五洋インテックス 外部調査委員会の調査報告書を公表

同社元従業員が連結子会社である五洋亜細亜株式会社に対して3500万円を貸し付けたと主張していることを受け、外部調査委員会で調査を進めていた五洋インテックス。2/12、同委員会の調査報告書を公表しました。少し遅くなりましたが・・・。

従業員を解雇

前回の開示では、当該元従業員より、1/27付で五洋亜細亜に対する貸金等返還請求訴訟が提起されたことを公表していました。どうやらお金を貸したこの従業員、やはり解雇されていたようです。で、今回の調査は同社が債務を負うことになるのかどうか、が目的になっていたようです。

調査結果(報告書から引用)

代表取締役ないし実質的に会社代表者として振る舞うものが貸金契約書に会社の実印を押印して契約を締結した場合といえども、他の取締役、監査役や監査法人に秘して、会計帳簿にいっさい現れないように融資を受けることはできない。

そして、元従業員は本件貸付によって、前社長が自らの要求に従って、簿外口座を利用し、他の取締役、監査役や監査法人に秘して、会計帳簿にいっさい現れないという前提で本件契約書を準備したことを認識していたと認められる。

したがって、当委員会が調査の過程において収集した証拠関係に基づいて認定した事実を前提にすれば、元従業員の五洋亜細亜に対する貸金返還請求権の存在は認められず、本件貸付は存在しない。

要するに・・・

他の取締役や監査役、監査法人が同意等しておらず、簿外口座へ3500万円を送金しているため、五洋亜細亜株式会社としての債務はないという結論ですね。ということになると、この3500万円は前社長個人の債務という整理になるんでしょう。報告書はその辺りまでは踏み込んでいませんが、、、。

これにて五洋インテックスとしては予定通りの結論、一件落着。ということなんでしょうが、この元従業員さんは収まりませんわな。世の中も納得しないんじゃないかな。

曙ブレーキ工業 検査不正(その2)

検査不正の内容自体は2016年~2018年あたりで流行った他社の検査不正と似たレベルですが、なぜここまで公表しなかったのか。。。の考察、その2です。

検査不正発覚時

2019年11月に不正行為の第一報が代表取締役に入れられています。実はその1年前にも旧経営陣にその情報は伝わっていましたが、不正行為は放置されていたそうです。

曙ブレーキは2019年9月、私的整理の一種である事業再生ADRの再建計画が銀行団に承認され、経営再建に取り組み始めました。外部から招聘した新社長が10月に就任したところ、その翌月に新社長の耳に不正の話が飛び込んだということですね。

旧経営陣が放置してきた不正行為です。まさに新社長が最初に取り組む課題として世間に公表し、正面から取り組むべきでした。残念ながら、新体制スタートから不正の公表など出来ない。銀行団に何と言われるか、、、。てな具合で思い切れなかったんでしょうね。

ディスクロージャーポリシー

「当社では、会社説明会での発表内容等、適時開示規則に該当しない情報についても、投資家の需要に応えるべく、できるだけ積極的かつ的確に開示する方針を持っております。」

これは同社が掲げるディスクロージャーポリシーの中で紹介されているディスクロージャーの基準に関する一節です。他にも良いことたくさん書いてます。規則に該当しなくとも幅広に情報を開示するということですが、今回の不正行為に関してはそうなっていませんよね。

監督する国土交通省、経済産業省、株式を上場する東京証券取引所は、今回の曙ブレーキの開示の姿勢、どう評価しているんでしょうか。あっ、そうそう、証券取引等監視委員会も。

曙ブレーキ工業 検査不正 11万4000件

曙ブレーキ工業は2/16、ブレーキやその部品で検査データの改ざんなど、約11万4000件の不正があったことを公表しました。曙ブレーキはブレーキの世界大手、今回不正のあった製品は国内完成車メーカー10社に納入されています。

公表に至るまで

2019年11月 曙ブレーキ山形製造における不正を新経営陣が認識
2019年12月 社内調査を開始
2020年2月 調査対象を国内全生産拠点に拡大
2020年3月 一部の顧客から不審な検査データについて指摘
2020年3月 特別調査委員会を設置し調査を開始
2020年9月 同委員会の調査結果報告書受領
2021年1月 対象製品について顧客との評価・検証を終了

不正の概要

同社では日常検査とは別に、顧客から指定された検査項目に関して定期的な検査を行っているそうです。不正はこの定期的な検査で起きています。手口は3種類。実測データを書き換える行為。検査を実施せずに過去データ等を流用する行為。要求されているサンプル数を満たさず検査を実施する行為。

