サンリオは3/16、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。同社のライセンス事業におけるロイヤリティを、あるべき月に売上計上せずプールすることで、任意の月に売上計上を行う期間帰属の操作が行われていたという事案でしたね。
調査結果の概要
調査の結果、やはり売上計上を行う期間帰属の操作は行われていました。10名以上の担当者レベルでは当該操作に関与、もしくは認識があったようですが、営業本部の本部長、副本部長又は執行役員以上のレベルでは、こうした操作に関する認識はなかったということです。
サンリオがライセンシーに依頼して、計算期間及び記入日が空欄の「ロイヤリティ報告書」を送付させる。そして、営業担当者は、当該空欄部分に任意の計算期間及び記入日を記載することにより、売上の期間帰属の操作を行っていたといいます。案件によっては15年以上も続いていたと。
発生原因やら
発生原因として報告書では、「売上の期間帰属の操作を行った目的は、月次予算の達成や、売上予測の精度の確保を求めるプレッシャーに応え続けるためであったと考えられる」と指摘しています。経営陣によるプレッシャーに応え続けるために、現場が不正を働くという典型的なパターンですね。
ただ、今回のこの不正は実際の売上をあるべき期に計上せず先送りするというものであり、業績が好調な企業であるからこそ発生した不正といえるでしょう。報告書では、「売上計上プロセスにおける不正リスクとして『架空計上』や『先行計上』が重視され、本件事案のような売上の計上時期の後ろ倒しについての不正リスクが認識されていなかった」と指摘しています。
しかし、どうなんでしょうね。サンリオのライセンス事業が右肩下がりになり始めたら、『架空計上』や『先行計上』もやるようになっちゃうんでしょう。やはり、「ロイヤリティ報告書」の受領者が営業担当者であったというのが一番問題だったと思われます。