DAC 二酸化炭素の直接回収

2/1付け日本経済新聞に「脱炭素の救世主に」という記事がありました。紹介されていたのはDACに関する研究者たちの取り組みなど。DACとは、Direct Air Capture の略で、大気から二酸化炭素を直接回収する技術のことです。

日本の技術も有望らしい

記事では様々な取り組みが紹介されていました。アミンという化合物を使ってCO2を回収する神戸学院大学。CO2だけを通す高分子膜で回収する九州大学。多数の微小な穴が開いたシリカで回収する金沢大学など。

金沢大学の研究しているアプローチは、京大発のベンチャー企業のAtomisが手掛ける多孔性金属錯体と同じでしょうか。今年のお正月にAtomisの研究内容を興味深く読みました。二酸化炭素のみならず、様々な気体を選別して吸い込む(回収する)技術でした。

確かに救世主になってくれそうなDACですが、やはり課題はコストのようです。現在のコストを1/6まで落とすことができると、実用化が可能になるとのこと。期待したいですね。

ついでに CCS CCUS も

産業活動から排出される二酸化炭素を回収して貯留する技術のことをCCS。さらにこれを有効に利用する技術をCCUSと言うそうです。これらもカーボンニュートラルを実現するための革新的な技術として注目されています。

『CO2を回収して埋める「CCS」、実証試験を経て、いよいよ実現も間近に』という記事が経産省資源エネルギー庁のホームページで読むことができます。CCS、CCUSにDAC。この機会に覚えておきましょう。

日立造船(7004)が暴騰 688円

日立造船(7004)株式が1/8、年初来高値を更新しました。株式市場では洋上風力発電関連(実は他にもいろいろ取り組んでます)として人気を集め、昨年末から急動意。先週末の8日には一時688円まで買われました。ものすごい勢いでしたね。

4/14 339円

実はこの銘柄、4/14付けで当ブログでも取り上げました。タイトルは「日立造船 浮体式洋上風力発電 安価な新工法」という記事。日本経済新聞の記事をもとに調べてみたものです。かなりしっかりした技術をもっている会社でした。

当時の株価は339円。コロナショック後の株価ですのでかなり安い。が、しかしこの辺りではなかなか手が出せないところ。その後コロナショックからいったん回復を見せた6月上旬。ここでの株価は400円前後。その後11月までは400円~450円で推移します。

菅総理大臣が、10/26に行った所信表明演説で、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と表明したことで、水素やEVなど、温暖化関連銘柄全体に買いが波及していきます。

12/10 433円(+24)

12/10、日本経済新聞が「電気自動車(EV)の次世代基幹技術として本命視される『全固体電池』の実用化への動きが官民で加速し始めた」と報じたことを受け、既に硫化物系固体電解質を使用した全固体リチウムイオン電池を開発済みの日立造船が物色されたといいます。その後、再生エネ関連としても人気を集めることに。

出来高が一気に膨らみ、315万株。それまでは100万株出来ることが珍しい株でしたから、短期投資ではここが乗りどころでしたね。わずか1か月足らずで5割高です。三桜工業株もそうでしたが、技術を持っている会社、流れが来たときの相場は魅力的です。

とはいえ、ここから先はよほど小回りの利く投資家でないと難しいです。kuniはもう手放しましたので、悪しからず。

グリーン水素 ブルー水素 グレー水素

1/5付け日本経済新聞、「水素開発にEU60兆円」という記事がありました。今大注目の水素ですが、製造過程の違いで色分けして区別するんだそうです。タイトルの通り3種類に分けているようで、製造過程でCO2がどうなるか、の違いなんですね。

グレー水素:化石燃料から取り出す水素のことで、低コストで大量に製造できますが、CO2が大気中に放出されます。

ブルー水素:製造過程で生じるCO2を回収・貯蔵することで、カーボンニュートラルになる水素。

グリーン水素:再エネ由来の電力で水を電気分解して生成する水素。CO2は出ませんが、現状では最も製造コストが高くなります。

こんな感じです。で、当然現在ではこのグリーン水素をいかに低コストで製造するかが課題になっているということです。

海水からグリーン水素

記事ではオランダ北部で英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが取り組む、再生エネと海水で作る水素を紹介していましたが、これは日本にも非常に参考になるアプローチですね。

同じく日本の取組みとして、福島水素エネルギー研究フィールドが紹介されていましたが、ここでは再生エネに太陽光発電を利用しているようです。狭い国土に四方を海に囲まれた日本。太陽光発電にはやや限界がありそうです。

