【速報】 Nuts(7612) 逝きました

当ブログでも何度か取り上げましたNuts。時間を稼ぎまくってここまで来ましたが、昨日、「破産手続開始の申立て及び破産手続開始決定に関するお知らせ」を開示しました。もう少し早く手続していれば、多くの投資家が巻き込まれずに済んだのに、、、。

おさらい

証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で強制調査受け、外部調査委員会を設置。続いて、監査法人元和が2020年3月期の財務諸表監査をしていた過程で、同社の現金が帳簿上は809百万円であるのに実際には50万円しかない事実が発覚。

これを受けて監査法人元和は監査人を退任。かなり時間がかかりましたが、外部調査委員会に消えた8億円の件についても調査対象に加えてもらいます。ここまでは過去の記事で書きました。

その後8/13、一時会計監査人として監査法人アリアを選任しましたが、監査契約において必要な監査報酬を支払うことができなかったため、9/7に監査法人アリアより契約解除の通知を受けています。

このような経過の挙句、同社は9/16、破産手続開始を申立て、同日午後5時、東京地方裁判所より破産手続開始決定を受けました。

十分予想できた結末

開示されてきた情報を把握していれば、十分予想できた展開でしたが、昨日まで同社の株価は30円前後で取引されていました。売買されてたのはデイトレーダー達でしょうかね。最近買ってれば、1万株で30万円の損失です。

2019年3月期末で純資産8億5500万円となっていますが、このうち8億円の現金が消えてます。何も残らんでしょうね。最後まで残った従業員は6名だそうです。高級会員制医療施設の会員権など、この後も犯罪捜査や顧客との争いは続きそうです。

北川工業株式 TOBに関するインサイダー取引で課徴金納付命令の勧告

証券取引等監視委員会は9/11、北川工業に対するTOBに関してインサイダー取引が行われたとして、2人に対して課徴金納付命令を発出するよう金融庁に対して勧告を行いました。日東工業という会社が北川工業に対して実施した公開買付(TOB)を巡る取引です。

役員はセーフ

公開買付が公表されると多くの場合、株価は上昇します。そのため、公開買付を実施することを決定し、その旨を公表するまでの間にその情報を手に入れ、対象銘柄を買い付けることが出来れば、かなりの高確率で儲かるわけですね。今回は二人がお縄になりそうというお話。

一人は公開買付者である日東工業の役員から情報の伝達を受けた者(ある報道では愛知県の30代女性となっている)が235万円の課徴金。もう一人は日東工業と文書開示に係る契約を締結していた企業に勤める者から情報の伝達を受けた者、こちらも238万円の課徴金。

気になるのは、公開買付に関する情報の受領者がインサイダー取引を問われているにもかかわらず、公開買付者の役員が情報を伝達したことについては、法令違反に問われていないことです。

「重要事実の公表前に売買をさせることにより他人に利益を得させる」等の目的を有していなければ、日常会話の中で重要事実を話したとしても、基本的に規制対象とはならないものと考えられます。。。というのが金融庁の「情報伝達・取引推奨規制」に関する見解です。

当該役員が30代の女性に利益を得させることを目的に伝達・取引推奨した、、、かどうかについては立証しきれない。そういう判断なんでしょうね。それにしてもどういうご関係だったのか、気になります。

なぜかメディアが揃って間違えている件

あと一点気になるのが、多くのメディア(新聞)が日東工業株式でインサイダー取引、と伝えていることです。どこぞの間違えた記事を使いまわしてるだけでしょうが。30代女性、、、まで調べるんだったら、対象銘柄くらいは正しく伝えないと。

楽天 6回目の行政指導

総務省は9/11、スマホの過度な値引きを是正するよう、楽天モバイルに行政指導しました。過度な値引きは通信料の高止まりにつながるため、電気通信事業法で規制がされています。当ブログの常連になりつつある楽天、、、今回で行政指導は6回目ですね。

事案の概要

スマホと回線のセット契約を条件に、2万2千円分の楽天ポイントを付与するキャンペーンを実施していたということです。現行ルールではこのセット値引きは上限2万円までとなっています。この上限を超える利益の提供が1186件で行われたということです。

確信犯?

