株式市場 今後注目されそうな賃貸不動産の含み益

東洋経済オンラインで、「首位は4兆円、賃貸不動産の含み益が多い企業80社」という記事がありました。ここでいう含み益というのは、現時点での「潜在的な(評価上の)利益額」のこと。実際に売却するまでは金額が確定しないものの、過去の株式市場ではよく材料視されてきました。

時価評価

日本では以前、会計上、保有する不動産を取得時の価額で計上する方法が一般的でした。しかし、資産価値の変化を会計に適切に反映できないという弊害があることから、2000年から順次時価評価の適用が拡大されてきました。バブルの時代、不動産は簿価で評価されており、時価との差額である含み益が、しばしば株式市場での買い材料となっていたんですね。

その後この時価評価は有価証券等にも拡大され時価評価が当たり前になっていたんですが、この記事が言っているのは「賃貸不動産」です。会計上、賃貸不動産は取得したときの価格(簿価)で貸借対照表に計上され、不動産の高騰などで価格が変わっても、売却しない限りは基本的に利益を計上しないんだそう。

株式市場のテーマに?

確かに、よそ様にお貸ししている不動産ですから、そう簡単に売却して現金化はできない資産だからという判断だったんでしょうね。しかし、今では店子に影響がない形でビルやショッピングモールなど、他社やファンドに譲渡される事例はいくつもあります。

会計処理のルール変更を、、、なんて話題が出始めたら株式市場はほっとかないでしょうね。ちなみに4兆円で首位とされたのは三菱地所。以下に大手不動産や電鉄会社などが並んでました。

株式会社スノーピーク 7月9日に上場廃止へ

スノーピークは6/19、「株式併合、単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更に係る承認決議に関するお知らせ」などを公表しました。同日開催の臨時株主総会で原案どおり承認可決されています。2月に公表済みだったMBOがこれで完結することに。

スノーピーク

スノーピークは新潟県燕三条発のアウトドアブランド。燕三条が誇る金属加工技術を背景に野外における衣食住の製品を幅広く展開しています。製品を全国の直営店舗、スポーツ量販店、インターネットのECサイトなどを通じ販売する東証プライム上場企業です。

代表取締役社長の電撃辞任

創業者である会長の娘である社長が、一昨年の9月、既婚男性との交際及び妊娠を理由として、同社及びグループ会社の取締役の職務を辞任することとなったという事件が起きました。女性で、32歳の若さで新社長に就任し、上場企業のトップでありながら腕にはタトゥーが。みたいなことも就任当時話題になっていました。

この辞任の時点あたりでMBOの準備が始まってたんでしょうね。このままでは会社の品位が、ということで緊急辞任。MBOにより上場廃止し、風当たりを抑えておいて、その間に会社を建て直す。ほとぼりが冷めた頃を見計らって再上場、ってな具合でしょうか。

その時はおそらく、不倫・妊娠社長が再登板なんてことも、この会社ならありそうです。それにしても、以前も書いたけど、高値を買って安く売らされることになった一般株主が不憫でしかたありません。

みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券 持株会業務で計算ミス

みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券は4/19、「持株会事務業務における株式取得単価の一部誤りについて」を公表しました。持株会および持株会会員向けに提供している株式取得単価の一部が誤っている可能性があることが判明したということです。

持株会

従業員持株会や役員持株会、取引先持株会などがある、上場企業における役職員向けの株式積立みたいな制度ですね。毎月同額を払い込んで積立ていき、単元株数になるとこれを引き出して売却することが可能になります。もちろん退職時までずっと積み立て続けることも。

開示では「持株会事務業務」と括られているので、すべての種類の持株会で発生した可能性があるんでしょうか。会員が持株会から株式を引き出した場合に、残りの株式の取得単価を再計算しますが、この際に総平均法を採用している持株会において、取得単価が間違っているということです。

システム障害?

開示の中で、「(同社の総平均法では)買付金額合計および買付株数合計から過去に引き出した株式分を控除することなく算出しておりました」としています。計算に誤りがある対象は340社の517会だそう。取得単価を再計算するシステムのプログラムに問題があったということでしょうか。

みずほといえばシステム障害、ってのが定番になってるので、この件もメディアのおもちゃにされるかな?その辺りを意識してか、開示でも「システム」という言葉は使用されていません。対象になる可能性がありそうな方はみずほ証券のHPをご確認ください。

小林製薬 健康被害を巡るインサイダー取引はあったのか

小林製薬が販売する「紅麹」の成分が含まれた健康食品を摂取し、その後に死亡した人が5人に上るなど、同社商品の健康被害が大きな社会問題となっています。その同社株の推移を巡っては、2月上旬から同社の株価が大きく下落していることから、同社株式のインサイダー取引があった疑いが指摘されているそうです。

株価の推移

同社株は2月に入って下落を始め、同月中旬までで約10%(6,700円→6,000円)下げています。同じ時期の日経平均株価は約8%の上昇となっており、確かにインサイダー取引があったかのような印象を受けますね。

この動きについて、記者会見に参加した中国メディアから、「インサイダー取引があったのではないか」という質問があった模様。小林社長は「当社ではインサイダー情報について教育を行っています。その情報により売買の事前の社内許可制をとっている。インサイダー取引はないものと信じている」と否定したとのこと。

同じ業界を見てみると

同社株の比較対象となりそうな銘柄としては、ライオンや花王があげられると思います。両社の同じ期間の株価推移を見てみると、ライオンが約5%程度下落しており、花王も約6%ほど下落しています。日経平均が上昇するなか、この業界全体が売られていたことが分かります。

株価の推移だけではインサイダー取引があった、とまでは言えない程度の下げのように見えますね。もちろん、個別の取引見ないと分かりませんが(当然、監視委員会は既に調査を始めてると思います)。

東京メトロ 2024年度中にも上場へ

政府と東京都は東京地下鉄(東京メトロ)の株式の売却を2024年度中にも始めるとのこと。早ければ夏にも株式の上場を目指しており、両者で100%を保有する株式を最終的に50%売却するといいます。政府側の売却益は東日本大震災の復興財源とするそうな。

東京メトロ

東京の地下鉄は東京メトロと都営地下鉄の二つ。両事業者で東京都23区内の大半を縦横無尽に結んでいます。地方の方にはピンとこないかもしれませんが、この両社の路線なしに東京では生活できないほどのインフラ。東京メトロが9路線180駅と都営地下鉄が4路線106駅の総計13路線286駅となっています。

株式公開

上場を目指す東京メトロは、国が53.4%、東京都が残りの46.6%を保有しているんだそう。東京メトロの純資産約6400億円を企業価値とし、上場時の時価総額が6,000億円程度となれば、かなりの大型案件。足元の時価総額で比べると、西武ホールディングス(6,600億円)に匹敵する規模です。

株式市場は今絶好調(指数だけとの批判はありますが)で、新NISAで新たな資金が流れ込んでくるまさに絶好の機会ということでしょうね。おそらく株主優待でフリーパスとかも出てくるだろうし、今年のメインイベントになりそうです。