いっそのこと洋上風力発電と水素生成施設を一緒に海上に作ったらどうでしょう。過去に飛行場にも使用できていたメガフロートの改良版みたいな土台の上に、風力発電の風車も施設も載せて、水素を生成。メガフロートの端には水素運搬用のタンカーが横付けできるみたいな。

イメージとしてはほぼ石油掘削リグみたいなもんですね。土地の買付不要。周辺への公害無し。運搬のためのパイプライン不要。風が少なく日照に富む海域であれば、メガフロートの上に太陽電池を敷き詰めて施設も設けるというのもありですかね。どうでしょう、専門家の皆さん。

グリーントランスフォーメーション(GX)

昨年は企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が大きく前進した一年でしたが、今年はグリーントランスフォーメーション(GX)が浸透していく年になりそうです。DXは Digital Transformation、GXは Green Transformation ですね。ちょっとくどい?

デジタル・トランスフォーメーション(DX)

もういまさらではありますが、デジタル・トランスフォーメーションとは、デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革することであったり、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものというふうに説明されています。

かなり高い目標ですから、、、デジタル・トランスフォーメーションは単なるシステム化やデジタル化ではない。みたいな議論があちこちで聞こえてきました。ではいったい企業におけるデジタル・トランスフォーメーションとは?。このフレーズも沢山聞きましたね。

2018年辺りから取り組みが始まり、実装の段階へ入ってきたため、2020年はより着地点というか成果が問われるような年だったような気がします。

グリーントランスフォーメーション(GX)

では、グリーントランスフォーメーションとは何か。言葉としてはまだ認知度はかなり低そうですね。ただグリーントランスフォーメーションの方がデジタル・トランスフォーメーションよりも分かりやすいような気がします。

グリーントランスフォーメーションを定義してみましょう。あくまで私見ですが、「化石燃料に替えて新しいエネルギー源を定着させるなどして、カーボンニュートラルを実現し、地球温暖化を食い止める。この世界的な潮流を実現するための企業の取り組みのこと」みたいな感じでしょうか。

既に120以上の国と地域が2050年までに、大気中に排出される温室効果ガスを実質ゼロにする目標を掲げ、これに今年からアメリカも加わってきます。具体的なマイルストンも示されていて分かりやすい。今年のキーワードになりそうです。

スーパーバッグ(3945) 決算発表 さすがに厳しいよね

スーパーバッグという会社をご存じでしょうか。名前の通り、スーパーやコンビニなどで使われるレジ袋を作っている会社です。レジ袋やポリ袋以外に紙袋なども扱っていますが、いわゆる石油化学製品の比率は高そうで、ESG最盛期の令和の時代、まさに逆風下にある企業ですね。

今上期の状況

その昔、kuniが株屋の時代に少し接点のあった会社なもんですから、ちょっと気になっていた存在なんです。ここ最近の環境問題においてレジ袋が悪玉筆頭に据えられる状況、同社は大変だろうなぁ、などとと思っていました。

案の定、かなり苦しい決算となっています。環境問題でレジ袋の有料化が始まったため、当然消費量は激減します。皆さんもマイバッグ持ち歩くようになりましたよね。逆風はこれだけではありません。コロナの影響で実店舗での販売量自体が落ち込んでいて、包装資材需要も減少しているわけです。

株価をチェック

過去を振り返ると、百貨店からスーパー隆盛の時代へ、といった時代がありました。そしてスーパーからコンビニ大展開という時代へ。この間、レジ袋等が販売量を伸ばしたことは容易に想像できると思います。

遡れるところまで同社の株価を調べてみると、1990年に11,500円というのがありました。バブル直後ですからその分も載せた株価ですけどね。バブルの影響がなくなった後でも、2005年と2017年に4,000円ほどの株価を付けてます。

その同社の現在の株価(10/31)は1,189円に沈んでいます。配当利回りが非常に高い会社で、前期も60円配当、利回りは6%を超えています。その影響でしょうか、2008年以降は1,100円を下値抵抗線にしてきました。が、今回はどうでしょう。

高配当銘柄の常連だったキャノンも大きく値下がりし、先日減配を発表していました。デジカメがスマホに食われてしまったという、、、本業を時代に見切られた銘柄の末路は、、、。スーパーバッグもそうなるんでしょうね。