京三製作所(6742) 役員報酬の一部返上

「当社設備に起因する出火ではありませんでした」としたまま、出火原因がいまだに解明されていない京三製作所。4/16には「役員報酬の一部返上に関するお知らせ」を公表しました。2021年4月分から当分の間だとしていますが、、、。

返上額

社長執行役員 基本月額報酬の25%を返上。専務執行役員 同20%、常務執行役員・上席フェロー 15%、執行役員 10%、社外取締役 10%、監査役 10%、をそれぞれ返上するとしています。1/14に発生した本社工場の火災による業績への影響を踏まえたものだそうです。

役員の責任

正直なところ、同社のこの判断、kuniには理解できません。同社の設備に起因していないとしながら、何の責任を取った役員報酬の返上なんでしょう。このあと社員達の処遇にも手を付けざるを得ないから、まず先に役員からということでしょうか。

放火の線が濃厚とみられていて、放火犯と同社経営陣に何の関係もなく、火災発生後の対応にも問題なかったのなら、このような責任の取り方は適切とは思えません。ひょっとして放火犯を犯行に至らせた原因が役員たちにあったということなんでしょうか。そう勘ぐってしまいます。

160億円の純損失は決して小さな損失ではありませんが、取締役等の業務執行にどういう問題があったのか、それを明確に説明できないままに、安易に責任を取るなんてことはするべきではないと思います。見た目には美しく映るかもしれませんが。

kuniも同じような立場に居て、損失を出してしまったことを株主に詫びたい気持ちはよく分かります。が、しかし、同社経営陣に何も落ち度がなかったのなら、今回の判断は間違いだったと思います。自然災害に被災するたびに、責任取りますか?ということになりますよね。

公安調査庁 技術情報の流出対策を強化

4/15付け日本経済新聞で、「技術情報 海外流出防げ 公安調査庁、組織を拡充」という記事がありました。当ブログでも取り上げたことのある、営業情報を不正に取得して持ち出すケースですね。ソフトバンクや積水化学でこうした事件が起きています。

公安調査庁

あまり聞きなれない機関ですが、公安調査庁は日本の行政機関の一つです。破壊活動防止法や無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(団体規制法)に基づき、公共の安全を確保することを目的として設置された法務省の外局だそうです。

同庁のホームページを開くと、「すべては国民の安全のために」、「『情報の力で国民を守る』それが公安調査庁です。」というタイトルが目に飛び込んできます。すぐそばには「オウム真理教関連情報」やら「世界のテロ等発生状況」といったリンクも。

そして最も大きなリンクが「あなたの持っている技術やデータが狙われています」というやつ。これをクリックすると経済安全保障特集ページに。

技術情報の流出対策

先ほどの説明では団体規制が業務の中心のように見えますが、ここへ経済安全保障に関わる企業や研究機関の技術情報の流出対策を強化するために組織を拡充するというお話。

21年度から情報管理の専門知識をもった職員を募集し、情報収集や分析にあたる職員を70人超増員するそうです。企業などからの相談を受け付ける窓口も設置したとのこと。たしかにありました。「経済安全保障に関する情報提供窓口」というタイトルです。

やっとそういう情報機関ができるのか、ってのが正直なところではありますが、間違いなく必要な機能ですよね。米国にはお手本となる機関がたくさんありそうですし、彼らをお手本に、しっかりキャッチアップしてほしいものです。

株式会社ヤギ(7460) 社内調査委員会設置

株式会社ヤギは4/9、「不適切な取引に関する調査について」を公表しました。同社において不適切な取引が行われていた疑義が判明したため、社内調査委員会を設置して、調査に取り組んでいくとのこと。調査委員会のメンバーも開示されています。

ヤギ

ヤギは1893年設立の繊維専門商社だそうです。資本金10億円、売上高約1200億円、従業員は659名となってます。社長は八木氏、この方は八木一族の6代目社長のようです。国内の事務所は大阪、東京、福井、名古屋、和歌山にあり、このうちの福井支店で不適切な取引なるものが。

不適切な取引

事案の概要については、「当社福井支店における原料販売ビジネスの一部に、不適切な取引が、2014年頃から行われていた疑義が判明した」としていますが、これ以上の説明は全くありません。普通は現時点で判明している事実をもう少し説明するもんですが、、、。

