ネットワンシステムズ 外部調査委員会調査報告書を開示

ネットワンシステムズは12/16、外部調査委員会調査報告書を公表しました。2012年、2013年、2019年と三度にわたって大きな不祥事件が発覚した同社。今回が四度目となる不祥事です。その調査報告書をまとめておきます。

乙事案(原価付替)

報告書では主に2つの事案が取り上げられていて、甲事案と乙事案とされています。このうち乙事案というのは、売上先である会社に「リスク費」という名目で資金をプールするスキームで、当該「リスク費」を別の案件の費用の支払に使用することで、原価の付替えが行われていたという事案。

甲事案

問題はこちらの甲事案。従業員がネットワンの資金を流用していたというもの。この従業員が所属していたのは、第1営業部第1チーム。なんと年初に発覚した架空循環取引を主導した従業員と同じチームです。

前回の架空循環取引(原価付替も)の主導者と今回の資金流用をした従業員が同一人物と誤認してしまいそうな報道がありますが、、、。同じチームに所属する、別人です。

水増し取引によりネットワンから仕入先に支払われた資金のうち2,100万円と、架空発注により別の仕入れ先に支払われた資金のうち1億7,000万円が、第三者を経由するなどして流出していたといいます。

この資金は、同従業員が代表取締役を務め、発行済み株式のすべてを保有するプライベートカンパニー2社に送金されていたとのこと。合計金額は1億9,100万円、このうち1億4,732万円が出金され、従業員が個人的に費消しています。なんと沖縄に4件で7,000万円超の不動産購入も。

同じ部署でこのような不正が並行して行われていたとは、、、。もはや呆れるしかありません。最後に、この報告書には原因分析や再発防止策には触れていません。わずか1か月ちょっとの期間での調査(四半期報告書の提出を控えて)ということで、いたるところに調査の限界が見て取れます。まだ他にも不正が残っている可能性、、、ありそうです。

小倉クラッチ 特別調査委員会の調査報告書を公表

小倉クラッチは12/16、四半期報告書を提出し、特別調査委員会の調査報告書を公表しました。中国の子会社である小倉離合機(東莞)有限公司、小倉離合機(長興)有限公司における棚卸資産の過大計上、米国の子会社では従業員による横領について明らかにしています。

中国2子会社

こちらはいずれも棚卸資産の過大計上。慣れないシステムへの誤入力などの原因により、製造原価(仕掛品)に、実際には存在しない過大計上が生じていたとのこと。

2社でそれぞれ別の中国製ERPシステムが使用されているんですが、このシステムの使用方法に問題があり、製造原価の過少計算という事象につながったということです。いずれもいい加減なオペレーションとその管理に問題はあるものの、業績を良く見せるために誰かが故意に実行したものではなさそうです。

Ogura Industrial Corporation(OIC)

問題はこのOIC。米国子会社です。同社の経理担当従業員が、2018年6月から2020 年3月にかけて、OICの取引銀行であるBoAの同社銀行口座から、従業員自身の銀行口座に対し、不正な送金を繰り返していました。

その金額は合計約128万米ドル(約135百万円)。また、これとは別に同銀行口座からクレジットカードの発行会社に対して支払処理もしていて、こちらの金額は約19万米ドル(約20百万円)。合わせて約156百万円を不正に着服していました。

同従業員が自社の銀行口座からの支払入力権限と、本来なら上司しか持たない承認権限まで併せ持っていたのが一番の問題でした。そして、着服の動機はやはり、オンラインカジノ等のギャンブルでの損失です。

ただ、この従業員、ギャンブルで勝ったときには、会社にお金を返済(これも不正な手続きで、バレないように)していて、、、その金額も約25百万円だったそうです。

ネットワンシステムズ 三菱マテリアル アマナ 小倉クラッチ など

12/14に、いち早く四半期報告書を提出したダイワボウホールディングス。で、12/16に四半期報告書の提出期限を迎える企業は、アマナ、ネットワンシステムズ、小倉クラッチ、ひらまつ、三菱マテリアルの5社でした。昨日の開示では3社が提出完了、2社が再延長ということに。

ネットワンシステムズ、小倉クラッチ、三菱マテリアル

この3社についてはいずれも、2021年3月期第2四半期報告書を関東財務局に提出したことを公表しました。ネットワンシステムズと小倉クラッチは特別調査委員会等の調査報告書を開示しましたが、三菱マテリアルだけは未公表。決算に与える影響等の概要だけを説明しています。

