金融庁 トヨタモビリティ東京へ立ち入り検査

金融庁が、トヨタ自動車の唯一の直営販売会社であるトヨタモビリティ東京へ立ち入り検査に入ったことがわかったとのこと。損害保険業界の一連の不祥事を受け、ディーラーが兼ねる乗り合い代理店の実態の調査に乗り出したとみられます。

やはりトヨタでも?

金融庁は中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)と、同業大手のグッドスピード(名古屋市)にも立ち入り検査に入っていましたね。これらは中古車を扱う業者でした。トヨタモビリティ東京のような新車販売店への立ち入り検査が明らかになるのは初めてだそう。

IDOM(イドム)とグッドスピードについては、自動車保険金の不適切な事案などが確認されており、その調査が目的とみられていましたが、トヨタモビリティ東京については、自動車保険をめぐる実態について調査する目的とみられているようです。

「乗り合い代理店」と「専属代理店」

乗り合い代理店とは、複数(2社以上)の保険会社と代理店契約を結んでいる保険代理店のことをいいます。これに対して、一社の保険会社のみと代理店契約を結んでいる保険代理店のことを専属代理店というんですね。

このところ問題となっているのは乗り合い代理店。複数の会社の保険商品を同時に比較・検討したいという消費者ニーズに対応しているという事業形態でありながら(中立を装って)、その実態は代理店手数料の多い保険を勧めているというのが問題点です。さて、トヨタからも問題点は出てくるんでしょうか。

インサイダー取引で強制調査 金融庁職員に続いて今度は東証職員

証券取引等監視委員会が株式会社日本取引所グループ傘下の株式会社東京証券取引所の社員に対し、インサイダー取引の疑いで強制調査をおこなっていることが10/22判明したとのこと。数日前には金融庁に出向中の30代の男性裁判官のインサイダー取引が報道されたばかりです。

株式会社日本取引所グループ

株式会社日本取引所グループは、東京証券取引所グループと大阪証券取引所(大証)が合併し設立した後、東京商品取引所をグループ化。有価証券やデリバティブの上場、取引の場の提供、清算・決済サービス、指数・情報サービスを提供する東証プライム上場企業です。

東証職員まで

金融庁職員のインサイダー取引で驚かされてわずか数日。今度は東証職員によるインサイダー取引。強制調査を受けたのは東証の若手職員で、企業の公開前の適時開示情報を基に株式を売買した疑いが持たれているといいます。

日本取引所グループ内には東証や大証のほか、日本取引所自主規制法人という会社もあります。ここが取引所等で行われる取引等を監視し、調査も行っています。つまりインサイダー取引の規制や監視、調査を行っている企業と同じグループ内の東京証券取引所で事件が起きているということなんですね。金融庁の次は東証。マジでこれ、シャレになりませんから。

金融庁出向の裁判官 インサイダー取引の疑いで強制調査

10/19付けの報道によると、金融庁に出向中の30代の男性裁判官が、職務を通じて知った企業のTOB=株式公開買い付けの情報をもとに、インサイダー取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から強制調査を受けていたことが関係者への取材でわかったということです。

金融庁へ出向

最高裁判所は主に任官10年未満の裁判官を対象に、さまざまな経験を積ませる目的で省庁に出向させる人事を行っていて、男性裁判官もこの枠組みで金融庁に出向していたということです。

弁護士事務所なども同様に出向させていましたね。kuniも仕組み債の仕組みを金融庁に呼び出され説明したことがあり、その後に出向を終え転職してきた弁護士と同僚になったという経験があります。選ばれて出向するような人材ですから、非常に有能な人材なのですが、純粋培養されてきたためかちょっと融通が利かないというか、専門外のことについては非常識なタイプの人でしたね。

自分名義で

この裁判官もそういうタイプだったんでしょうか、インサイダーの規制や実務を知っている人なら考えられないようなことをやっちゃいました。職務を通じて知ったTOBの未公開の情報をもとに、今年、株を自分名義で売買したということです。親族や知人の名義でとかではなく、自身の口座で。