「原料販売ビジネスの一部」という表現が唯一のヒントですか。有価証券報告書を見ると、原料分野の説明がありました。天然繊維原料、合成繊維原料、高付加価値原料という3種類が説明されていて、原料分野としての売上は176億円。全売り上げの15%弱ですね。

と、調べてみたものの、依然として不適切な取引に関して、何の情報も得られませんでした。社内調査委員会の調査結果を待つしかありませんね。調査対象は国内のみでしょうし、調査対象期間も10年未満ですから、1~2か月で結果は出てくるでしょう。

アジア開発キャピタル 第三者委員会を設置

アジア開発キャピタル株式会社は4/9、「第三者委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社子会社を通じて、同社の元取締役が関係する複数の会社との間に不可解かつ不適切とも思われる取引が多数実在していることが、社内調査によって確認されたとのこと。

アジア開発キャピタル

投資先の事業活性化を目的として、経営にも関与するハンズオン型投資(対象企業の経営に深く関与する投資)を手掛ける企業だそうです。投資先の主な事業は金融事業とバイオマス燃料供給事業。

もともとは日本橋倉庫という会社でしたが、2003年にファンド資金で買収され、企業再生ファンドに仕立て直されたと。社名も日本橋倉庫 → 2003年、NDB → 04年、ジェイ・ブリッジ → 10年、アジア・アライアンス・ホールディングス → 15年、アジア開発キャピタル。と、ここまで調べて、、、取り上げるんじゃなかったと後悔。あのジェイブリッジですかぁ。

不可解かつ不適切な取引

一応何が起きてるのかくらいは整理しておきます。同社の元取締役2名が在籍していた2016 年1月から2021年1月までの間に、子会社トレードセブンを通じて複数の会社との間に、不可解かつ不適切とも思われる取引が多数実在し、架空取引のみならず、架空売上を計上した疑いが判明したそうです。

現状で疑義のある取引の総額は、売上計上ベースで約15億円程度とのこと。これらの不適切な会計処理の事実関係について、類似事象の有無も含めて、中立・公正で客観的な調査等を実施するため、第三者委員会を設置しました。

この会社、以前から金融マフィアのような人々(逮捕者もいたと思います)に食い物にされてきた(kuniの印象です)んですが、今回は元衆議院議員で、政治・経済の専門家としてテレビ等にも出演されていたA氏が中心人物のようです。さて、どのような展開になるんでしょう。

曙ブレーキ工業 検査不正(その3)

曙ブレーキ工業は4/9、検査データの改ざん問題で品質管理の国際認証の一部が取り消されたと発表しました。国内の6工場のうち4工場が品質管理の再発防止策が不十分と判断されたとのこと。取り消されたのは、ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッド社による「IATF16949」と呼ばれる認証です。

おさらい

ブレーキの世界大手、曙ブレーキ工業は2/16、ブレーキやその部品で検査データの改ざんなど、約11万4000件の不正があったことを公表しました。日常検査とは別に、顧客から指定された検査項目に関して行う定期的な検査で不正が起きていました。

この不正は2001年1月から行われていて、定期報告データ総件数19万件に対して、11万件が不正なデータとなっていました。曙ブレーキ山形製造における不正を新経営陣が認識して以降、1年以上公表を避けており、同社の開示に対する姿勢も問題でした。

認証取り消し

ロイド レジスター社による認証取り消しは、曙ブレーキ山形製造(株)、曙ブレーキ福島製造、曙ブレーキ岩槻製造(株)、曙ブレーキ山陽製造(株) の4拠点ということです。これら拠点でのIATF16949の認証が取り消されたという事実だけを開示したわけです。

適時開示というのは、株主や投資家が投資に関して参考となる情報を得るためのものです。この認証がどういうもので、取り消されたことで同社の事業にどういうことが起きる可能性があるのか。投資家の目線で説明する必要があるのでは?と思います。

日経が取り上げた記事では、「自動車メーカーと『新たに』取引する際、部品の受注ができなくなる恐れがある。」と書かれていました。対して曙ブレーキは、「一部の認証が取り消されても部品の品質に問題はなく、自動車メーカーとの『既存の』契約が打ち切られることはない」とも。開示ではこういうことを説明せずに、メディアの取材に対しては回答するという姿勢。どうなんでしょう。