ネットワンと小倉については不正会計にとどまらず、従業員の不正行為(横領)が絡んでますからね。これらに比べると三菱マテリアルは軽症といえば軽症です。調査報告書の内容についてはまだ詳細まで読めてません。いずれまた個別に記事にしたいと思います。

アマナ、ひらまつ

一方でアマナとひらまつについては、12/16の提出期限に間に合わせることができず、四半期報告書の提出期限について再延長を申請し、承認されるという展開に。アマナに関しては前日に特別調査委員会から、調査報告書を受領したとして、同報告書を公表しました。

ひらまつに関しては、外部調査委員会の調査過程で、調査対象を拡大したといった説明がされています。「新経営陣が調査対象となる事案について、会計監査人に対して意図的に隠蔽したり、情報の提供を遅らせたりしている疑念が生じた」んだそうです。そのため、再延長の申請となったと。

両社とも再延長が認められ、アマナの再延長後の提出期限は12/23に。ひらまつの再延長後の提出期限は12/28になりました。

サクサホールディングス 役員等責任調査委員会の設置

委員会設置自体はかなり前、10/23に開示されました。同社における一連の不正や不適切な会計処理等において、取締役、監査役及び会計監査人の善管注意義務違反等に該当する行為があったかどうかを調査するのが目的です。

役員等責任調査委員会

なぜこの時期に取り上げたかというと、調査開始から2か月が経過しようとしていますので、そろそろ開示があるのかなぁ、、、などと思いまして。

役員等責任調査委員会、と聞いて思い出すのが、まず関西電力ですね。役員等が福井県高浜町の元助役から3億円以上の金品を受け取っていたという事件でした。関西電力の場合は「取締役責任調査委員会」という名称でした。個人株主から提訴請求を受けたことを踏まえた設置でした。

もう少し遡ると、スルガ銀行も。取締役等責任調査委員会と監査役責任調査委員会を設置しています。名称が少しづつ違っていますが、調査の目的はほとんど一緒で、取締役や監査役の善管注意義務違反が問われるべきかどうかを明らかにすることです。

サクサの場合

関電もスルガも不正の規模が大きく、かつ公共性の高い企業ですし、株主代表訴訟のリスクを想定した動きだったと思います。そういう観点で見ると、サクサはちょっとそこまで?って感じですけどね。

関電やスルガのケース、結局委員会の報告内容をもとに、旧経営陣の責任であるとして会社が損害賠償請求訴訟を起こしています。関電の賠償額は19億3600万円。このうち7億3000万円が問題を調査した第三者委員会の調査費用だったそうです。

44名の弁護士や会計士を投入し、3か月半を要したサクサの特別調査委員会。その費用は相当なものになっていて、これを損害賠償請求で取り戻す、、、というのも目的の一つでしょうね。(過去の記事で1億円くらいかと書きましたが、そんなもんではなさそうです。)

ネットワンシステムズ 外部調査委員会の調査報告書受領

ネットワンシステムズは12/14、従業員による資金流用の疑義及び原価付替の疑義に関する外部調査委員会から調査報告書を受領したことを公表しました。個人情報や機密情報保護の観点から修正を加え、可能な限り速やかに公表するとのこと。

14日に受領、16日に決算発表

なんとまぁ窮屈な展開になってしまいました。14日に調査報告書を受領し、決算書類を修正して監査法人の四半期レビュー。速攻で16日には四半期報告書の提出ということになりそうです。おそらく同日に調査報告書も公表されるんでしょう。

先日、「ぎりぎりまで引っ張っての開示っていかがなものか」、、、みたいなことを書きましたが。今度は、調査報告書の受領と決算発表を同時にするのではなく、まず受領した旨を開示しましたね。この方が良いと思います。

15日と16日の株式市場参加者は「ある程度の確度で提出期限に間に合いそうだ」と考えて対処できます。もちろん、これでやっぱり間に合いませんでした、、、では話になりませんが。

アクセス増加

当ブログのネットワンシステムズに関する記事へのアクセスが最近増加してきていたので、そろそろ動きがあるかとは思っていましたが、外部調査委員会の委員の皆さん大変だったでしょうね。相当急がされたと思います。お疲れさまでした。

ということで、昨日の開示では資金流用についても、原価付替についても調査結果は一切公表されず。今回で4回目でしたっけ、不正・不祥事等に関する公表。さてさて、16日、どんな結果が公表されるのか、、、。