短期養殖(半養殖)マグロ 出荷が始まる

日本経済新聞は1/21、「短期養殖マグロ、山口で初出荷 通常養殖より2割高く」と報じました。漁獲した天然クロマグロを半年ほどいけすで養殖し、太らせて出荷するという手法らしいです。

短期養殖(半養殖)

1匹100キログラム近い天然マグロを漁獲し、半年かけてサバなどの餌で150キログラムまで太らせるんだそう。海で泳いでいたとあって赤身がしっかりし、トロ部分には甘い脂が乗っていると。想定する卸値は時期にもよるが、3〜4年育てる通常の養殖マグロより2割ほど高いとのこと。

養殖期間が通常養殖より短く、餌代や災害のリスク軽減や天然資源の価値向上につながるといいます。餌代は分かるけど災害リスクってなんだ?地震や津波でいけすが破壊されるリスクのことでしょうか。全体的に完全養殖よりコスパが良いことを伝えているんだけど、漁獲のコストとかはどうなんでしょうね。

マルハニチロ ニッスイ

今回山口県長門市から出荷したのはマルハニチロの子会社。ほかにニッスイも京都府で短期養殖を手がけているそうです。「漁獲規制の効果によりマグロが増えてきて、イカをたくさん食べちゃうからイカが不漁で価格高騰」なんてニュースもありましたね。

イカの漁獲量も復活して、美味しいマグロが安く食べられるようになるならありがたい話です。ただ、サバが割り食っちゃうんだよね。海流の影響でサバが不漁・・・なんてことになると短期養殖も破綻しそう。

中部鋼鈑株式会社 製鋼工場で水蒸気爆発とみられる事故が発生

中部鋼鈑は1/21、「製鋼工場における事故に関するお知らせ」を公表しました。1月21日(火)午前7時45分ごろ、愛知県名古屋市中川区の製鋼所で、水蒸気爆発とみられる事故が発生したとのこと。

中部鋼鈑

中部鋼鈑は国内唯一の電炉厚板専業メーカー。創業当時から電気炉を採用し、鉄スクラップを原料に厚板を生産しています。電気炉の特徴を活かし、多品種・小ロット・短納期生産に対応することで、高炉メーカーと一線を画す独自市場を開拓する東証プライム上場企業です。

事故の概要

製鋼工程の電気炉周辺において、水蒸気爆発とみられる事故が発生し、午前9時55分に鎮火しました。事故の発生原因については、現在調査中としていますが、鉄を溶かす溶鉱炉を冷やすための水に、溶けた鉄が触れたことで水蒸気爆発が発生したものとみられているようです。

この事故による人的被害はなく、物的被害については、建屋が損傷したほか詳細を確認中だそう。工場は本社所在地と一緒になってるので本社工場ということのようです。8時前の爆発、始業時間前だったから人的被害がなかったんでしょうかね。いずれにせよ、一つ間違えたら大惨事でした。

金融庁 トヨタモビリティ東京に対し保険業法に基づく業務改善命令

日本経済新聞によると金融庁は、トヨタ自動車の直営販売会社のトヨタモビリティ東京と、中古車販売大手のグッドスピードに対し、適切なガバナンス体制の構築、再発防止策の検討を求めるべく、保険業法に基づく業務改善命令を近く出す方針を固めたとのこと。

トヨタモビリティ東京

トヨタモビリティ東京は資本金181億円、従業員7,700人、東京都内で約200店舗を展開し、自動車保険に加えて生命保険も取り扱うトヨタの完全子会社です。同社ではレクサス高輪における不正車検(2021年)や板金塗装修理費の過大請求(2020年)などが発覚していました。要するにビッグモーターと何ら変わらない不正を行ってきたわけです。

業務改善命令

中古車販売大手の旧ビッグモーターの保険金不正請求など、損害保険業界の一連の不祥事を受け、金融庁は新車販売会社も含めて立ち入り検査を実施してきました。立ち入り検査の結果、特定の保険商品への加入を条件に、自動車や関連サービスを値引く違反行為などがあったようです。

さらに、損保会社に対して保険金を不正に請求する事案が確認された(どのような手口だったのかは今のところ不明)ほか、重要事項の説明を怠るなどの違反行為もあったということです。いやいや、マジでビッグモーターそのまま。自動車販売業や修理業、業界丸ごと腐ってますね。今後日産自動車やホンダとかも出てきそう。

三井住友信託銀行の元行員インサイダー取引 3千万円超の利益?

昨年11月に行員のインサイダー取引の疑いを公表した三井住友信託銀行。1/17の報道によるとこの行員は3,000万円超の利益を得ていたということです。

おさらい

行ったインサイダー取引は複数回で、行員が10月30日に会社に申し出たことで発覚したということでしたね。翌日の11月1日付で懲戒解雇になっています。この時点では行員の立場や取引の内容、どのくらいの利益を得ていたかなどの情報は公表されていませんでした。

取引等の概要

その後の報道ではそれらの情報が伝えられています。まずこの行員は信託銀行の中枢であり、資本市場の管理人でもある証券代行部門の営業部隊に所属していた部長職。そして、取引は企業のTOB(株式公開買い付け)情報に基づいて株式を売買していたということ。複数回の株取引をした結果、3千万円超の利益を得たとみられるとのこと。

昨年末に相次いだインサイダー取引。金融庁出向中の裁判官、東証の職員、そしてこの三井住友信託銀行の行員、いずれもTOBに関する情報をその職務を通じて知って行為に及んでいます。

金融庁の件も東証の件もインサイダー取引で得た利益は数百万円でした。に、比べると3,000万円超の利益ってデカいですね。いったいどのくらいの元手で取引してたんでしょ。相当金融資産持ってたのか、どこかから融資受けてやってたのか、信用取引でレバレッジ効かせてたのか・・・。

LINEヤフーの韓国従業員にインサイダー取引で1,464万円の課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は1/17、「株式会社出前館との契約締結交渉者の従業員から伝達を受けた海外居住者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。

事案の概要

出前館 との資本業務提携交渉に関わっていたLINE従業員から事前に情報(LINEを引受先の一つとする第三者割当増資を行い、同社と資本業務提携する)を得て、出前館株の取引を行ったというもの。課徴金の額は1,464万円です。

納付命令を受けることになるのはラインヤフーの韓国子会社の従業員で、家族名義で約1,108万円で買い付けを行っていたとのこと。

非居住者であっても

韓国からの買い付けということで、韓国の証券会社を通じた取引だと思われますが、こうしてちゃんと調べられ、インサイダー取引が見つかってしまうわけです。

監視委員会の公表文の最後のところに、「本件については、香港、大韓民国、シンガポール、タイ、アメリカの各金融規制当局から支援を受けている。」、「 また、日本取引所自主規制法人から提供された情報等も参考として、実態解明を行ったものである。」と書かれています。非居住者(海外からの買い付け)であっても、、、見つかっちゃうんです。