日立製作所 成長戦略 Lumada(ルマーダ)

9/21付け日本経済新聞のトップ記事、「日立、成長投資へ1兆円調達 守りから攻めの財務に」。ここからの3年間に、借入金や社債で約1兆円を調達し、M&Aや設備投資を合計約4.5兆円と倍増させる。という内容です。これまで日本企業は借金返済を優先し、投資などは抑制してきたが、そうした縮み志向を抜け出す企業が増えていく可能性がある。とも書いていました。ん~、そうなると良いですね。

リーマンショック後の構造改革

米金融危機後の業績悪化を受け、日立は構造改革を進めてきました。金融や物流、工具などの事業を相次いで売却し、09年当時に22社あった上場子会社は4社まで減少したそうです。以前当ブログでも取り上げたことのある日立化成も近く売却されそうです。

海外プラントなど不採算事業からも撤退しましたし、その間投資は抑制し、有利子負債は約1兆円にまで減少しています。ここから一気に攻めの財務に転換するということなんですね。負債の増加で財務レバレッジを効かせて、ROEも向上します。

成長戦略のカギ Lumada(ルマーダ)

IoTでモノに取り付けたセンサーなどを通じて収集したデータを分析。業務の効率化などにつなげるビジネス。今後の成長市場と見込まれていて、この基盤システムを顧客に提供するプラットフォーム事業がLumada(ルマーダ)です。先日、米国にIOTの世界本社を設立、なんてニュースもありましたね。

製造プロセスで生まれる様々なデータを収集し、そのデータをAIなどを用いて分析することで、その製造プロセス等を改善、高度化するというソリューションのようですが、kuniには今のところコンサルティング業務のように見えています。もちろん、日立にはモノを直接作っているというアドバンテージはありますが。

難しい話はこれくらいにしますが、日立には昔からどうも良いイメージがないんですね。あっ、証券の世界の話ですけどね。いつも最後に遅れてくる巨人、、、って感じです。この株が動き出すと、相場もそろそろ天井、、みたいな。。。いや、今回はそんなことないと思いますが。

三菱商事 海外子会社でデリバティブ巨額損失

9/20 日中のニュースで知りました。三菱商事の子会社、原油・石油製品トレーディング会社のペトロダイヤモンド・シンガポール(PDS)が行っていた原油デリバティブ取引において、総額約345億円の損失が発生する見込み、、、というニュースです。

中国籍の現地プロパー社員の行為

中国籍社員が、顧客との契約にはない原油先物のデリバティブ取引を繰り返し、損失が拡大したということです。この社員は2018年11月にPDSに入社。主に中国の顧客との原油取引を担当していましたが、今年1月ごろから、顧客との取引とは関係がないデリバティブ取引を開始。原油相場が乱高下した6~8月に損失が大きく膨らんだとのこと。

デリバティブ取引で発生した損失については、PDSのリスク管理システム上のデータを変更することにより、顧客との取引に関連したヘッジ取引であるかのように装い、PDSにおける損失が社内で認識出来なくなる操作を繰り返していたそうです。

大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件

1995年、大和銀行ニューヨーク支店で米国債トレードで1100億円の損失が見つかった事件です。最初に出した5万ドルの損失を埋め合わせようとして売買を繰り返し、最後には1100億円の巨額損失。最後に犯人が精神的限界を感じて頭取宛に手紙を出し、表沙汰になったという事件でした。

今回の三菱商事の巨額損失を聞いて、大和銀行事件を思い出した方は多いのではないでしょうか。この事件でも犯人は書類を偽造し、損失をシステム上でも隠蔽していたため、10年以上も発覚しませんでした。大和銀行の内部管理も杜撰で、米国から350億円の罰金を食らってます。

それにしても、、、

許可されていなかった原油デリバティブ取引がなぜここまで続けられたのか。三菱商事やPDSの内部統制はどうなっていたのか、今後の報道に注目です。それにしても、約8か月で345億円ですか、凄いっすねぇ。大和銀行の1100億円は10年以上かかってますからねぇ。

かんぽ生命 日本郵便 金融庁立ち入り検査

9/11付の日本経済新聞は「かんぽ『過剰ノルマ』焦点 不正問題 金融庁きょうから検査 経営体制の大幅見直しも」と報じました。日経は「過剰ノルマ」が焦点だと書いてますが、そうでしょうかね。ほとんどの金融機関がノルマ廃止に舵を切っているのに、いまさらでしょう。

検査の焦点は経営

kuniとしては検査の焦点は経営陣だと思っています。営業現場の実態を経営はどれほど知っていたのか。そこで行われていた営業の実態と、その違法性に関しての認識はどうだったのか。さらに、認識があったのなら、認識した時期はいつか。

特に日本郵政がかんぽ生命株式を売り出した4月当時にどういう認識だったのかについては重要になるわけですが、、、落としどころは「認識したのは4月以降」ということになるでしょう。そうなれば逆に、経営陣は不正が発覚するまで認識できていなかったということになります。

