関西電力 ちょっと考えさせられる不正行為

このところの不祥事連発企業五指に入ると思われる関西電力。9/14、「送電線に近接する樹木の保安伐採業務における不適切な処理の判明について」を公表しました。これまで見てきた不正行為と少し趣の違う、いろいろ考えさせられる不正行為のようです。

不正の概要

関西電力は法令(電気設備技術基準)に基づき、送電線と樹木の離隔を保持するため、樹木所有者(地権者)に承諾を得た上で、協力会社(関電の子会社)に伐採業務を委託するとともに、地権者に補償費を支払っているんだそうです。

公表資料を見ると、ここでいう送電線とは家庭に引き込まれる電線ではなく、山間部を巨大な鉄塔で結ぶ送電線のことのようですね。これに樹木が邪魔をするようだと、以前アメリカで起きたような大規模な山火事にもなりかねません。そうした樹木を伐採するための法令や社内基準があると。

そんな中で、地権者と保安伐採の交渉を行った際に、社内基準の補償額では地権者の承諾を得られなかったことから、実際には伐採していない樹木も含めた補償額を支払っていました。また、伐採を実施する委託先(株式会社かんでんエンジニアリング)には、伐採していない樹木を伐採したとの虚偽の報告をするよう指示し、過大な委託費を支払っていました。

社内基準

社内基準とはどういうものでしょう。その基準で支払われる補償額で地権者が納得しない場合はどうするのか。非常に公共性の高いインフラ整備であり、法令等で定めた金額で強制的に伐採ができるようになっていないのは不思議ですね。

社内基準の補償額ではイヤ。っていう地権者には社内の必要な手続きを経て割増金が出せるの?けど、それって地権者間で不公平になりますよね。まぁ、この事例は社内基準を超える支払い要求を、不正な手段でクリアしたわけで、不正行為ではあるんですが。

関西電力やその担当者たちには何もメリットのない不正行為でした。本来はこういう地権者に〇〇の対応をすべきでした、って説明がないと、どうにも腹落ちしない不正行為です。

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