そもそもこのルール、通信料金を引き下げる原資が、頻繁にスマホを買い替える顧客への利益提供になってしまわないように、という超基本的な考え方をルール化したものです。上限を超えてルール違反になっていることに気付かなかった、なんてありえないと思うんですが。

とはいえ、3月にはKDDIが、5月にはNTTドコモが総務省から行政指導を受けているといいますから不思議です。調べてみると、楽天モバイルがこのキャンペーンを告知したのは7/15で、翌16日にはキャンペーンの条件を改定しているようです。そのわずかの間の申込が1186件あったということのようです。本当に気付いてなかったんでしょうか。

公表のタイミングが

通信料金の引き下げは菅氏が官房長官時代の2018年に「4割下げられる」と表明した肝煎りの政策です。「第4のキャリア」として参入した楽天は、いわば菅氏にとっては切り札的存在ですね。その切り札が総裁選(9/14)直前の9/11に行政指導を受けたの報。

タイミング良過ぎですよね。菅氏の足を引っ張ろうとした輩がいたのか、新生菅総裁がスタートで躓かないよう、安倍総裁の任期中に膿を出そうとしたのか、、、。ちょっと考えすぎですかね。

グローム・ホールディングス(8938) 課徴金納付命令

グロームHDは9/11、有価証券報告書等の虚偽記載について、金融庁から4395万円の課徴金納付命令を受けたことを公表しました。この日、ナイス株式会社(2400万円)、アルファクス・フード・システム(3577万円)、フリージア・マクロス(1200万円)も同様に課徴金納付命令を受けています。

子会社における架空取引

4社に対して課徴金納付命令が出たんですが、他の3社については別途当ブログでも取り上げてきましたので、今日はグロームHDについて。

グロームHDは今年2/4、同社の元子会社であるロジコムリアルエステートにおいて、過去の決算で不適切な取引行為が行われていた可能性があると公表。併せて社内調査委員会を設置しました。外部からの指摘により判明したそうですが、、、おそらく監視委員会でしょうね。

4/22、社内調査委員会から調査報告書を受領し、その内容及び再発防止策等を公表します。同社連結子会社ロジコムリアルエステートにおいて、架空の売上や外注委託料等が計上されていたというもの。代表取締役ともう一名の取締役が主導したとして解任されています。

架空取引等は子会社で行われており、同社がこれに関与した事実は認められなかったようですが、子会社の会計処理を連結決算において取り込むわけですから、結果的に同社の有価証報告書等が虚偽の記載になってしまったというお話です。

インサイダー取引も

調べていて初めて気が付いたんですが、グロームHD、ロジコムと名乗っていた2018年11月に、インサイダー取引で代表取締役社長等が起訴されてますね。第三者割当増資や他社との業務提携の情報を知りながら、公表前に同社株を買っていたという事件でした。頻繁に社名変更する会社、要注意です。

レオパレス21 決算発表再延期で株価が

レオパレス21は9日、2020年4~6月期の決算発表を再延期すると発表しました。従来の予定日は9月11日でしたが、9月末までに発表する予定という変更。同社は施工不良問題による業績悪化を受けて希望退職者を募り、8月末に約1000人が退職しています。

日向に氷の入居率

同日発表した8月の賃貸物件の入居率は78.18%と過去最低の水準となっています。入居率は低下が続いていて、アパートオーナーに支払う賃料が入居者からの家賃を上回る「逆ざや」の水準にあるといわれています。

これに先立ち、8月31日付けで、同社に所属する一級建築士1名と元社員の一級建築士2名が、施工不備問題に関連して建築士法第10条の規定に基づき、国土交通省より行政処分(免許取消)を受けています。このところ悪いニュースばかりですね。

希望退職者の募集

35歳以上の社員につき、約1000名の希望退職者を募集していましたが、応募人数は1067名。希望退職者募集に伴い、第1四半期において約25億円の特別損失を計上しました。1067名の人件費削減が業績にどの程度影響してくるでしょう。

希望退職者の募集は人件費削減という効果を上げる前に、決算業務に従事する従業員が想定以上に退職したことによって、決算プロセスに更なる時間を要するという負の効果となって表れてます。で、決算発表の再延期なんですね。踏んだり蹴ったりです。

株価はというと

決算発表の再延期という開示を受け、9/10は前日比10円(5.7%)安の166円まで下落。翌11日も続落し、162円に。8/3に付けた最安値149円をうかがう展開になっています。

希望退職者の募集、第2弾がありますかね。kuniの居た証券界でも何度も続きましたからね。従業員の皆さんはどう感じてるでしょう。悲惨な状況、、、「去るも地獄残るも地獄」ってやつです。