日経平均株価 4,450円安 NISAショック?

8/5、日経平均株価は31,458円、前日比4,451円安の暴落となりました。下げ幅ではもちろん過去最大。下落率で見てもいわゆるブラックマンデー翌日の14.9%に次ぐ12.4%となりました。ただ、この日に至るまでに既に3,000円以上下げてますからねぇ。ブラックマンデー超えといってもいいかも。

暴落の原因

まぁ、いろんなことが言われてます。米国の景気後退懸念と金利低下、日銀による利上げと、これらにより誘発された予想を上回る円高の進行などなど。米国株価の好調に乗じて円安が進み、円キャリートレードで加速していた日本への資金流入が一気に逆回転してしまいました。

こうした株高の背景にあったのが新NISAのスタート。株式市場では新しい制度や取引が開始されるとき、開始に向けて気運が高まり上昇し、開始された途端に下げに転じる(好材料出尽くし)といった事例をたくさん経験してきました。今回で言うとその好材料が新NISAだったと思われます。

国が税制を優遇し、国民の資産形成を推し進めるという政策に多くの投資家が誘導されてきた結果、日経平均は大きく上昇してきました。新NISAスタートで実際に巨大な資金が市場に流れ込んだのは事実ですし、それをあてにした外国人買い等も強烈に買ってきました。

皆が強気になった時

こうして市場参加者が全員強気になった時、下げが始まります。ブラックマンデーもリーマンショックも市場関係者として見てきましたが、詳細な下げのメカニズムは違うものの、このセオリーは一緒です。さらに、これらの暴落場面と比べても、今回の下げは強烈ですね。

新NISAスタート直前の日経平均は33,500円程度、TOPIXは2,360ポイント程度。そこからの上昇分をすべて吐き出してしまいました。政策にに煽られる格好で新NISAを始めた方には非常にお気の毒ですが、相場ってそういうものなんです。

ただ、NISAという制度は長期保有が前提。今回の暴落は単なる通過点と考え、一喜一憂されませんよう。ここからは安いところが買えるわけですから。

株式会社セガ カスタマーハラスメントに対する対応

少し前になりますが、株式会社セガは7/17、「弊社従業員に対する誹謗中傷など度を超えたハラスメント行為等への対応につきまして」を公表しました。同社従業員個人にSNS上で度を越えた誹謗中傷や侮辱行為を行った人物に対する対応の結果ですね。

株式会社セガ

セガは家庭用・業務用ゲーム開発、AM(アミューズメント)施設運営大手です。東証プライム上場企業であるセガサミーホールディングスの中核子会社ですね。

カスハラへの対応

同社従業員個人に対して、SNS上で度を越えた誹謗中傷や侮辱行為を行った人物に対して、長らく対応を続けてきたものの改善されなかったとのこと。そのため同社は法的措置を講じ、発信者情報の開示請求の申立てが裁判所に認められ、カスハラ行為者を特定しました。

その後の個別での交渉により、同社従業員に対して損害賠償金を支払う旨と、これまでの誹謗中傷や侮辱行為の削除、今後はそのような行為を控える旨で 示談を成立させたということです。ハラスメント行為を断じて許容しないという同社の姿勢は評価されるべきですよね。

ハラスメント行為を断じて許容せず戦ってくれる会社と、大事(おおごと)にしないよう従業員を説得しようとする会社。当然ですが従業員の満足度には雲泥の差が生まれます。皆さんの務める会社はどっち?

ヤフー掲示板で風説の流布 会社役員の男性に課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は7/26、「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式に係る風説の流布に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。利益を得る目的で嘘の情報を流し、株価を吊り上げたとして、会社役員の男性に課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告しました。

勧告の概要

「Yahoo!ファイナンス」内の電子掲示板に、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズに関して、合理的根拠のない情報を投稿し、これにより、同社の株式の価格を上昇させ、もって有価証券の売買のため、かつ、相場の変動を図る目的をもって、風説を流布し、当該風説の流布により有価証券の価格に影響を与えたとしています。

上記のように、価格を変動させる目的で、虚偽の情報を流すことにより、東京都内に住む50代の会社役員の男性は、およそ139万円の利益を得たということです。これに対して監視委員会は課徴金(209万円)納付命令を出すよう金融庁に勧告しました。

風説の流布で課徴金

過去に聞いたことないなぁ、なんて感じましたが、「風説の流布」によって課徴金納付命令の勧告が出るのは初めてなんだそう。偽情報の共有や拡散がSNS等でいとも簡単にできるような時代になっているわけですから、監視委員会の初対応は正解、至極当然なものだと考えます。っていうか、むしろ遅すぎたんじゃね、ってのが本音。

トヨタ自動車 型式指定申請における新たな不正行為 是正命令も

国土交通省は7/31、「トヨタ自動車(株)の不正事案に関する国土交通省の対応について」を公表しました。7月5日に同社より報告された7車種以外にも、新たに7車種で不正が確認されたことから、トヨタ自動車に対し、道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を発出しました。

やっぱり出てきた

7/5に調査結果を報告し、「これ以外に不正はありません」としていたトヨタでしたが、国交省の調査により、追加で7車種(現行生産車4車種、過去生産車3車種)における不正行為が認定されました。やはり、予想通り出てきました。

現行生産車で不正が認定されたのは、RAV4、ノア・ ヴォクシー、ハリアー、レクサスLM の4車種。量産品とは異なる仕様の部品で衝突試験をしたり、試験データを書き換えたりしていました。自社での内部調査では見つけられず、国交省の指摘で発覚するという最悪の展開です。社長は否定してるようですが、当然、「隠蔽しようとしていたのでは?」とみられてもしょうがないですね。

やっぱりトップの引責辞任?

道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を受けたトヨタ。是正命令を受けるのはトヨタとしては初めてらしいです。公表されているのは、「1ヶ月以内の再発防止策の報告、四半期毎の再発防止策の実施状況の報告」と、まぁ、定番の命令なんですが、内々にトップの引責辞任についても求めてるかもしれません。

株式会社IHI 連結子会社における新たな不正が発覚

株式会社IHIは7/31、「当社連結子会社 新潟トランシス株式会社における不適切行為について」を公表しました。100%子会社で鉄道用車両、産業用車両、除雪機械の製造・販売を手掛ける新潟トランシスにおいて、新たな不正が発覚したということです。

不正の概要

今年4月に子会社のIHI原動機で船舶エンジンの試験における不正行為が発覚したIHI。今度は別の子会社新潟トランシス株式会社において、不正が発覚しました。同社が製造および販売したロータリ式道路用除雪車の一部において、顧客に提示した仕様と異なる仕様の車両を納入していたことが判明したといいます。

除雪性能を高く見せるため、実際に納入するものとは異なる除雪装置の部品を使って試験をしていました。2002年以降に販売された43機種,2,847台を調査したところ、2007年から2017年にかけて販売された10機種、1239 台で不正が判明したとのこと。除雪性能試験で求められる目標を達成できず、装置の一部部品を試験時のみ取り換えていたということです。

発覚の経緯等

4月のIHI原動機における不正を受けて、同社グループにおける同様事案の有無の調査行っていた際、新潟トランシス社員より上記不適切行為についての申し出があり発覚しました。この分だと他の子会社でもまだまだ出てきそうですねぇ。

膿はしっかり出し切りましょう。中途半端な対応していると、トヨタさんみたいに当局に調査完了報告した後に、「また出てきました」、みたいな不細工なことになりますよ。