4月の売出しに関してはお咎めなし。発覚に至るまで不正の状況を把握できず、放置して法令違反や顧客本位とは到底言うことのできない業務運営を繰り返してきたことについて、経営陣の責任を問う。こんなシナリオですかね。ところで、日本郵便には通話録音システムとかあるんですかね?これがないと金融庁の検査官も裏取りとか大変だろうね。

日本郵政株式 第3次売却

今年の冬以降となる公算が大きくなったとされている第3次売却。政府が復興財源と見込む売却額を手にするためには、1132円の株価が必要だそうです。938円まで下げた株価は、9/11に久し振りに1000円を回復、昨日は1024円。

日本郵政並みにだらだらと下げ続け、640円ほどの株価を付けていた株が、今週、社長解任のニュースで一気に上昇に転じました。9/11には720円辺りまで。わずか一週間ほどで12.5%の値上がりです。もうお気づきだと思いますが、日産自動車です。

日本郵政もそう。金融庁検査でバッサリやられ、経営陣の交代を発表。これがベストシナリオですね。その時もし1000円近辺で株価が推移していて、12.5%急騰すると、株価は1125円。政府の希望価格にほぼ手が届きそうです。

SAR(ストック・アプリシエーション・ライト) 日産自動車 西川社長(その2)

前回は株主総会に諮られた日産のSARの概要について、全文を引用しました。概要を株主総会で承認してもらい、その詳細については取締役会に一任するという形です。そのため、取締役会の議事録でも手に入れない限り、条件等の詳細は分かりません。

文藝春秋7月号

グレッグ・ケリー前代表取締役の証言を、文藝春秋が伝えました。西川社長がケリー氏に対して、自身のSARについて問い合わせたうえで、秘書室に行使日の変更をさせたという証言です。また、そうして4700万円が上乗せされ、支給された約1億5000万円で渋谷にマンションを購入したのでは?といった推測も。この記事がきっかけになって社内調査が始まったみたいです。

一方で西川社長は、「SARについてはグレッグ・ケリー氏ら事務局に一任しており、適切に行われていると認識していた。事務局の運用の仕方に問題があった。」と言ってます。ケリー氏の証言(文藝春秋の記事)とは食い違っているわけです。

日産の社内調査報告

日産の社内調査報告が9日、開示されました。今後の司法手続きへの影響を考慮し、概要だけを公表しています。その中で西川社長のSAR行使に関する記述が、少々理解不能なことに。

西川社長が役員報酬の増額の検討を申し入れたが、ケリー氏はこれに応じなかった。ところが、SARの権利行使日を一週間ずらすことで、SAR行使による報酬を約4700万円不正に増額して支給したという表現になっています。是非皆さんもニュースリリースをご覧になってください。

ケリー氏の証言と社内調査報告のビミョーな食い違い。役員報酬の増額を相談したのは事実だが、それは断られた。役員報酬の増額に代えて、SARの権利行使で報酬を増額したのはケリー氏が勝手にやったこと。という理解で良いんですかね。え~っ‼ なんじゃそりゃ?

SAR(ストック・アプリシエーション・ライト) 日産自動車 西川社長

日産自動車の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)を含む複数の役員経験者が、報酬をかさ上げして受け取っていた疑いが持たれています。問題になっっているのは「ストック・アプリシエーション・ライト」(SAR)という株価連動型の報酬です。

今回の悪事(もういい加減にせ~よ)

役員がいったん自社株を取得したとみなし、事前に定めた期日に株価が上がっていれば、その差額を金銭で受け取る仕組み。この期日を株価がさらに上がった日まで後ろにずらすことで、西川氏は数千万円を上乗せして報酬を得たといいます。

平成27年 第116回 株主総会招集通知 第4号議案

4年前の日産の株主総会招集通知、第4号議案に「取締役に対し株価連動型インセンティブ受領権を付与する件」というのがあります。今問題になっているSARを株主総会で承認した場面ですね。以下全文引用します。日産が採用したSARがどんなものか、理解できると思います。

<株価連動型インセンティブ受領権の要領>
(1)権利の内容
権利行使日の前普通取引日における当社普通株式 1 株当たりの市場終値が下記行使価額 を上回っている場合に、その差額を受領する権利
(2)年間付与総数
適用期間内の各事業年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで)について、6 万個(当社普 通株式 6 百万株相当数)を上限とする。  
(3)行使価額
当初の行使価額は、取締役会が定める条件に従って適用期間内における各事業年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで)毎に決定される日の、㈱東京証券取引所における当社普通 株式 1 株の普通取引の終値(当日に終値がない場合は、それに先立つ直近の取引日の終値) とする。
(4)権利行使可能期間
各権利付与日から 10 年を経過する日までの範囲内で、取締役会が定めるものとする。
(5)行使条件
権利付与対象者の権利行使の条件は、取締役会が定めるものとする。
(※) 取締役が株価連動型インセンティブ受領権を実際に行使できる数は、被付与者に 付与された権利の数を上限として、被付与者毎に設定される業績目標の達成度等 の条件に応じて変動します。
(6)適用期間及び権利付与日
適用期間は、平成 30 年度末までとし、権利付与日は、取締役会が定める条件に従って適用期間内における各事業年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで)毎に決定される日とする。