東レ UL に対する 認証不正

東レは1/31、「当社樹脂製品における第三者認証登録に関する不適切行為および有識者調査委員会の設置について」を公表しました。 Underwriters Laboratories の認証登録に関して、不正を行っていたというものです。

UL認証不正

当ブログでもこれまでにUL認証不正を取り上げてきました。東洋紡や京セラ、三菱電機など、我が国の超優良企業が認証不正を働いてきました。そして今回は東レです。

東レ

合成繊維の国内最大手で、炭素繊維は世界トップシェア。衣料用・産業用の各種繊維のほか、炭素繊維、合成樹脂、IT関連材料、医薬品まで幅広く展開する東証1部上場企業です。今さらやねぇ。知らん人いないと思いますが。

認証不正の概要

ULが定めている、樹脂の難燃性能を示すUL94の規格に関し、一部の品種でULが実施する認証試験で指定されたグレードと異なる、試験合格用のサンプルを作成し、提出していたことが発覚しました。

また、認証登録された品種の一部で、登録時の組成と異なるものを製造・販売していました。家電製品や自動車などに使われている樹脂製品らしいです。

昨年、上記のような企業数社がUL認証不正を公表してきたにもかかわらず、東レが自社における認証不正を認識したのは、昨年12月下旬のことだといいます。この時行った社内アンケートで明らかになったと。後手に回りましたね。

同日付で有識者調査委員会の設置を決定し、さらなる徹底的な調査と原因究明を実施。併せて、東レグループ全体にわたるUL認証に関する調査も行うとしています。ほぉ、この事件を受けて、株価は10%以上下落しましたね。

グレイステクノロジー 上場廃止が決定

グレイステクノロジーは1/27、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」と、「2022年3月期第2四半期報告書の提出未了及び当社株式の上場廃止の見込みに関するお知らせ」を公表しました。ん~、とうとう来ましたか。

調査結果

売上の前倒し事案及び架空売上事案による会計不正が多数発見されましたね。2016年3月期から、売上の前倒しを開始。最終納品時に売上計上すべきなのに、売上を分割計上したり、納品前に売上を一括計上していました。

当初は、売上計上時に顧客への請求が伴っていたが、次第に、顧客への請求が伴わない売上の前倒し計上を。また、売上の前倒しの後、最終納品に至らなかった結果、架空売上となるケースもありました。このような実情は、同社経営陣も認識・認容していたといいます。

その後、売上の前倒しによる売上目標の達成が困難になり、同社経営陣も関与する大規模な架空売上が開始されるようになり、同社役職員が自己資金を振込入金することで正常な入金を偽装していました。

一部の架空売上に際しては、顧客の署名や押印が必要な書類の偽造も行われていたと。また、リース会社による立替払契約も利用され、顧客が作成すべき立替払委託契約書等を偽造してリース会社から売掛金を入金させるようなことも。直近期の21年3月期の売上高18億円のうち、約55%が架空売り上げだったそうです。

上場廃止

第2四半期報告書の提出ができなくなったことから、東証は同社株を整理銘柄に指定。2/28に上場廃止とすることを決定しました。16年に東証マザーズに上場、18年に東証1部へ指定替え。そして22年に上場廃止です。今週末の株価はただの20円。とんでもない事件でしたね。

アサヒ衛陶 インサイダー取引で元社長ら逮捕

アサヒ衛陶は1/26、「当社元代表取締役の逮捕について」を公表しました。同日、大阪地方検察庁により、金融商品取引法違反の疑いがあるとして、同社元代表取締役社長である町元孝二氏が逮捕されたということです。

アサヒ衛陶

アサヒ衛陶は水洗便器、トイレカウンター、手洗器などの衛生機器や、洗面化粧台、化粧鏡、洗面ボウルなどの洗面機器の製造販売および仕入販売を手掛ける企業。業務提携や海外進出により販路を拡大し、主要な顧客はコーナン商事などだそうです。1950年、江戸時代享保年間(約300年前)に創業した東証2部上場企業です。

事件の概要

家電量販大手「ヤマダ電機(当時)」との業務提携公表前の2017年8月に当時の社長と同じく同社元役員の知人が同社株式を買い付けたという容疑。大阪地検特捜部が金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で二人を逮捕しました。