これらの不正は2001年1月から行われていて、定期報告データ総件数19万件に対して、11万件が不正なデータとなっています。全国の生産拠点は6ヵ所ありますが、そのうち4ヵ所で不正が行われていました。

公表のタイミング

冒頭に公表に至るまでの経緯を書きました。通常は不正が発覚した時点、もしくは調査を開始する時点で第一報を公表するものですが、同社はこれを14か月間以上隠してきました。これは非常に大きな問題です。その間、不正に関する情報はどこまで拡散したんでしょう。

同社の従業員等関係者は今よりかなり高い株価で売り抜けることができたと思われます。後半には完成車メーカーにも情報が共有されてますから、完成車メーカーの関係者も売り抜けるチャンスあったでしょうね。これはマズいよ。

大豊建設 従業員の不正行為(その2)

外部調査委員会を設置して従業員の不正を調査していた大豊建設。2/15には正式に四半期報告書の提出期限延⻑に係る承認申請を行い、これが承認されたことを公表しました。承認申請した開示において、新たな不正が発覚したことも公表しています。

見えてきた不正の概要

①建築部⻑が、⼯事下請業者に対する⽔増し発注・架空発注を通じて⼯事下請業者に預け⾦をプールさせた疑い
②上記①でプールした預け⾦から、他現場の別⼯事の原価の⼀部を補填して原価を付替えた疑い
③作業所⻑において、⼀部取引における⼟⽊部⾨の原価を建築部⾨の原価に付け替えた疑い
④作業所⻑が⾃⼰の担当する現場の⼯事において発⽣した⼯事下請業者に対する⼯事原価を、同⼀⼯事下請業者による他の⼯事における⼯事原価として付け替えた疑い
⑤作業所⻑が架空発注を通じて外部業者にプールさせた預け⾦から私物を購⼊させるというキックバックの疑い

不正の規模

不適切な取引に係る不正⾦額は約280百万円で、同社の最終損益に与える影響としては約62百万円を⾒込んでいるとしています。原価の付け替えは基本的に全社の損益に影響しませんから、約62百万円がキックバックで作業所長が懐に入れた金額でしょうかね。

当初の開示では、「東北支店と大阪支店の従業員が」と表現されていましたが、ここへきて支店名がどこかへ。代わりに建築部長が登場。組織図で見ると本社建築部門に建築部がありますから、本社ぐるみの行為になってきたようです。

それでもまだ終わらない

しかし、今回の提出期限延長申請は、上記の不正以外のさらなる疑義によるもののようで、2⽉4⽇に、それまでに把握されていなかった新たな類型の不適切な取引の疑いのある案件が発覚したとしています。さてさて、今回の不正行為、どこまで拡大するんでしょう。

ミスターマックス・ホールディングス 調査報告書を公表

ミスターマックスHDは2/15、社内調査委員会の調査報告書を受領し、公表しました。同社の従業員による会社資産の不正流用の疑義に関する調査結果です。延長承認されていた四半期報告書も同日提出されています。

不正の概要

開示文によると、「当社従業員2名が取引実体のない請求を取引先に指示して、当社に101百万円の支払をさせ、上記従業員の1名が個人的に取得し、あるいは取引先にプールして支払の補填に充てるなどしていた」とのこと。また、「この2名は上記以外に取引先2社から個人的なリベートを取得していた」とも。

懲戒解雇されたこの2名は、同社の情報システム部の部長と課長です。不正を主導したのが部長。不正が発覚するのを防ぐため、部下である課長を引き込み、甘い汁(リベート)を吸わせた、という展開だったようです。

上記のように、同社から約1億円を引き出したのは部長の方ですね。同社とリベートを取っていた取引先2社との間に、IT企業3社から4社を挿んだ格好で架空取引が行われています。同社としての被害額は約1億円ですが、これとは別に取引先2社からリベートも取ってます。

大口取引先C社

リベートを取っていた2社をはじめ、登場する企業は従業員10名程度の企業ばかりなんですが、大口取引先経由で行われた架空取引や水増し取引に登場する企業は上場企業です。

この大口取引先は報告書ではC社とされていて、1950年設立の上場大手ITベンダーと説明されています。さらに、POSレジ機器及びそのシステム、店舗システム関連機器等で業務を依頼してきたとあります。

これってどう見ても東芝テックですよね。設立年次も一致。請求書で水増し等の操作もやってるみたいだし、、、今回の事件も飛び火しそうです。