富士通子会社のシステム 住民票の写しなど証明書誤交付

富士通100%子会社の富士通Japanは3/30、住民票の写しなど公的証明書をコンビニで交付する同社のサービスで27日に障害が発生し、横浜市で、申請者とは違う住民の証明書が発行されたと発表しました。

富士通Japan

富士通Japanは富士通の100%子会社で、自治体、医療・教育機関、および民需分野のソリューション・SI、パッケージの開発から運用までの一貫したサービスを提供する企業。AIやクラウドサービス、ローカル5Gなどを活用したDXビジネスの推進も。非上場企業ですが、売上高は6,000億円に迫ります。従業員数もなんと10,000人。

障害の概要

障害が起きたのは、横浜市のマイナンバーカードを使ってコンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書などを交付できるサービス。3/27、3/28の両日で、申請者とは別人の住民票の写しを誤って交付してしまった例が5件(11人分)あったといいます。

そしてさらに、5/1には足立区でも同様の障害が確認されました。誤発行は3人分の住民票写しと、1人分の印鑑登録証明書の計2件で、いずれも足立区内のコンビニで3〜4月に発生したということです。横浜市で発生した誤交付を受けて、富士通ジャパンが他の自治体向けのサービスも点検して判明しました。

他の自治体向けサービスの点検は4月末で完了し、足立区以外の不具合はないとのこと。事実上の終結宣言ですが、マイナンバーカードやら個人の公的証明、かなり皆さん敏感な対象だけに、、、この誤交付はいただけません。親会社の富士通からも何ら開示がされてないってのも気になります。

KNT-CTホールディングス子会社(近畿日本ツーリスト) 過大請求さらに拡大

KNT-CTホールディングスは5/2、「当社連結子会社による『新型コロナ関連受託業務における過大請求』に関する緊急社内点検について(経過報告)」を公表しました。4月中旬に2億9,000万円の過大請求を公表していました。

過大請求額は最大約16億円

調査委員会の調査とは別に実施してきた緊急社内点検において、これまでに疑義があることが判明した過大請求額は最大約16億円にのぼるとのこと(前述の2億9,000万円を含む)。点検対象は2020年4月1日から 2023年3月31日実施の、近畿日本ツーリスト株式会社が取り扱った762自治体等からの受託事業2,924件だそう。

緊急社内点検で、過大請求であると認識し、自治体に報告した金額が5億8,400万円。さらに、十分な証憑が確認できない等の理由で一旦過大請求と分類した金額が最大見積額約10億円という内訳です。当ブログで前回取り上げた際に、まだまだ出てきそうと書きましたが、やっぱり出てきましたね。

まだ確定した金額ではなさそうですが、東大阪市が突出していて3億円超なのに対して、その他の自治体がいずれも数千万円以下というバランスの悪さも気になるところ。

取締役内定も取消し

KNT-CTホールディングスでは、取締役専務が新社長、社長が新会長へ、という取締役の異動内定を4/25に公表していたんですが、今回この異動についても取り消す旨の開示がされています。まぁ、こんなことになってきたら当然でしょうね。

「コンプライアンスの徹底、ガバナンス体制の強化等再発防止策の構築、実施および当社グループ全体の信頼回復に向けた諸改革を図るため」だそうです。

大平洋金属株式会社 株主は大変なことになってそう

大平洋金属株式会社は4/28、「電気炉の溶融物漏出事故について(第 5 報)」を公表しました。第5報ということなので遡って調べてみると、この事故の発生は昨年の3/29なんですね。1年がかりで第5報とは。

大平洋金属

大平洋金属は、ステンレス鋼の主原料となるフェロニッケル(ニッケル20%、鉄80%の合金)を製造、販売する企業。ニッケル鉱石を購入し、青森県八戸市の本社製造所に備えた電気炉でフェロニッケルを生産しています。東証プライム上場企業です。

事故の概要

八戸本社・製造所において、フェロニッケル製造設備である電気炉の修繕中に、炉内に残留していた溶融物が炉外へ漏出したというもの。人的被害はなく、生産設備は全て一時停止しましたが、その後すぐに、電気炉全3基のうち、漏出のあった電気炉1基を除き、生産を再開しています。保険の適用で業績に与える影響も軽微としていました。

第5報とはなっているものの

事故の第5報という開示にはなっていますが、実際のところは業績悪化のお知らせ。中国の「ゼロコロナ政策」や不動産不況でステンレス需要が減速。減収。電力代の高騰などで生産コストの上昇幅も広がり最終赤字にということらしいです。

