ラサ工業は5/31、「高純度赤燐工場の一部生産再開についてのお知らせ」を公表しました。今年1/6に発生した同社三本木工場(宮城県大崎市)の爆発事故。その事故を起こした高純度赤燐工場の一部工程について生産を再開したということです。
高純度赤燐
爆発事故では従業員2名が負傷されていました。その後在庫の出荷を再開していたので大事に至らなかったって感じで見てたんですが、生産そのものは約5か月間停止したままだったんですね。今回の開示でも再開したのは「一部生産」となっていて、全行程の再稼働については今月中旬を予定しているとのこと。
同社にとって高純度赤燐を生産していたのは三本木工場だけだそうです。で、この化合物半導体の材料である高純度赤燐は、日本化学工業とラサ工業が世界的にシェアを二分している製品みたい。シェア上位2社のうち1社の稼働が止まっていたわけで、半導体業界にはそれなりのインパクトがあったと思われます。
当該事故に関し、今年5/13に同社が公表した連結業績予想数値に変更はないとのこと。「今回の事故を真摯に受け止め、生産活動再開に際しては再発防止と一層の安全確保に努めていく」としています。
このところ半導体関連の工場火災等の事故が多発しています。装置等の設備や工場の老朽化の問題もさることながら、事故が起きる背景には安全を維持するために必要なコストを削減するといった、非常にリスクの高い経営判断などがあったりします。経営陣には現場のリスクをしっかり認識していただき、二度とこういう事故が起きないようにしてもらいたいものです。