この裁判官、金商法についてどれくらい勉強してたんでしょう。もちろん裁判官が悪くて、バカの見本のような不法行為ですが、それを監督するべき立場の金融庁もどういう教育をしていたのか。インサイダー規制の総本山である金融庁、相応の責任が追及されてしかりですね。

マニュライフ生命保険株式会社 金融庁の行政処分

金融庁は7/14、「マニュライフ生命保険株式会社に対する行政処分について」を公表しました。行きすぎた節税が問題となっていた「節税保険」を巡り、マニュライフ生命保険に対して、保険業法に基づく業務改善命令を出したという発表ですね。

マニュライフ生命保険

マニュライフ生命保険は、東京都新宿区に本社を置き生命保険業を営む企業です。カナダに本拠を置き、主にカナダ、米国、アジアを中心に事業を展開する大手金融サービス業マニュライフ・ファイナンシャルグループに属しています。同社はカナダの国策として設立された会社と説明されることがしばしばあるそうです。

行き過ぎた節税

問題視されたのは「名義変更プラン」と呼ばれる商品です。解約時の返金率が低いうちに契約者の名義を法人から個人へ変更し、返金率が高くなった時期に解約し、通常の所得より税負担が軽い「一時所得」として返戻金を受け取る仕組みなんだそうです。

万一の事態に備える保険本来の趣旨を逸脱した、商品開発や募集活動が繰り返されていたといいます。マニュライフ生命の前最高経営責任者(CEO)をはじめとする旧経営陣が主導し、「名義変更プラン」を開発・推進していたと指摘しています。

やはり外資系

生保各社はこれまで税制上の抜け穴を探し、企業経営者向けに節税保険を開発しては潰されるということを繰り返してきました。もちろんその他の生保も似たようなものだと思いますが、最後まで推進していたマニュライフが処分の対象になったということでしょう。

保険のことはあまり詳しくないけど、外資系って行政の注意喚起や指導に対して、そう簡単に言うことを聞きません。コンプラそっちのけで期間利益を稼ぎまくり、当局に刺されるときには主導者は転職済み。金融の世界ではよく見る光景です。

みずほフィナンシャルグループ 金融庁へ改善報告書

日本経済新聞は8/31、「みずほ、新システム総点検 きょう金融庁に報告書」を掲載しました。2021年に入り6度のシステム障害を起こした問題で、新システムの総点検やバックアップが機能しない場合の復旧手順の整備などを盛り込んだ報告書の全容が30日、明らかになった、としています。

システム障害

みずほ銀行では2月末から2週間足らずで4件の障害が発生。その後、みずほが6月に策定した再発防止策を実行に移す途上で、8月20日と23日にも再び障害が起きました。中でも2/28の通帳やキャッシュカードをATMが取り込んで出てこなくなったという障害は驚きでした。

ATMが通帳やキャッシュカードを取り込むトラブルは合計5244件、自行ATMの7割超に相当する4318台が稼働を一時停止ました。インターネットバンキングの一部取引もできなくなったてましたね。

報告書

で、8/31に金融庁に報告書を提出するということなんですが、原因はなお突き止められていないんだとか。「点検を検討する」とか、「さらなる調査・確認を進めていく」とかとか。この報告書は中間報告みたいなもんですね。

SNSのとある書き込みで、「それにしても、金融庁に報告する前にここまで内容が漏れる(漏らしてる)のも、どうかと思うが」というのを読みました。たしかに昔からリークの非常に多い会社ですが、今回はどうなんでしょうね。

通常、金融庁が報告書を徴求・受領する際は、あらかじめドラフトを提出させ、金融庁が納得してからの正式提出となります。ドラフト段階でいろいろと指導が入ります。つまり、提出の前段階で内容を把握しているわけで、日経に報告書の内容をリークしたのは金融庁という可能性も結構高いんじゃないかと。