レオパレス21、ホテル3棟160億円で売却 新たに2816棟に不備

10/4 レオパレス21は財務体質の強化を目的に、ホテル3棟を160億円で売却することを発表しました。売却益は約78億円とのこと。あわせて、新たに2,816棟の物件で不備が見つかったことも公表しています。このところ全然チェックしていませんでしたので、久し振りに整理しておきましょう。

3/31時点で公表したデータ

 レオパレス全棟合計  39,085棟
 調査判定済み合計  20,285棟(判定済み率51.9%)
 不備あり    合計  7,085棟(不備率34.9%)
 軽微な不備を加えると 14,599棟(不備率72.0%)

9/30時点で公表したデータ

 レオパレス全棟合計  39,085棟
 調査判定済み合計  35,178棟(判定済み率90.0%)
 不備あり    合計  11,618棟(不備率33.0%)
 軽微な不備を加えると 26,299棟(不備率74.8%)

こんな感じです。調査判定作業、やっと90%まで来ました。しかし、不備が見つかった物件の改修工事を終えたのは、まだ900棟とのこと。なかなか進んでないようです。

ホテル3棟の売却

有価証券報告書で見ると、ホテルレオパレス札幌他3棟となってますので、今回売却する札幌、仙台、博多の3ホテル以外にもう一つ所有しているようです。プレスリリースではホテルレオパレス名古屋の株主優待に触れているので、これで合計4棟ですか。名古屋やグアムのリゾートホテルは残したみたいです。

入居率の推移

80%を下回ると支払いが収入を上回る逆ザヤに陥ると言われている入居率は、9月末で80.07%。3月末の84.33%から確実に下げてきています。これまで毎月0.5%程度下げていましたが、9月は0.14%の下げ。下げ止まりの気配とみるべきなのでしょうか。とはいえ、来月には割れてきそうですね。ちなみに、レオパレス21のホームページで入居率等の月次データは公表されています。

関西電力の会長、社長 他企業の社外取締役や社外監査役を辞任

週末の日本経済新聞のニュースです。関西電力の会長、社長が他企業の社外取締役や社外監査役を辞任するとのこと。また、別の面では、同社監査役が金品授受の実態を把握していたにもかかわらず、取締役会への報告を怠っていたことも判明したと伝えています。

社外取締役や社外監査役を辞任

前回、会長、社長とも速やかに辞任すべきと書きましたが、その前に社外取締役等の社外職を辞任するようで。しかし、笑っちゃいますね。一億円以上金品受け取ってた人達が社外では取締役会の御意見番やってたってことですからねぇ。社外取締役や社外監査役を続けていると、その企業に迷惑をかける、、、と考えたんでしょうか。だったら、関西電力に対しても同じことです。

関与したことが判明している会長、社長ほか関与していた役員の辞任は速やかに行い、第三者委員会による公正な調査を実施してほしいですね。そして何より重要なのは、過去の不正・不祥事に対する是正対応と、今後の原発再稼働の是非という問題をしっかり切り離して議論することです。当事者たちに限らず、我々国民としてもその点を意識して見守る必要があると思います。

監査役の報告義務違反

前回、金品を授受した取締役について、会社法の「会社取締役の収賄罪」の適用もあるかもしれないことを書きました。こちらは、会社取締役の贈収賄罪を規定した会社法第967条第1項です。

そして今度は、会社法第382条。監査役の取締役会への報告義務違反が発覚しました。もう、何のための監査役なんだか、、、って感じです。不適切だが不正とまでは言えない、、、って解釈なんですかね。382条の条文を載せておきます。

第382条(取締役への報告義務)
監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。

株式委託手数料 無料化

先週末の日本経済新聞に「米証券、売買手数料ゼロへ ネット大手、新興の攻勢に対抗 体力勝負、再編観測も」という記事がありました。先行していた米国の最大手チャールズ・シュワブに追随し、ネット証券2社が株式の売買手数料をゼロにするというニュースです。

ロビンフッド

手数料無料を先導したのが、新興勢力のロビンフッドという会社。この新興勢力に対抗する形で、その他のネット証券が競って手数料をゼロにし始めたということのようです。これらに加えて、記事ではJPモルガン・チェース(こちらはネット系ではない)がリテール銀行の顧客向けに、売買手数料を一定回数まで無料とするサービスを始めたとも伝えています。

日本でも無料化へ

日本も将来的には売買手数料ゼロに進んでいくんでしょうね。ここで、この記事を理解するためにいくつか足もとの実態を見ておきましょう。記事で売買手数料と言っているのは、株式委託手数料のことです。株式(ETF含む)を取引所で買う注文、売る注文を出すときに、証券会社に支払う手数料ですね。

1,000万円のA株式を買うケースを考えてみましょう。野村證券では支店に電話して買う場合、81,928円の手数料が掛かります。同じ野村證券でもインターネット取引の契約をしている人がネットから発注する場合は、同じ注文でも10,476円しか掛かりません。

