リープフロッグ ゆでガエルを横目に

以前、リープフロッグ現象(リープフロッグ型発展)について書きました。既存の社会インフラが整備されていない新興国において、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術進展を飛び越えて一気に広まる現象ですね。金融の世界においても、重厚なインフラを作ってしまった日本とは比較にならないスピードで、スマホだけで何でもできるフィンテックを中国などが実現してしまいました。

リープフロッグ

英語では leap :飛び跳ねる 飛び越える という意味です。frog :カエル の意味です。勢いよく飛び越えていくカエルってな意味で使われるんですね。先ほど書いたように、中国はまさにこの表現がぴったりな国です。今後はインドやアフリカ諸国がこうしたリープフロッグを見せ付けるんでしょう。

ゆでガエル

中国が勢いよく飛び越えていったのは日本。日本はまさにゆでガエル状態なわけです。きっとゆでガエルを横目に飛び越えていったのでしょう。ゆでガエルとは、ビジネス環境の変化に対応することの重要性を例える言葉です。

熱湯に入れたカエルは、直ちに飛び跳ね脱出し生き延びるのに対し、穏やかに水温が上昇していく冷水に入れたカエルは、水温が上がることに気付かず(ビジネス環境の変化に気付かず、対処できず)、逃げ遅れて死んでしまう。そんな意味なんですね。

調べてみると、かなり多くの人がこのカエルの実験を実際にやっているみたいです。実験の結果、熱湯に入れれば飛び出せずに死んでしまうし、冷たい水に入れれば熱くなるにつれ運動が活発になり、熱湯になる前に飛び出してしまう。というのが真相のようです。つまり、事実に基づくお話ではないということですね。

それでもゆでガエルが次から次へと

まぁ、あくまで物事の例えなわけで、、、本当にカエルで実験することもないだろうと思いますが。そこは科学者のプライドが許さないんでしょうね。

ビジネス環境や戦況の変化、自社における企業風土の劣化を正しく認識できず、おかしなことになって行く会社が後を絶ちません。証券業界の雄だった野村證券、メガバンク、つい最近ではセキュリティ対策を怠ってセブンペイでしくじったセブン&アイ・ホールディングス。ゆうちょ銀行にかんぽ生命、大和ハウス工業、IHIなどなど。業界のトップ企業がおかしくなって行ってるのが気になりますね。

レアメタル レアアース 違い分かる?

7/17付け日本経済新聞に「レアメタル下げ一色に」という記事と、「レアアースは騰勢一服」という記事が並んで掲載されていました。タイトルだけ読んでドキッと。レアメタルとレアアースってkuniの頭の中でチャンポンになってる。違いが説明できない。ちょっと、、、ヤバい。

レアメタル(希少金属)

良い機会なので調べてみました。レアメタルっては日本だけでしか通じない用語なんだそうです。「稀少な金属」という意味で、産業に利用されるケースが多いものの、産出量が少ない金属類を指します。 実は明確な定義はないらしく、一般的には経済産業省が「安定供給の確保が政策的に重要である」として指定した31種類の金属をいうことが多いそうです。ニッケルや白金、コバルトなどがあります。

レアアース(希少希土類)

レアアースは科学用語なんだそうです。化学の授業などに出てきた元素の「周期表」で、希土類に属する物資を指していて、全部で17種類あります。レアメタルの31種類の中に含まれているんですね。レアアース⊂レアメタルってことです。

希土類元素は、地球上にわずかしか存在しませんが、他の金属などと混ぜ合わせるなどして使用し、その性能を大幅に向上できます。例えば「ネオジム」や「ジスプロシウム」は、永久磁石の製造に欠かせません。古い話ですが、日立製作所のカラーテレビ「キドカラー」は、この希土類を使って高い「輝度」を実現させたことから命名されたらしいです。

このレアアース、世界全体の供給量の90%を中国産が占めていることから、供給ストップや価格の高騰など、中国の政治や経済、国交などの影響を受ける可能性があり、時々ニュースになりますよね。今回もトランプ氏の関税に対して、中国はレアアースの供給を絞りそうな気配です。

都市鉱山

レアメタルとレアアースを語るとき、一緒に都市鉱山という言葉も出てくることが多いようです。どちらも希少であり、貴重な資源であることから、その供給源を「都市で大量に捨てられる携帯電話やパソコンといった家電品からのリサイクル」(都市鉱山)に求めるという考え方があるということです。

そういえば、東京オリンピックの金メダルも携帯電話からリサイクルで作るんでしたよね。白金はレアメタルに入ってますが、金(ゴールド)はレアメタルに入っていません。念のため。

LINEの金融 優れたUI/UX

金融財政事情でLINEの特集が掲載されていました。その中の一つ、「優れたUI/UXで金融の民主化を進める」という記事なんですが、、、皆さんはUIとかUXって、意味分かりましたでしょうか。kuniはUIは何とか分かったものの、UXは分かりませんでした。しかし、Web業界では普通に使われる言葉だそうで、今日はこのお話を。

UIとUX

LINEには優れたUI/UXの技術者がいて、彼らが金融分野に切り込んでいく際にも非常に有効である、、、みたいな文脈で使われていました。UIとは「User Interfaceの略で、ユーザーと製品やサービスの接触面」のことです。もう少し柔らかく言うと、ユーザーの目に触れる画面全体やそこで使われているフォントなどのパーツを指すこともあります。

対してUXとは「User Experienceの略で、ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験」のことだそうです。こちらは例えばホームページなんかでいうと、デザインが素敵だとか、クリックした際の反応が良いだとかといった、使い勝手の良さやサービスの質に関することになります。

