大平洋金属株式会社 株主は大変なことになってそう

大平洋金属株式会社は4/28、「電気炉の溶融物漏出事故について(第 5 報)」を公表しました。第5報ということなので遡って調べてみると、この事故の発生は昨年の3/29なんですね。1年がかりで第5報とは。

大平洋金属

大平洋金属は、ステンレス鋼の主原料となるフェロニッケル(ニッケル20%、鉄80%の合金)を製造、販売する企業。ニッケル鉱石を購入し、青森県八戸市の本社製造所に備えた電気炉でフェロニッケルを生産しています。東証プライム上場企業です。

事故の概要

八戸本社・製造所において、フェロニッケル製造設備である電気炉の修繕中に、炉内に残留していた溶融物が炉外へ漏出したというもの。人的被害はなく、生産設備は全て一時停止しましたが、その後すぐに、電気炉全3基のうち、漏出のあった電気炉1基を除き、生産を再開しています。保険の適用で業績に与える影響も軽微としていました。

第5報とはなっているものの

事故の第5報という開示にはなっていますが、実際のところは業績悪化のお知らせ。中国の「ゼロコロナ政策」や不動産不況でステンレス需要が減速。減収。電力代の高騰などで生産コストの上昇幅も広がり最終赤字にということらしいです。

まぁ、大変なことになっているようですが、問題は同社の業績に対する見込みの甘さです。今年2月には34.9億円の赤字と見込んでいた経常利益を26.6億円の赤字に上方修正。ところが、第5報と同時に公表された4/28の開示では、26.6億円の赤字→49.6億円の赤字へと再度下方修正。

こりゃ投資家や株主はたまったもんじゃないっすね。昨年の事故発生前に4,500円していた株価は今では1,800円ほど。1/3近くまで下げています。3月末決算を受けて、6月の株主総会は荒れるかもね。

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