次にネット証券のSBI証券を見てみます。同じ注文をネットで発注する際の手数料はスタンダードコースで、1,013円です。PTSへの発注ですとさらに安く、963円です。PTSというのは取引所に出すのではなく、SBIジャパンネクスト証券の中で値付けするもので、同社の私設取引システムのことです(機会があればいずれまた詳しく書きます)。

どうでしょう。最大手証券の営業マンとの取引からネット証券での取引まで、株式委託手数料もこれだけ違いがあるんですね。ちなみに野村証券の19年3月期の株式委託手数料収入は915億円。総収益が5,750億円ですから、今でも全体収益の16%を占めています。これがゼロに、、、。

さぁて、1999年10月に始まった株式委託手数料の完全自由化。あれから20年、株式委託手数料の無料化バトルがl始まりそうな気配です。

空飛ぶクルマ

先日、日本経済新聞に「空飛ぶクルマ、年内に有人実験 スカイドライブ」という記事がありました。最近よく聞くようになったこの「空飛ぶクルマ」という表現に、kuniは違和感を覚えるのです。kuniが若いころから、SFやアニメにも登場する、人類の夢であったわけですが、、、。

クルマじゃなくね?

まだまだ開発中であったり、企画段階だったりするので、あくまでイメージ写真みたいなものしかないんですが、どれもこれもクルマには見えないんですよね。垂直上昇して飛び立つタイプはどう見てもヘリコプターを小型化したイメージ。もしくは今流行っているドローンを大型化して人が乗れるようにしたもの。

そんなふうにしか見えません。滑走路を必要とするタイプにいたっては、それ飛行機でしょ。って感じです。見た目のスタイルもそうだし、滑走路を必要とすること自体が飛行機。にもかかわらず、やたらと空飛ぶクルマという表現にこだわるんですよね。これって、なんなんでしょ。

空飛ぶクルマとは、時速100km以上で一般道から高速道路まで走ることが可能で、当然家族4人が乗ることができる。動力がエンジンか電動かは問わないけども、自動車として走行中に必要な時はそのままサクッと飛びたてる。kuniの空飛ぶクルマのイメージです。

そんな中でも日本のスカイドライブは空飛ぶクルマに一番近いかもしれません。コンセプトは世界最小サイズ、公道から離陸可能で、直感的に操縦可能。仕様も公開されていて、全長3,600mm、全幅1,700mm(飛行時3,100mm)、全高1,100mm。飛行速度100km/h、走行速度60km/h、電動で二人乗りだそうです。

新たな都市交通の覇権争い

なんていう華々しいタイトルまで記事では踊っていましたが、日本の都市の上空をホントにこんなもん飛ばすつもりなんだろうか。どこへ行くのにも困らないほどに公共交通は発達しているし、日本ではどれほど需要があるんでしょう。離島や交通の便が悪い山間部への交通手段としては、魅力的だと思いますが。

コーンスターチ巡るカルテル 加藤化学の課徴金取り消し 段ボールメーカー?

10/3付け日本経済新聞に「カルテル認めず 公取委、加藤化学の課徴金取り消し」という記事が。コーンスターチを巡る価格カルテルで、3社のうちの加藤化学に対する行政処分と課徴金を取り消しました。この手の取り消しは珍しく、2例目だとのこと。審判の手続き開始が平成25年11月ということですから、6年がかりですかぁ。

納入先の段ボールメーカー

コーンスターチの価格カルテルの話題で、「納入先の段ボールメーカーとの交渉状況を踏まえると価格カルテルに関わったとまでは言えないと判断した。」という公取委の判断だとか。ここで、なんで段ボールメーカーが出てくるのか、、、ということで調べた結果です。今日はあらかじめ宣言したうえで脱線します。

一般的な段ボールといえば、板紙2枚の間に波型の芯が挟まれていますよね。この板紙と波型の紙を張り付ける糊の原料がコーンスターチなんだそうです。これって、皆さん知ってました?日経では何の説明もなく先ほどの引用部分を記事にしてお終いですわ。段ボール業界やコーンスターチ業界の業界新聞じゃないんだから、少しくらい説明あっていいんじゃないの?

何で「段ボール」?

あらかじめ断っているので、さらに脱線。段ボールという名前の由来がまた面白いです。先ほどの説明で波型の芯って書きましたが、ちょっと表現変えると「段々になってる」ともいえますよね。また、さっきは板紙と書きましたが、これのことを昔「ボール紙」って言ってたじゃないですか。若い人にはごめんなさい。そう言ってたんです。

ということで、中芯が段々になっているボール紙で、、、段ボールと命名されたそうです。現在の上場企業レンゴーの創業者井上氏が、自ら考案した機械で作成、命名したんだそうです。

最後に、、、この段ボールはリサイクルの優等生みたいです。日本における段ボールのリサイクル率は95%だそうです。