まぁ、大変なことになっているようですが、問題は同社の業績に対する見込みの甘さです。今年2月には34.9億円の赤字と見込んでいた経常利益を26.6億円の赤字に上方修正。ところが、第5報と同時に公表された4/28の開示では、26.6億円の赤字→49.6億円の赤字へと再度下方修正。

こりゃ投資家や株主はたまったもんじゃないっすね。昨年の事故発生前に4,500円していた株価は今では1,800円ほど。1/3近くまで下げています。3月末決算を受けて、6月の株主総会は荒れるかもね。

またまたトヨタグループで ダイハツ、安全認証で不正

ダイハツ工業は4/28、「側面衝突試験の認証申請における当社の不正行為について」を公表しました。っていうか、ダイハツは上場企業ではないので、適時開示に関しては親会社のトヨタが4/29(土)付けで、「当社連結子会社による不正行為に関するお知らせ」として公表しています。

ダイハツ工業

ダイハツ工業は主に軽自動車、および総排気量1,000cc以下の小型車を主力とする日本の自動車メーカーです。以前は上場していましたが、2016年にトヨタがダイハツの株式を100%取得し、完全子会社としました。以来、トヨタグループにおいて軽自動車を含む小型車部門としての立場を明確にし、新興国向け戦略の一翼を担ってきました。

不正の概要

トヨタグループ、販売子会社における車検不正に続き、昨年には日野自動車におけるトラックの排ガスや燃費をごまかす悪質な不正が発覚。そしてさらには、トヨタの源流企業でもある豊田自動織機でも、フォークリフトを対象に同じような排ガスデータの改ざんが明らかになってきました。

あきらかにトヨタを中心としたグループ全体がおかしくなってきています。そして今回発覚したのがダイハツ工業。海外向け車両の側面衝突時の安全性を確認する試験の認証手続きにおける不正。衝突時に人を傷つけるような壊れ方をしないように、ドア部品に切り込みを入れるなど、本来の仕様にない加工を施して試験をしていたといいます。

対象となるのは約8万8000台。うち7万6000台あまりがトヨタのブランドでも売られているということです。巨大な宣伝広告費でメディアを黙らせてきたトヨタでしたが、今回はさすがに適時開示をトヨタネームで行いました。詳しいことは別の機会に書こうと思いますが、やっぱりトヨタは堕ちていってる企業になってしまったんでしょうか。20年前の半導体や家電のトップ企業のように。

ユニゾ破綻 債権の取立不能又は取立遅延のおそれ しかし北国FHDは急騰

4/26、不動産やホテル事業を手掛けるユニゾホールディングスは東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で保全・監督命令を受けたと発表しました。これを受けて多くの地銀等が、「債権の取立不能又は取立遅延のおそれについて」といった内容の開示を行いました。

ユニゾホールディングス

ユニゾホールディングスは元々みずほグループの会社でしたが、エイチ・アイ・エス(HIS)から敵対的TOBをしかけられ、その後複数の買い手候補が現れた買収合戦に発展しました。最終的には、米ファンドと組み、上場企業初となる従業員による買収(エンプロイー・バイアウト=EBO)で2020年に上場廃止となった会社です。

民事再生法の適用を申請

詳しいいきさつはここでは書けませんが、結局破綻。4/27~28の適時開示では、9つの金融機関が、「債権の取立不能又は取立遅延のおそれについて」を公表していました。融資先が破綻して焦げ付いてしまいましたという話ですね。

株価は大きく売られることなく

翌日の4/28にはこれらの金融機関株式が大きく売られるかと思いきや、意外にそういうことにはなりませんでした。ほとんどの株価がプラスで推移。部外者の我々にとっては寝耳に水の事件でしたが、金融の業界ではある程度覚悟されていた事案だったのかもしれませんね。

そんな中、北国FHDは逆に急騰(終値で約6.3%の上昇)となりました。ユニゾの破綻を受けたからでしょう、決算発表の延期まで公表していましたが、合わせ技で発行済み株式総数の10.04%)、取得総額90億円を上限とする自社株買いも発表したんですね。

世界的に金融不安が言われる中、下手をすると売りが売りを呼ぶ展開にだってなりかねない状況で、自社株買いを公表し、株価をてこ入れするあたり、同社経営陣の株式市場に対する意識は相当高そうです。