LINEという会社はスマホで各種サービスを提供する会社ですから、彼らがUI/UXと並列して表記するとき、「洗練されたユーザーインターフェイスとそこから提供される高機能かつ簡単な金融サービス」といった意味で使っているんでしょうね。UIとUXの意味、この際覚えちゃいましょう。

三文字頭字語(さんもじとうじご)

最近、アルファベット三文字とか、上の例のような二文字とかの用語(特にIT業界用語)がやたらと多くて。kuniも一応IT業界におりますのでこれからできるだけ紹介していきたいと思います。で、アルファベット三文字で表す略語のことを、三文字頭字語(または三文字略語)と言うんだそうです。これ(三文字頭字語)も略してTLA(Three Letter Abbreviation)なんて呼ぶみたいです。

以前、当ブログで取り上げたAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)もそうですね。今日の話題のUI/UXの場合は、二文字頭字語です。二文字では、誰もが知っているところでIT(インフォメーション・テクノロジー)なんかがそうです。最近は情報だけではなく、通信も重要な要素になってきているため、ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)という言い方も増えてきています。

二文字、三文字で足りなくなってきたんでしょうか、MaaSみたいに四文字も登場してきています。ちなみにアルファベットだけで3文字を表示すると、26×26×26=17,576通りの三文字頭字語が作れますよね。それでも足らなくなったんでしょうか。

金融機関の高齢者勧誘ルール

3連休の日経電子版の記事に「その投信・保険、本当に必要? 高齢者でトラブル多く」というのがありました。この記事は電子版だけなんでしょうかね。このところのゆうちょ銀行、かんぽ生命の投資信託や保険の不正販売を受けた、高齢者等へ注意を喚起する記事です。

国民生活センターに寄せられた相談から、十分な説明を受けないまま契約に至った高齢者の取引事例が紹介されています。最近は国内金利の低下で円建て商品の提供が困難になってますので、当然、米ドルや豪ドルなど外貨建て保険の取り扱いが増加、これをめぐるトラブルが目立ってきているという内容。

高齢者勧誘ルール

日本証券業協会が高齢者取引のガイドラインを定めており、ほとんどの金融機関がこれに沿った社内ルールを整備しています。記事では以下のようなことが書かれていました。

「多くの金融機関が無理な販売に歯止めをかけようと社内規定をつくりながら、現場で徹底していない現状が明らかになった。保険商品の内容を複数回にわたって説明するルールを設けている金融機関は78%だった一方、実施率は61%にとどまった。69%の金融機関で親族の同席を求めるルールがあるのに、実行に移されている割合も30%と低調だった。」

これはちょっと読む人を誤認させかねない書きぶりですね。複数回に分けて説明するルールを設けても、顧客が強く要望する場合はやむを得ず一度の説明で済ませてしまうこともあるでしょう。親族の同席についてはより深刻で、高齢の顧客がその資金の運用について、親族に知られたくないという方は少なくありませんし、同席すべき親族がいらっしゃらない方だっていらっしゃいます。

そういう高齢の顧客が一定程度居るため、これらのルールはマストにはできないんですね。おそらくどの金融機関でも、顧客がどうしてもそう希望される場合は、その証跡を残すことで例外的な対応をすることを許可していると思います。

しかしながらこの記事では、例外対応等には言及することなく、単に「金融機関自身が設けた社内規定を全然守っていない」ように伝えてしまっているわけです。高齢者を保護することは大切ですし、不適切な勧誘をしている金融機関があることも事実ですが、もう少し丁寧な(正確な)記事を書いてほしいものです。

かんぽ生命 全顧客に意向確認 2900万件

7/15付け日本経済新聞の記事です。「かんぽ生命保険で多数の不適切販売があった問題で、同社と販売を受託している日本郵便が、すべての契約者に保険の契約内容が希望に合っているかなどの意向を確認することが分かった」と伝えています。

手紙の送付や直接訪問を通じて、顧客と一緒に内容を確認する。意向に沿わない契約だったと申し出があれば、契約時の状況を確認し、場合によっては取り消しや保険料の返還などに応じるとしています。

契約件数 2900万件

全契約件数は2900万件に上るとも書かれています。ものすごい数ですね。契約者数とイコールではないでしょうが、意向確認の作業、大変な業務不可になりそうです。かんぽ生命のホームページでは、「かんぽ商品に係る当面の業務運営について」というプレスリリースが出ています。7/14付け、日曜日ですね。

「当面の間(7~8月)は、お客さまからのお問い合わせ、ご訪問依頼に最優先で対応させていただきます。 また、お問い合わせ等のないお客さまに対しても、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げるとともに、今後ご通知等を通じてご契約内容の確認等を行わせていただきます。」とあります。

顧客側から問い合わせや訪問依頼があった場合は、電話や訪問により意向確認等を実施し、なかった顧客に対しては通知等(郵送)で意向確認するということですね。

契約の取り消しや保険料の返還

ホームページのプレスリリースを受けて、日経の取材に応じたんだと思われますが、日経が書いている「意向に沿わない契約だったと申し出があれば、契約時の状況を確認し、場合によっては取り消しや保険料の返還などに応じる」というくだりは、ホームページでは確認できません。メディアには良いこと言って誠意を見せるが、ホームページの顧客向けメッセージには載せないってのはいかがなものでしょう。

また、日経の記事には、「新契約を減少させる影響があるが、販売費用の減少も見込まれるため、現時点で業績予想は修正しないとしている。」と書かれていますが、この業績予想に関するお話もホームページにはないんですね。

「新契約の減少と販売費用の減少が相殺する」という前提もかなりいい加減な話で、9月辺りに業績予想の下方修正を迫られるのは間違いなさそうです。何もかもが後手後手になっています。そして、今後の業績に関する見通し等を、一部のメディアに対してのみ提供するという脇の甘さも、、、。なんだかねぇ、これからもまだまだメディアを賑わせそうです。