妙に納得した話 みずほ証券エコノミスト 上野氏の説明

10/16付けの日本経済新聞に、「あり得る緩和への回帰」という記事がありました。日本においても今後金利が上昇するだろうという大方の見方に対して、異論を唱えたみずほ証券エコノミストの上野氏の意見です。

記事の前提

来年の春辺りには、、、との予想が多い日銀によるマイナス金利政策の終焉。さらにゼロ金利も解除するなど利上げを重ねることになると、変動型住宅ローンの基準金利までも上昇し始めるのでは?、というお話に対して、同氏が反論というか、別の切り口で意見されている記事です。同氏の解説をまとめると次のような感じ。

上野氏の指摘

「冷静に考えると、原油高は再生可能エネルギーへのシフトが続いていくと終わる。米利上げ・金利高止まりもいつまでも続くはずはないから、円安圧力もいずれ後退する。」さらに、「人手不足による物価高も続かない。人口減少は供給だけでなく消費など需要も減らすはずだし、供給面の制約も外国人労働者の受け入れ積極化や人工知能(AI)活用で緩和されうる」

はい、確かにその通りです。どうしても我々庶民は、目の前で起きていることに目を奪われがちで、中長期的に考えるとどうなんだ、という点を見失ってしまいます。米国の金利引き上げは気になるし、円安は物価高を引き起こして我々の生活を圧迫します。

けど、長い目で見れば、こんな状況はそう長くは続かないはず。という上野氏のご指摘。こんなふうに少し引いて、世の中を俯瞰できるようにならないとな、、、と思わされた次第です。

日立造船 商号変更 カナデビア株式会社へ

日立造船は9/27、「商号の変更に関するお知らせ」を公表しました。以前から当ブログでも何度か取り上げてきた同社ですが、社名と会社の実態がかけ離れていました。やっと社名変更かぁ、って感じですが、またずいぶんガラリと変えてきましたね(実際に変更されるのは来年10月)。

日立造船

「日立」という冠を掲げていながら、既に日立の資本はまったく入っていない。「造船」といいながら船なんか造っていない。という、実態を表していないどころか、誤解をを与えてしまうほどの社名でした。現在は、ごみ焼却炉や産業廃棄物処理プラントといった環境装置・プラントの設計・製造・販売が中核事業です。

カナデビア株式会社

新しい社名、日本語の「奏でる」とラテン語で「道」を意味する「ビア」を合わせた造語だそうで、脱炭素に向けた技術などを生かして、人類と自然の調和を奏でることにより、新しい道を切り開く意味を込めたんだそうです。なるほど、、、なんだけど、なかなか覚えられないだろうなぁ。

同社は以前から自社のことを「Hitz」という愛称で表すことが多かったので、てっきり「Hitz」に変更するんだろうと思ってました。けど、たしかに「Hitz」は「日立」と「造船」からできてそうな愛称だし、これも一緒に捨ててしまうっていうのは合理的かもね。

個人的には、カタカナ社名は4文字を超えると覚えにくいって気がするんですが、カナデビア、どれだけ世界に認知されていくんでしょうか。もちろん、本業の頑張り次第です。そういえば週末に「培養肉コスト9割減」なんてニュースも出てましたね。

ラックランド 株主優待人気で当ブログのPVが?

先週あたりから、6月に書いたラックランドの記事、「株式会社ラックランド さらなる不正が発覚」のPV(ページビュー)が妙に伸びてきました。同社グループで行われていた会計不正を取り上げたものです。その記事がなぜこのタイミングで大勢の方に読んでいただいてるのかという・・・。

再発防止策

8月末に「再発防止策及び関係者の処分に関するお知らせ」が開示されていたので、最初はその影響かな、などと思っていたんですが、タイミングがズレてますし、このての話題でPVが伸びることは滅多にないんですね。気になって調べてみたら意外な情報が見つかりました。

株主優待

この会社、商業施設や小売・飲食店など店舗施設の制作会社なんですが、もともとはスーパーマーケットの冷凍設備工事などを手掛けてきた会社です。そういう業界との接点もあってでしょうか、株主優待が充実しているようです。(東北地方の名産品詰め合わせ:4,900円相当)

