日本ビジネスシステムズ ココナラ 取締役への辞任勧告

少し前になりますが、日本ビジネスシステムズは1/28、「取締役1名に対する辞任勧告の決議および取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」を公表しました。また、株式会社ココナラは1/29、「取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」を公表しています。

日本ビジネスシステムズ

日本ビジネスシステムズでは、取締役専務執行役員が取締役会の辞任勧告を受け辞任しました。取引先社員に対する不適切な言動があった旨の通報を受け、調査委員会による調査の結果、取引先社員に対して誹謗中傷行為がなされたことが確認されたためと説明されています。

ココナラ

ココナラでも取締役に辞任勧告し、辞任へ。「役員規程及びコンプライアンス規程違反の事実が認められた」としか説明されていませんが、同社は開示のコメントで、「取締役に対しては高い規範意識が求められること等を鑑みて、会社として厳格な対応を取るべきと判断した」としています。

中居&フジテレビに学んだ?

両社とも取締役が行った不適切な行為について詳細を公表していませんが、かなり迅速な対応をとっているように見えますね。不祥事が発生した際の初動を間違えるとどうなるか、ってことを中居&フジテレビの件でしっかり学んだということでしょうか。

ただ、取締役としての不適切な行為、だけで済ますのはいかがなものかと。どういう行為だったのか、被害にあわれた方へのケア、については詳細に説明しておくべきでしょう。クビにしてお終いではなくてね。

野村證券 またしても従業員が逮捕される

報道によると、顧客に架空の投資話を持ちかけ現金1千万円をだまし取ったとして、警視庁戸塚署は6日までに、野村証券元社員を詐欺の疑いで逮捕したとのこと。容疑者は24年4月に野村証券のグループ会社に出向し、同年6月30日に自己都合で退社しているということです。

野村證券

今では東証に上場しているのは野村ホールディングス。その中核子会社が野村證券です。野村ホールディングスは、その野村證券に加え、野村アセットマネジメント、野村信託銀行などを子会社に持っています。海外では主要な金融資本市場に営業拠点を展開。証券グループ国内最大手の東証プライム上場企業です。

従業員の不正

野村證券では昨年、広島市の80代夫婦宅から現金を盗んだうえ放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂や現住建造物等放火の罪などで営業員が起訴されました。国債先物取引をめぐる相場操縦なんてのもありましたね。逮捕の責任を取って、昨年末に役員報酬の返上を発表したばかり。

そこへ今回の超富裕層向け営業員の逮捕報道。マジでここ悪行三昧ですね。逮捕容疑は2024年1月、自身が担当していた都内在住の70代女性に対し「野村証券の社員に社内預金の積立枠が認められることになり、年2%の利率で返済できます」などと虚偽の説明をして自身の口座に1千万円を振り込ませた疑いだそう。だまし取った資金はギャンブルの借金返済へ。

警視庁はさらに「同じ顧客から数千万円を詐取していたとみて、詳しい経緯を調べている」ようです。ここのトップの役員報酬は5億円超。今回もタップリ返上してください。

ダイワ通信株式会社 子会社において売上の過大計上や簿外在庫が

ダイワ通信株式会社は2/4、「第三者委員会設置及び2025年3月期第3四半期決算短信の開示が四半期終了後45日を超えることに関するお知らせ」を公表しました。子会社において売上の過大計上と簿外在庫が生じている可能性があることが判明したということです。

ダイワ通信

ダイワ通信は、継続的な手数料収入を得るモバイル事業(ソフトバンクの一次代理店として移動体通信機器等の販売)と、成長戦略であるセキュリティ事業(防犯・監視カメラ等の販売および監視カメラシステムの施工、保守等)の2つの事業を展開する東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

ダイワ通信の連結子会社であるディーズセキュリティ株式会社において、同社と取引先の間における不適切な取引に関する通報があり、同社において売上の過大計上と簿外在庫が生じている可能性があることが判明したといいます。

開示では以上のように、「売上の過大計上と簿外在庫」としか説明されていません。また、「通報があり」の部分についても、内部通報なのか、取引先からの通報なのかも分からない状況です。通常、不正の発覚時は世の中的に評価されやすい内部通報であればその通りに「内部通報により」と記載しそうな気がします。

あえてそう記載しなかったのは、取引先や当局からの通報だったんじゃないかと。しっかりした第三者委員会を設けるという態勢から考えても、ここもやはり、架空取引や循環取引とかが出てきそうな感触です。

株式会社クシム 借金返済のため中核子会社をすべて売却

株式会社クシムは2/3、「代物弁済に伴う連結子会社の異動(株式譲渡)および個別決算における特別利益の計上見込みに関するお知らせ」と、「株式会社CAICA DIGITAL との資本業務提携の解消に関するお知らせ」を公表しました。

箱企業ですか?

カイカフィナンシャルホールディングスからの529百万円の借入金の返済のため、子会社ZEDホールディングスの株式を代物弁済にて返済するというもの。これに伴いZEDホールディングス傘下の株式会社Zaif、株式会社クシムソフト、チューリンガム株式会社、株式会社WEB3テクノロジーズ、Digital Credence Technologies Limitedが連結対象外に。

要するにクシムの主要子会社をすべて手放してしまうという惨事に。ほぼ中身なしの箱企業になってしまったということでしょうね。手放す理由は、「株主提案(による臨時株主総会での決議で)により、当社の経営体制変更となった場合の返済リスクの懸念があるので、速攻で金返せと迫られたためだそう。

株主総入れ替え?

この開示を受け同社株は2/4、早々にストップ安売り気配に。現行株主にすべて売らせて、何らかの方法で現経営陣側についてくれる株主に買ってもらい、臨時株主総会で株主提案を迎え撃つ、、、なんて作戦でもあるんでしょうか(これは考えすぎかな)。

なんか、凄いことになってきましたね。こうなると解任された取締役が返り咲いて会社を再建というシナリオが濃厚になってきたかも、です。

株式会社クシム 有価証券報告書の提出期限延長を申請・承認

株式会社クシムは1/31、「2024 年10月期有価証券報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」を公表しました。同日のうちに承認されたことも公表しており、提出期限は3/31まで延長されました。

提出期限の延長を必要とする理由

これまで取締役を解任するに至った理由が漠然としたものでしたが、今回の上記申請にかかる開示では少し具体的な内容が公表されています。決算が締められない理由として書かれているわけですが、ほぼ取締役を解任した理由に通じる内容だと思われます。

その理由とは、① 取締役が関与する暗号資産関連業務に関する検証の必要性(同社および子会社にかかる暗号資産の実在性及び評価)。② 同社の経費支出の妥当性に関する検証の必要性(取締役による経費支出の適切性)の2点になっています。

詳細については、当ブログの紙面では書ききれませんし、当方に暗号資産にかかる専門知識などもないことから、ここでは考察を控えます。是非皆さんの方で、先日取り上げた取締役の主張と、今回の現経営陣の主張を読み比べていただければと思います。

この後は調査委員会の調査結果を待つしかないですかね(調査委員会が公正・公平な調査結果を出すかどうかもビミョーですが)。あと臨時株主総会の行方も。まだまだ紆余曲折ありそうです。