高圧ガス工業株式会社 株式売出しを中止

高圧ガス工業は3/4、「株式売出しの中止に関するお知らせ」を公表しました。2/21に既存株主(デンカや金融機関など)の持ち株を売り出すとしていたんですが、これを中止するとのこと。連結子会社において、財務情報に関連して確認すべき事項が発生したためとしています。

高圧ガス工業

高圧ガス工業は、鉄鋼製品の溶接・溶断に用いられる溶解アセチレンを主力とする産業用ガスメーカー。溶解アセチレンのシェアは国内トップクラスで、このほか、接着剤や塗料などの化成品を手掛ける東証プライム上場企業です。

中止の理由は

売り出し人はデンカや三菱UFJ銀行、三洋化成など、政策保有株の売却ということでしょうかね。この公表を受けて、短期的な株式需給の悪化リスクを警戒した売りが膨らみ株価は850円処から100円ほど下げていました。今回の中止の知らせで株価は急騰し、ほぼ元の水準まで戻っています。

売り出し中止の理由は、「連結子会社の財務情報に関連して確認すべき事項が発生したため」とだけ説明されており、「当該確認に時間を要するも のと判断した」ということです。先日、JEH(Japan Eyewear Holdings)が売り出しを中止したのは、役員のインサイダー取引が原因でしたね。

プライム市場へ上場市場区分を変更するに際して「未公開情報を知りながら買い」、でしたが、今回は「連結子会社の財務情報に関連して確認すべき事項」としていますので、インサイダーではなさそうです。会計不正でも出てくるんでしょうか。

農林水産省 備蓄米の入札 3月10日から実施 初回は15万トン

農林水産省は、コメの流通を円滑にするために初めて行う備蓄米の入札について、3月10日から実施すると発表しました。初回は15万トンを対象に行われ、3月下旬以降、スーパーの店頭などに並ぶ見通しとなっているといいます。

なんとも腰の引けた

コメの流通を円滑にするため備蓄米21万トンを、2回の入札を通じて市場に放出することにしているということですが、なんとも腰の引けた対応ですね。コメの価格を下げるのが目的なんですから、入札ではなく価格指定でJA全農に引き受けさせればよくないですか。実勢価格が5キロ4000円であれば3000円で放出。

3月に21万トンを放出し、4月にも20万トンを放出する予定。価格が下がらないようなら更に5月にも同様に・・・。これくらいのメッセージ性を持たせて、倉庫に積み上げて価格高騰をうかがっている業者を追い詰めないと。今の対応だと足元見られて大きなインパクトは期待できそうにありません。

日本人がいつでも大好きな米を食べられない状況を打開することが一番。なんなら小麦のように政府が買い付け価格や販売価格をコントロールするのもありじゃないのかな。 今回の農林水産省の備蓄米放出、まったくイケてない対応ですが、唯一、農林水産大臣が、「常識的に考えて、高い値段で買い戻してしまえば、逆に価格上昇の圧力になる。1年たっても買い戻ししないということもあり得る」とコメントされてたのは評価に値すると思うけどね。

日機装株式会社 検査不正で特別調査委員会を設置

日機装は2/28、「特別調査委員会の設置について」を公表しました。同社が製造していたキャンドモータポンプ及び往復動ポンプの一部製品について、出荷前に社内規定により定めた品質計画書に基づく社内検査の一部(耐圧検査)を実施していないことが判明したということです。

日機装

日機装は産業、エネルギー業界など幅広い分野で使用される特殊ポンプのリーディングカンパニーです。「インダストリアル」、「航空宇宙」などに分かれる工業部門と、透析装置などの医療部門に展開する東証プライム上場企業です。

事案の概要

キャンドモータポンプ(製品名「ノンシールポンプ」) 及び、往復動ポンプ(製品名「ミルフローポンプ」)の一部製品について、出荷前に同社社内規定により定めた品質計画書に基づく社内検査の一部(耐圧検査)を実施していないことが判明しました。

昨年10月、同社従業員が製造工程の確認をしていた際に、一部のポンプ製品について、出荷前に社内規定に定めた品質計画書に基づく社内検査の一部(耐圧検査)を実施していなかったことを発見したとのこと。その後同社ではこれまで社内調査を実施してきたということです。 そして更なる事実関係の解明、原因究明及び再発防止策の策定等を目的として、外部有識者を主とした特別調査委員会を設置することを決議したとしています。先月好決算と増配を公表したばかりの同社。大事に至らなければ良いんですが。

ふくおかフィナンシャルグループ傘下の十八親和銀行 行員が顧客から数千万円の現金を着服

ふくおかフィナンシャルグループ傘下の十八親和銀行は2/28、「元行員による不祥事件の発生について」を公表しました。行員(男性、58歳、ふくおかフィナンシャルグループ関連会社勤務)が、顧客1名から数千万円程度の現金を着服していたとのこと。

着服の手口

当該行員は、銀行休業日に積立定期預金の名目で現金を集金するという手口で、20年程度、着服を繰り返していたといいます。その着服した金額のうち、1,200万円程度については、既にお客さまに返却しているそう。行員は同日付で懲戒解雇処分となっています。また本件については、監督官庁への届出を行うとともに、警察に通報を行っているとのこと。

被害金額

行為の期間が長期にわたることなどから、現段階では被害額の総額は判明していないとしており、今後も調査を継続して被害額が確定した後、元行員から顧客への弁済状況を確認して同行としての損害賠償を検討するとしています。

同行による開示は、被害総額がまだ分かっていない状況での開示。つまり事態が判明後速やかに事実を公表しているという対応となっています。この対応は評価できると思います。どこかの銀行のように、他行で同様の事件(貸金庫の件ね)が発覚したのちに、実は当行でも・・・みたいな無様な対応じゃなくてね。

東京地下鉄(東京メトロ) 千代田線で一部未検査の車両を運行

少し前の話になりますが東京地下鉄は2/19、千代田線の1編成について必要な検査を受けずに運行していたことを公表しました。検査担当者が必要な検査の種別を誤認していたためとしています。運航していた期間に事故や故障は起きなかったとのこと。

東京地下鉄

東京都区部を中心に地下鉄を運行。鉄道各社との直通運転により、郊外から都心への移動の結節点として、首都東京の都市機能を支えています。輸送人員数は1日平均652万人(24/3期)で、都心部での短距離・大量輸送を提供する輸送効率性の高さが特徴です。昨年東証プライムに上場した企業です。

事案の概要

社内基準では3カ月以内の周期で行う検査と、12カ月以内の周期で行う検査の2種類があり、本来は12カ月以内に行う検査を実施すべきところ、3カ月以内の検査を実施していたとのこと。結果として電気系統の確認など一部の項目が実施されなかったといいます。62日間にわたり、必要な検査を受けないまま2万8780キロメートルを走行していたそう。

メトロと地下鉄

結果的に事故はなかったので大した話題ではないんですが、個人的に気になっているのが社名なんです。タイトルにも記したように、同社はメディア等で「東京地下鉄(東京メトロ)」と紹介されることが多いようです。正式社名は東京地下鉄。英文社名が東京メトロということみたい。

東京に住んでいる人には東京メトロの方がしっくりくると思うんですが、なぜ東京地下鉄と名乗ってるんでしょう。東京地下鉄株式会社法なんてのがあるらしいけど、ややこしいよ。併記するの面倒くさいよ。