12月決算の会社で、6月中間期末の株主に対して株主優待のお知らせが届き始めたタイミング(9/10前後)と、PVの増加のタイミングが一致していました。株主優待の力、凄いぞ。

株価を見ても

ここ2年間の株価を見ても、毎年、優待の権利が確定する6月と12月に高値を付けています。PERやPBRなんかで見てもかなり割高に映る会社で、株主優待がそれなりの効果を生んでいるように見えます。PBR1倍割れで困ってる企業の皆さん、株主優待、意外に侮れませんぞ。

ZOZO インサイダー取引で中国子会社役職員に課徴金 1,300万円

証券取引等監視委員会は9/8、「株式会社ZOZO社員から伝達を受けた海外居住者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。2019年にヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)がゾゾ株式の公開買付を行った際のインサイダー取引ですね。

取引の概要

TOBの重要事実公表前に、TOBに関する情報がヤフー側からゾゾの役員に伝達され、役員が従業員に伝達。この従業員が中国子会社の役職員に伝えたところ、当該役職員が公表前に約5,500万円でゾゾ株を買い付けたというものです。実際には日本にいる知人名義で買い付けています。

平均買付単価は約2,113円で、公表後2,615円まで上昇しており、中国子会社役職員に課される課徴金の額は1,303万円だそうです。海外居住者と表現されてるので、やっぱ中国人なんでしょうかね。この事件の調査には中国証券監督管理委員会が協力したんだそう。

ポンと5,500万円出して知人に送金できる人ですから、それなりの人物だと思われます。資産家の多くは中国共産党員だといわれてるし、共産党員だったんだろうか。最近は党員の不正に対して厳しく対処しているからなぁ。などと別のところに興味が・・・。わざわざ「役職員」と表現してるので多分役員ですね。

あと一つ不思議なのは、公開された監視委員会の資料によると、買付株数が2万5,977株となっているところ。どうやってこんな端数を買った?知人も少しだけ相乗りしてたから案分してこうなったのかな?

オープンハウス 三栄建築設計をTOB(その2)

一昨日取り上げたTOBの件。TOBにかかる重要事実の公表前の三栄建築設計の株価の動きが怪しいと書きました。今日はこの件についてもう少し詳しく掘り下げてみようかと。反社と繋がっているとして信用を失墜してしまった三栄建築をオープンハウスが買収します、という話です。

株価の推移

8/14(月):1,601円(+48円)、8/15(火):1,716円(+115円)、8/16(水):1,843円(+127円)というのがTOB公表前の同社株の株価推移です。先日も書いた通り、TOBに関する公表は8/16の取引終了後の18:15でした。

ここに書いた3日間の出来高を伴った急上昇はいったい何だったの?というのが問題点です。調べてみると8/14や15日に、今回の反社とのかかわりを調べていた調査委員会が調査結果を公表しており、これに反応して株価が反騰したという見方もあるかもしれませんね。

大きく下げた株価が少し戻ったというのであればともかく、同社株はここ1年1,700円台を付けたことがありません。いわゆる新高値のゾーンまで買い進まれたことに対しては違和感しかないという感じです。そのため、インサイダー取引の存在を感じさせるわけです。

投資家心理として

6月に反社とのつながりが初めて公表された際、同社株は1,300円割れまで売られました。反社会的勢力とのつながりなどけしからん。と、材料に反応して同社株を手放された株主は1,300円程度で売却されたと思われます。

その後、悪材料出尽くしという感じで8月上旬にはもともと付けていた1,500円台を回復。やれやれという形で多くの株主がギリギリ損切かチャラってところで売却したでしょう。今回の反社の話題で株主は振り回されたわけです。

そして、TOBの材料が出ました。株主の多くが損切りさせられた一方で、反社の創業者はTOBにより2,000円台で売り抜けられることが確定したわけです。多くの一般株主が振り回され、損してしまったなか、反社はここ1年以上付けたことのない高値で売れちゃうんですね。反社丸儲けというこの構図、許されていいもんでしょうか。