町元容疑者は業務提携情報を知人の容疑者に伝えた上、2017年8月に約580万円分のアサヒ衛陶株を別の会社名義で購入。さらに知人容疑者は同年8~11月に計約8690万円分のアサヒ衛陶株を買い付けた疑いだそうです。この提携ニュースを受けて、株価は1300円前後から一時3300円台に高騰しています。

町元容疑者は2020年11月に、健康上の理由ということで取締役を退任し、同日、同社の全役職も辞任することにより同社を離れているようです。

しかしまぁ、こんな手口で美味しい儲けができると思ったんですかね。会社の利益ではなく、自身の利益を優先する経営者。酷いもんです。あっ、ちなみにアサヒ衛陶や役職員及び元役職員の本件への関与は一切ないとのことです。

モルフォ 従業員持株会のインサイダー取引 課徴金を取り消し

東証マザーズ上場で画像処理用ソフトウエア開発の「モルフォ」の業務提携を巡る、同社株のインサイダー取引。「従業員持株会」まで課徴金が。金融庁から課徴金納付命令を受けた同社従業員らが処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は21日、請求を認め、納付命令を取り消しました。

おさらい

「モルフォのAI学習環境をデンソーが高度運転支援システム向けの画像認識開発に採用」という、デンソーとの業務提携という重要事実を巡るインサイダー取引でしたね。役員1人と社員が課徴金納付命令を受けたという事件でした。

まず役員1名が国に処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、昨年11月に東京地裁が請求を認め、課徴金納付命令を取り消しました。

これに続いて今回の判決。従業員5人が同年10月に従業員持ち株会への拠出金を増額するなどした件についても、従業員らが処分取り消しを求めた訴訟の判決で、地裁は請求を認め、納付命令を取り消しました。

判決理由

従業員が従業員持株会への拠出金を増額する時点で、業務提携などの重要事実を知っていたとは言えないと判断したということらしいです。これに関してはそうなんだ、っていう感じでしかないんですが、次の理由は少々気になるところ。

持ち株会による株取引について、「適宜のタイミングで持ち分を売却することができず、高値で売却して利益を確定させることも困難」だから、というもの。おいおい、ここ否定してしまうと、持株会もインサイダーの規制対象としている金商法の規定が成り立ちません。上手く売り抜けられないからインサイダーじゃないと。さて、金融庁はどう動くんでしょう。

グレイステクノロジー 監視委員会の特別調査課が入ったん?

架空売上やらなんやらで大騒ぎになっているグレイステクノロジー。特別調査委員会を設置して調査を進めていたものの、取締役が関与する粉飾決算で調査が完了しません。東京証券取引所は同社株を監理銘柄に指定し、上場廃止の懸念が・・・。

証券取引等監視委員会?

上場廃止の懸念からか、同社株はどんどん売られ、この記事を書いている時点で70円割れまで見せています。昨年末で370円していた株が。昨年の1月には3000円以上していた株です。この会社マジでヤバいです。

昨日、SNSで証券取引等監視委員会の特別調査課(この世界では特調と呼ばれます)が同社に捜査に入った、みたいな情報が発信されていました。まぁ、間違いなくいずれ捜査には入るでしょうけど、ちょっと早すぎな感じですね。報道とか調べても強制捜査等のニュースは出てきません。

SNSで発信された情報は、「今回の粉飾で証券取引等監視委員会がガサ入れしたのは特別調査課。取引課の調査等では課徴金で終わる事が多いが、この特別調査課に入られると大体、誰かが生贄で検察によって起訴される可能性が高い」という内容でした。

ご指摘の内容はまさにその通りなんですが、ガサ入れの事実がどうにも報道等で見つけられません。で、このSNSの指摘に添えられている画像が、特別調査委員会による調査の継続に関する開示情報なんですね。

まさかとは思いますが、グレイステクノロジーが設置した特別調査委員会と、監視委員会の特別調査課を混同されてる?って感じに見えるわけです。自社における不祥事を自力で調査している段階で、特別調査課が強制捜査等で動くことはないと思われます。

とはいえ、取締役による会計不正というか、コテコテの粉飾決算。株価は見ての通り。2022年最初の退場銘柄になりそうな気配です。