ネットワンシステムズ 新たな不正か

昨年12月、東京国税局から指摘され、特別調査委員会の調査の結果、架空循環取引を主導していたことが判明したネットワンシステムズ。今年3月に再発防止策等を制定し、6月に東証へ改善報告書を提出しました。あれからわずか4カ月、また新たな不正が出てくるとは。

おさらい

実在性が認められず、かつ、それらの各取引はエンドユーザーが存在しない状態で複数の会社が介在する形で、複数回にわたって循環を繰り返す、いわゆる架空循環取引が発覚しました。主導したのがネットワンシステムズで、架空の売上の累計額は1,400億円とも。

他にこの取引に加わったのは、東芝ITサービス、日鉄ソリューションズ、富士電機ITソリューション、みずほ東芝リース、ダイワボウ情報システムなどでしたね。

順番が逆になってしまいましたが、2015年には、ネットワンシステムズの社員が十六銀行の行員と組み、架空取引で3億円をだまし取るという事件も起きています。

従業員の資金流用

10/26、「2021年3月期第2四半期決算発表延期のお知らせ」が開示されました。その理由が、「外部機関からの指摘があり、同社従業員による資金流用の疑義を認識したため」というもの。社内で調査チームを立ち上げ、調査を進めているとのこと。特別調査委員会設置も視野に入れているようです。今のところ分かっていることはここまで。

前回の架空循環取引の初報では「東京国税局による・・・」と名前を出していましたが、今回は「外部機関」としてますね。あと、もう一つ気になるのは、「前回の調査報告書を開示しました。その後、外部機関からの指摘が・・・」という書き振りです。

普通「その後、全社をあげて改善対応に取り組んでまいりましたが」、くらいの言葉をはさむと思うんですが、その後、、、すぐに指摘を受けたような感じに見えます。前回の不正と並行して、もしくは重なる時期がある不正なのかもしれません。

現時点では、前回のように同社とつるんでいたと思われる企業の開示も見当たりません。さて、このあとどう展開していくのでしょうか。

クレアホールディングス(1757) 株価が動き出してます

株主であるセノーテキャピタルの請求により、臨時株主総会を招集しているクレアホールディングス。臨時株主総会は11月20日開催で、決議しようとしている事項は「定款一部変更の件(商号の変更)」と、「取締役6名選任の件」でした。

クレアHDの対応

株主提案に対して真摯に向き合い、取締役候補者との面談や提案されている事業計画等の検証を行い、臨時株主総会招集に向けて準備を進めているなどとしていましたが、その後やはり両議案に対して反対の意見を表明しましたね。

株価が、、、

11月20日ということなのでもう少し先だなぁ、、、なんて目を離していたら、株価の方が動意づいてきています。10/23に突如出来高を伴い急騰。前日比22円高の73円で引けました。土日を挿んで10/27には高値93円まで付けています。

この銘柄、6月~7月にかけても大化けしていて、この時は6/3の25円から7/6の高値は200円と、爆上げしてるんですね。ただ、長くは続かず7月末には80円台まで下げ、10月に入ってからは50円台で死んだふりしてました。それが、突如出来高を膨らませ、、、。

昔から「夏枯れ相場のあだ花」なんて言い方したもので、マーケットが疲弊して買うものがなくなってきたようなときは、クレアHDのような業績不振株が舞う相場が現れます。今回もそういう展開になってきてるんでしょうかね。材料はダチョウ抗体配合製品??Nutsもそうでしたが、苦しくなってくるとどうも医療系の事業に走るようで。

日経平均が23,000円割れ

米国株が急落しても底堅かった日本株。が、昨日10/30はとうとう23,000円を割れてきました。354円安の22,977円です。日中のNYダウ先物が600ドル安というのが効きましたね。いやぁ、実は少し心配してたんですよ。いつも弱気の日経が10/29付け朝刊に、「日本株に相対優位説」なんて記事載せてたので、、、。

ひらまつ(2764) 外部調査委員会を設置

10月5日に同社の創業者である平松博利氏が経営するひらまつ総研から、東京地方裁判所において訴訟を提起されたことを取り上げましたが、今度はひらまつ側の新しい動きです。ひらまつが外部調査委員会を設置しました。

調査の目的

開示情報によると調査の目的は以下のようになっています。
(1)本事案に関する経緯・事実関係の調査
(2)上記による当社財務諸表等への影響についての検討
(3)上記(1)の調査結果を踏まえて必要な場合には、本事案に係る原因の究明及び再発防止策の提言

本事案というのは、ひらまつ総研との取引のことですね。ひらまつ総研との間で、同社が運営する複数のホテル開発の助言に関する業務や、経営およびレストラン運営の助言等に関する業務の委託との名目で複数の契約を締結していたようで、この契約に基づく取引の実態を第三者の目線で解明しようというものです。

