ラサ商事 社内調査委員会の調査報告書

連結子会社である旭テック株式会社の従業員が不適切な会計処理を行っていたラサ商事は8/17、「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。4/9に委員会を設置して調査を開始しましたので、約4か月にわたる調査となりました。

調査結果の概要

同社連結子会社である旭テック株式会社の従業員が、自らの担当する特定の取引先との取引において、赤字工事の発覚を免れるために、工事番号を付け替えることにより売上及び売上原価を先送りするなど、不適切な会計処理をしていたというものです。

この不正行為、2008年から今年3月まで行われていたとのこと。同社が旭テックを子会社化する旨決定したのが2014年12月ですから、その前から行われていたということですね。

当該従業員が今年3月に突然消え、行方不明になっていましたよね。調査の結果、この従業員が一人で行った不正会計という結論でした。類似案件も1件見つかったようですが、これはそれほど大きなものではないようです。

発生原因

例によって業務の属人化や会計基準遵守の不徹底などがあげられていますが、最も大きな要因は「過度に業績と連動させた年俸制とノルマ達成の厳格化」だと思われます。

ノルマを達成した場合には、前年度の基本給から昇給するとともに粗利の3割が賞与となる一方、ノルマ未達の場合には、次年度の基本給が減額され、さらに、ノルマとの差額の3割を負債として負わせるという、極めて特殊な業績連動型の給与制度を採用していたそうです。

ラサ商事が子会社化した際に、この「3割」を「1割」に改定したそうですが、ノルマ未達で基本給が減額されるとかないでしょ。従業員は目標必達という非常に強いプレッシャーにさらされ、手段を選ばず目標を達成しようとする。恐怖経営の成れの果てですね。

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