株式会社セガ カスタマーハラスメントに対する対応

少し前になりますが、株式会社セガは7/17、「弊社従業員に対する誹謗中傷など度を超えたハラスメント行為等への対応につきまして」を公表しました。同社従業員個人にSNS上で度を越えた誹謗中傷や侮辱行為を行った人物に対する対応の結果ですね。

株式会社セガ

セガは家庭用・業務用ゲーム開発、AM(アミューズメント)施設運営大手です。東証プライム上場企業であるセガサミーホールディングスの中核子会社ですね。

カスハラへの対応

同社従業員個人に対して、SNS上で度を越えた誹謗中傷や侮辱行為を行った人物に対して、長らく対応を続けてきたものの改善されなかったとのこと。そのため同社は法的措置を講じ、発信者情報の開示請求の申立てが裁判所に認められ、カスハラ行為者を特定しました。

その後の個別での交渉により、同社従業員に対して損害賠償金を支払う旨と、これまでの誹謗中傷や侮辱行為の削除、今後はそのような行為を控える旨で 示談を成立させたということです。ハラスメント行為を断じて許容しないという同社の姿勢は評価されるべきですよね。

ハラスメント行為を断じて許容せず戦ってくれる会社と、大事(おおごと)にしないよう従業員を説得しようとする会社。当然ですが従業員の満足度には雲泥の差が生まれます。皆さんの務める会社はどっち?

トヨタ自動車 型式指定申請における新たな不正行為 是正命令も

国土交通省は7/31、「トヨタ自動車(株)の不正事案に関する国土交通省の対応について」を公表しました。7月5日に同社より報告された7車種以外にも、新たに7車種で不正が確認されたことから、トヨタ自動車に対し、道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を発出しました。

やっぱり出てきた

7/5に調査結果を報告し、「これ以外に不正はありません」としていたトヨタでしたが、国交省の調査により、追加で7車種(現行生産車4車種、過去生産車3車種)における不正行為が認定されました。やはり、予想通り出てきました。

現行生産車で不正が認定されたのは、RAV4、ノア・ ヴォクシー、ハリアー、レクサスLM の4車種。量産品とは異なる仕様の部品で衝突試験をしたり、試験データを書き換えたりしていました。自社での内部調査では見つけられず、国交省の指摘で発覚するという最悪の展開です。社長は否定してるようですが、当然、「隠蔽しようとしていたのでは?」とみられてもしょうがないですね。

やっぱりトップの引責辞任?

道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を受けたトヨタ。是正命令を受けるのはトヨタとしては初めてらしいです。公表されているのは、「1ヶ月以内の再発防止策の報告、四半期毎の再発防止策の実施状況の報告」と、まぁ、定番の命令なんですが、内々にトップの引責辞任についても求めてるかもしれません。

株式会社IHI 連結子会社における新たな不正が発覚

株式会社IHIは7/31、「当社連結子会社 新潟トランシス株式会社における不適切行為について」を公表しました。100%子会社で鉄道用車両、産業用車両、除雪機械の製造・販売を手掛ける新潟トランシスにおいて、新たな不正が発覚したということです。

不正の概要

今年4月に子会社のIHI原動機で船舶エンジンの試験における不正行為が発覚したIHI。今度は別の子会社新潟トランシス株式会社において、不正が発覚しました。同社が製造および販売したロータリ式道路用除雪車の一部において、顧客に提示した仕様と異なる仕様の車両を納入していたことが判明したといいます。

除雪性能を高く見せるため、実際に納入するものとは異なる除雪装置の部品を使って試験をしていました。2002年以降に販売された43機種,2,847台を調査したところ、2007年から2017年にかけて販売された10機種、1239 台で不正が判明したとのこと。除雪性能試験で求められる目標を達成できず、装置の一部部品を試験時のみ取り換えていたということです。

発覚の経緯等

4月のIHI原動機における不正を受けて、同社グループにおける同様事案の有無の調査行っていた際、新潟トランシス社員より上記不適切行為についての申し出があり発覚しました。この分だと他の子会社でもまだまだ出てきそうですねぇ。

膿はしっかり出し切りましょう。中途半端な対応していると、トヨタさんみたいに当局に調査完了報告した後に、「また出てきました」、みたいな不細工なことになりますよ。

京急百貨店 うなぎで147人が食中毒の症状

京急百貨店は7/29、「京急百貨店『伊勢定』における集団食中毒について」を公表しました。今月24日と25日、横浜市の京急百貨店に入っているうなぎ料理店「日本橋伊勢定」で「うなぎ蒲焼」と「うなぎ弁当」を購入した顧客のうち、147人が食中毒の症状を訴え、女性1人が死亡していたことが分かったとのこと。

京急百貨店

京急百貨店は百貨店業、ショッピングセンター事業を営む、京浜急行電鉄の100%子会社です。京急百貨店は上場しておらず、親会社の京浜急行電鉄が東証プライム上場企業です。

事件の概要

二日間で販売したうなぎ弁当とうなぎの蒲焼合計1,761個。7月28日20時時点で、計147名の健康被害の申し出があり、そのうち1名の方がその後亡くなられたとのこと(報道によると90代の女性)。食中毒の発生原因は黄色ブドウ球菌だそうです。

事故発生の第1報が7/26で、その前日には所管保健所の立ち入り調査も受けているようですから、京急としての事故対応の初動は早かったようですね。

問題点も

東急グループとしての事後対応は悪くなかったんですが、運営時の問題点が別途出てきています。その一つが、調理などで手袋の着用の徹底が周知されていたにもかかわらず、24日は、調理などを担当していた10人が未着用だったというルール違反。さらに、販売された450食分には、アレルギーの誤表記もありました。ココは痛いね。

日本板硝子 千葉事業所の工場で従業員の死亡事故

7月29日午前11時20分ごろ、日本板硝子の千葉事業所(市原市)の工場で死亡事故が発生しました。市原市消防局によると、この事故で従業員4人が搬送され、うち意識不明の状態で搬送された50代の男性1人は、その後死亡が確認されたということです。

日本板硝子

日本板硝子は建築用・自動車用ガラス、ガラス加工製品、高機能ガラス分野において、世界最大級のガラスメーカーの一つです。グローバルに事業を展開しており、100カ国以上で製品の販売を行っています。創業100年を超える東証プライム上場企業です。

事故の概要

従業員計6人で、ガラスを作る際に排出されるガスから二酸化硫黄を取り除く装置をメンテナンスする作業中の事故。灰をかき出す作業を行っていた際、何らかの原因で高熱の灰の下敷きになったということです。他の40代~50代の男性3人は搬送時に意識はあったようですが化学熱傷を負っているとのこと。

ガバナンスの機能不全

日本板硝子では今年3/24、同社技術研究所(兵庫県伊丹市)においても火災が発生しており、なんとその火災が同社従業員による放火であったという事件が起きています。従業員の犯罪や火災事故。ガバナンスが機能していない証でしょう。ちなみに、この投稿を書いている時点で同社からの開示はありません。