平松氏が社長を退いた際の創業者功労金5億円の支払い、平成16年に設立されたひらまつ総研に対する十数億円に上るといわれるホテル開発に係るコンサルティング料。他にもまだ、、、。これら多額の支払いが正当化しうるものかどうか。ここに第三者の視点を持ち込むわけです。

当然、訴訟に向けての準備ということなんでしょうが、新社長のもとアドバンテッジアドバイザーズとしても徹底抗戦の構えを見せたということでしょう。調査報告書は受領次第、速やかに開示するとしていますので、裁判所に閉じた戦いではなくなったということになります。

第三者割当による増資

前回取り上げて以降のイベントも書いておきます。第6回新株予約権の発行に係る払込完了に関するお知らせ」というのがありました。新株予約権の発行により2,900万円を調達しています。その後の権利行使により20億円が調達できる見込みです。

が、しかし、公表された中期経営計画によると、2021年3月期の予想経常利益はマイナス23億円。ちょうどこれに消えてしまうことになりますね。コロナのもと苦しい経営が続きます。

理研ビタミン 最後までドタバタ

またまた理研ビタミンです。ハイアスの時と一緒で、いい加減飽きてきてるんですが、運命の日のドタバタが凄すぎて、、、また書いてしまいます。結論から言うと、、、東証の判断は上場維持。四半期報告書の提出が確認されたため、としか発表されてませんが。

13:30の開示

TDnetでの理研ビタミンの開示は13:30に行われました。過去の四半期報告書の訂正等もあるため、開示情報は全部で18本。最初に出てくるのが「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出および過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」で、この中で2021年3月期第1四半期報告書についても提出できることを宣言しています。

「上場維持決定!」と見た投資家が一気に同社株を買い、13:31に1,518円(前日比103円高)まで買われます。

ところが、3本目の開示情報に「過年度の有価証券報告書の訂正報告書に係る監査報告書の監査意見不表明等に関するお知らせ」というのがあって、決算関係書類は提出したものの、監査法人が意見不表明だったということを投資家が理解し始めます。

「ダメじゃん、上場廃止なんじゃないの」と考えた投資家が一斉に売りはじめ、13:40には1,214円まで下がります。わずか9分間で高値から300円下げたことになりますね。

報告書の提出をもって上場維持なのか、監査意見不表明をもって上場廃止なのか、、、。投資家は右往左往したようですが、結局東証の判断を待つしかないという割り切りも出てきたようで、株価の方も前日比ほぼ変わらない1,409円で終わりました。

東証ももう少し、、、

今日もまた多くの投資家が振り回され、大損したと思われます。なんでザラ場中に開示を?同社がどう考えてあの時間に開示したのか分かりません。ただ、この日上場廃止を巡る駆け引きがあったのは同社だけ。東証もあらかじめ同社の動向を探り、開示するなら引け後に、くらいのアドバイス出来たんじゃないでしょうかね。

理研ビタミン 運命の日

サクサホールディングス、ハイアス・アンド・カンパニーの両社は、何とか最終期限までに四半期報告書等を提出。上場廃止を免れました。さて、これらに続く理研ビタミンは本日、10/28が最終期限となります。特別調査委員会の設置が10/7。あまりに時間がなさ過ぎます。

青島福生食品有限公司

7/27~9/23まで特別調査委員会を設置し、中国子会社の青島福生食品におけるエビの加工販売取引の実在性を調査。実在性を確認できなかったという結果が出た直後、またしても青島福生食品における棚卸資産の過大計上の疑義が発覚。同じメンバーからなる特別調査委員会を再度設置という経緯でした。

一回目の調査では、経理の代表や財務部長らが入院だの、資料提出拒否だの、果てはPCに国家機密や共産党委員会に関係する情報が存在する可能性まで持ち出して検査対応を拒否し続けてきた青島福生食品。今回は協力が得られたのでしょうか。

株価はというと

10/27の株価は1,415円の95円高。それも寄り付き直後に1,285円、年初来安値を更新させておいて、その後1,400円台まで一気の買い上がり。明らかに仕掛けている筋がいそうな上げ方ですね。。。もしくは、インサイダーか。

ギリギリのところまでと考えれば、今日もう一日勝負できるわけですから、買いの仕掛けがあってもおかしくはありません。ハイアスと違って報告書提出できれば上場廃止は確実にに回避できますからね。一カ月で1,000円下げてますからそれなりの反発はあるという見立てでしょう。

監理銘柄ってこんなドラマ(最後の二日間の売り方買い方の駆け引き)があるなんてねぇ。知りませんでした。ドラマは今日、もう一日続きます。さてさて、理研ビタミンは上場廃止を回避できるでしょうか。