。スギ薬局も?

株式会社東京衡機 またしても 取締役の不正行為が発覚

株式会社東京衡機は2/27、「調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社の元取締役が関与して、過去に不適切な取引が行われていた可能性があることが判明したということです。2017年には取締役の不正、2023年にも別の不正が発生した同社でまたしても。

株式会社東京衡機

東京衡機は、製造業や研究機関向けに、素材や部品などの実働条件下における耐久性などの評価で利用する試験・計測機器のメーカー。東証スタンダード上場企業です。昨年3月の不正により、東証から特設注意市場銘柄(現在は特別注意銘柄)に指定され、上場契約違約金1,440万円を徴求された企業です。

不正の概要

既に退任している同社の元取締役が関与して、過去に不適切な取引(現在把握しているかぎりでは、約5年間の概算で 2億円超の売上原価の過大計上)が、同社グループ会社において行われていた可能性があるとしています。外部からの情報提供により判明したようです。不正な取引の具体的な内容、期間、会計的な影響、類似案件の有無等を調査委員会で調べるとしています。

内部管理体制等について改善の必要性が高いとして東証から特別注意銘柄に指定。まぁ言ってみれば執行猶予期間中の前科者みたいなもんです。その同社でまた、さらなる不正が発覚したと。外から見ていても本気で改善する気があるように見えませんし、、、この会社ダメかもしれませんね。

株式会社イメージワンにみる 第三者委員会の調査費用

株式会社イメージワンは2/22、「第三者委員会調査及び過年度決算修正対応に伴う特別損失の計上見込みに関するお知らせ」を公表しました。第三者委員会調査関連費用 22,406 千円、過年度決算修正対応費用 39,327 千円)を特別損失に計上する見込みとのこと。

おさらい

代表取締役社長及び1名の取締役が、同社子会社における新規事業参入にあたって、第三者に対して不正に金品を供与したと疑われる行為があったこと、及びこれに関連する不正な行為を行った疑いがある。という、取締役の不正について第三者委員会で調査してきました。

今回の開示では第三者委員会調査関連費用 22,406 千円となっていますが、これは2024 年 1月稼働分の追加作業の費用だとしています。これに先立ち、前四半期でも特別損失の計上が公表されており、その時点での第三者委員会調査に要した費用は73,122 千円を計上する見込み、としていました。

調査委員会の費用

同社が第三者委員会を設置したのが昨年10月16日。調査結果を受領したのが今年1月15日でした。調査期間はちょうど3ヶ月ということになります。委員会の構成は弁護士、公認会計士である委員長と、弁護士2名、公認会計士1名の計4名となっていました。

4名の第三者委員会で3カ月間の調査を行い、当該調査に要した費用が約9,550万円になりました、という結果なわけです。もちろん、委員にどれくらい著名な方を招くか、とか、事案の調査範囲などによりかなり変動しますが、まぁ、一つの目安ということで。

ANAやJALの子会社、空港内走行車両の免許試験で不正

ANAと子会社のANAエアポートサービス、JALの子会社ジャルロイヤルケータリングとJALスカイの2社で不正が発覚。空港の制限区域内を走る車両を運転するために必要な免許の試験で、社員がオンライン受験する際、教本をみて回答するという不正行為がありました(2/20日経)。

不正行為

ANAでは6人、子会社のANAエアポートサービスでは72人が、同社の監督者が教本閲覧を認めるという不正な環境下で受験していたとのこと。また、JALではJALの子会社であるジャルロイヤルケータリングで2人が、JALスカイでは9人の不正が確認されたということです。

今回の試験は滑走路や駐機場で車を運転する際の規則について、制限速度や航空機に接近した際の対処方法などを問うものだそうです。試験はこれまで各地の空港で実施されてきましたが、昨年度から、国土交通省に申請し、試験監督を設置すればそれぞれの会社でも行えるようになったそう。

この不正行為は国土交通省が定める安全管理規程違反であり、外部から国土交通省に情報提供があり、不正が明らかになったということです。重大な違反のはずですが、ANAやJALやその子会社のホームページではまったく公表されていません。

「信頼と安全を揺るがす事案を発生させてしまい、申し訳ありません。」とコメントしてるらしいけど、まず事実を自ら公表しない辺り、本気で改善されるのかどうか、、、重大な事故が起きてからでは遅いんですよ。