アクシスコンサルティング 元従業員が個人情報を転職先企業に不正持出

アクシスコンサルティングは11/13、「ご登録者様情報およびお取引先様情報の流出に関するお詫びとご報告」を同社ホームページで公表しました(っていうかしていました)。適時開示がされていないため気付きませんでした。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサルタントの人材紹介およびスキルシェアの各サービスを展開しています。人材紹介事業として正社員採用サービスを、スキルシェア事業としてフリーコンサルサービスおよびスポットコンサルサービスを提供する東証グロース上場企業。従業員120人程度のまだ若い企業です。

不正の概要

元従業員が、ご登録者様およびお取引先様の個人情報等を転職先企業に持ち出していたことが判明したとのこと。現時点の調査で判明している漏えい件数は、1,306名分だといいます。漏えいしたのは、「氏名」・「生年月日」・「住所」・「電話番号」・「メールアドレス」・「勤務先の会社名」・「所属する部署名」の全部または一部。

顧客から転職後の元従業員が接触してきたことを同社に連絡があったことから不正が判明しました。その後の同社対応はしっかり出来ていて好感が持てるのですが、好決算を適時開示したその日に、こっそり自社ホームページで公表するというスタンスはいかがなものかと。

国土交通省が公表 トヨタ車のリコールが結構ヤバい

国土交通省は11/21、「リコールの届出について(トヨタ ランドクルーザー)」など、計5車種のリコールの届け出を公表しました。ほか4車種は、「カローラツーリング」、「プリウス」、「レクサス」、「トヨタ ジェネオ-E」といったラインアップです。

各車のリコール内容

ランドクルーザーに関するリコールは、「フロントドライブシャフトにおいて、生産設備の管理が不十分なため、車輪側ジョイント部の構成部品が組付けられていないものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると当該ジョイント部が損傷し、走行不能となるおそれがある」というもの。

プリウスにおいては、「ハンドルから先に伸びるインタミディエイトシャフト部分に亀裂があるものがあり、使用過程で亀裂が進展して破断し、最悪の場合、操舵不能となるおそれがある」。というもの。レクサスでは、装着されたアルミホイールにおいて、「開発時に試作したホイールを誤って装着したものがある。」というもの。

そういえば今月上旬にランドクルーザーを製造するトヨタ車体の2工場が操業停止になってましたよね。操業停止の理由は「一部設備の確認作業のため」とだけ説明されていました。多分このリコールに絡んでの停止だったんでしょうね。

事故に直結する可能性がある重要部品の装着忘れや試作品の誤装着。かなりヤバい事案ですが、日本一の広告主のトヨタのこと、取り上げるメディアはありません。こういうことでいいのか?

シマノ 下関工場で火災事故

11/21、午前11時ごろ、山口県下関市小月小島のシマノ下関工場内にある溶解炉から出火し、作業員が火災に気付いて119番通報したとのこと。建屋や溶解炉などの設備に焼損はなく、けが人はなかったとしています。

シマノ

シマノは自転車部品で変速機などの駆動用部品、ブレーキなどの制動用部品およびその他の部品の製造・販売を行う業界のトップ企業。また、釣具事業では、リール、ロッド、フィッシングギアなどの製造販売を手掛け、釣具メーカーとしても最大手の一角を占めています。海外売上高比率が90%という東証プライム上場企業です。

事故の概要

自転車部品のアルミを溶かす溶解炉のバルブを外した際にオイルが漏れ、溶解炉の外側に付着したオイルが発火したということです。けが人もなく設備の被害もないことから開示はされないでしょう。

被害は最小限で済んだということですが、この会社、過去にもいろいろ起きている会社なんですね。2018年には堺本社工場で火災事故。2022年には下関工場でリフトが落下し従業員が首の骨を折る重傷、なんて事故が起きています。さらに労災をめぐる訴訟も起きていたり。ガバナンスに問題がありそうな企業っぽいですね。

三菱UFJ銀行 行員が貸金庫から現金・貴金属十数億円分盗む

三菱UFJ銀行は11/22、東京都内の2つの支店の貸金庫から顧客の現金や貴金属を盗んだとして、貸金庫の管理を担当していた行員を懲戒解雇したと発表しました。

犯行の概要

2020年4月〜24年10月、練馬支店(旧江古田支店を含む)、玉川支店の2支店で貸金庫を無断で開け、顧客の資産を繰り返し盗んでいたということです。盗まれた資産が顧客約60人分で被害総額は十数億円に上るとのこと。ただし、この金額は行員の供述に基づく数値のため、現在も詳細を調査中といいます。

懲戒解雇されたのは店頭の業務責任者だった行員で、一連の行為を認めているとのこと。問題の発覚を受け、警察に相談するとともに全ての支店の緊急点検を実施。2支店のほかに被害は確認されなかったとしています。

同行は「厳格な管理ルールを定めていたが未然防止に至らなかった。」 とコメントしているようですが、こういう場合、「厳格な管理ルール」って言えるんでしょうかね。ルールに抜け漏れがあったとか、実運用に沿っていなかったとか、やっぱ何かしら問題があったということでしょう。あぁ、実務が回らないほど厳格なルールだったってことか。

しかしまぁ、顧客から問い合わせがあればまず一番に疑われる立場の行員が何でこんなアホなことしたんでしょう。今のところ動機等については公表されてないようです。

日本甜菜製糖株式会社 北海道士別製糖所で火災事故(第2報)

日本甜菜製糖は11/18、「当社士別製糖所における火災発生について (第2報)」を公表しました。10月15日 に同社士別製糖所において発生した火災に関する追加情報(第2報)ですね。

追加情報

第1報で人的被害はなかったことを開示済みでしたが、物的被害については、「ビートパルプ生産ラインの乾燥設備と建屋の一部が損傷しました」とのこと。

工場稼働への影響について、「砂糖生産ラインについては、10月20日(日)に稼働を再開しております。ビートパルプ生産ラインについては、11月16日(土)に稼働を再開いたしました。」ということで、工場は全面稼働したみたいです。ただ、第2報でも発生原因については触れられていません。

ビートパルプ

ビートパルプとは、「てん菜の繊維分」のこと。てん菜という植物から糖分を抽出した後に残る繊維分を指す用語だそうです。草食動物(反芻動物)における消化性が高く、家畜飼料としての利用価値が高いため、ほぼ全量が飼料として有効に活用されるんだそうです。