アジャイルメディア・ネットワーク 役員の不正行為 第三者委員会を設置

アジャイルメディア・ネットワークは5/12、「不適切な会計処理及び支出についての調査による2021年12月期第1四半期決算発表の延期のお知らせ」を公表しました。決算の延期の理由がタイトルを読むだけで理解できます。昨日の明治ホールディングスとは対照的です。

アジャイルメディア・ネットワーク(6573)

アジャイルメディア・ネットワークは、ソーシャルメディアの口コミを分析し、販促や商品開発を支援する企業。他にも、AIカメラによる「密集・発熱・マスク着用」を検知・共有するコロナ対策の独自AIソリューションの提供などもやってるようです。

2007年設立で、2018年に上場したばかりの若い企業。東証マザーズに上場する企業ですが、このところ業績の方は芳しくないようで、2期連続の赤字。5/12時点での株価は547円と低迷しています。

役員の不正

今回の開示で説明されているのは次の通り。

「当社は、監査法人による2021年12月期第1四半期レビュー手続の中で、不適切な会計処理があることを指摘され、その中に不適切な支出が含まれていることを認識しました。この不適切な支出について、当社役員による資金流用の疑義が生じています。」

今のところ情報はこれだけです。第三者委員会を設置して、本件に関する調査を進めていくことを決定しています。この調査に時間を要するため、決算発表を延期したということですね。この開示を受け、5/13の同社株価は、一時480円まで売られました。

「当社役員による資金流用の疑義」とありますが、同社の役員は代表取締役社長と、CFOの取締役1名のみ。常勤監査役1名も役員ではありますが、含めても全部で3人です。お名前は伏せておきます。

東京精密子会社での前社長の不正、コタ株式会社では監査役による不正行為が発覚しており、当ブログでも取り上げました。取締役の不正行為、特に資金の流用のケース、増加しているような気がします。

明治ホールディングス 決算発表を延期 精査が必要な取引とは

明治ホールディングスは5/12、「2021年3月期決算発表延期のお知らせ」を公表しました。決算発表を予定していた当日のドタキャンです。一日でも早めに延期のお知らせ出してあげれば良かったのに。当日のお知らせはないよね。

決算発表の延期

そもそも決算発表というのは、2021年3月期のすべての財務データ等が適切に処理されてこそできるもの。精査が必要な取引があるんだったら、普通はもう少し手前で騒ぎになるものです。明治側にギリギリまで引っ張る理由があったんでしょうか。

まぁ、ネガティブな情報はなかなか経営には上がりにくいもので、決算発表ギリギリになって言ってきた、、、なんてこともないわけではないでしょうが。

これを受けて株価は

決算発表延期のお知らせは13:00にTDnetで公表されました。ここから同社株価はつるべ落とし。6,900円台(前日比プラスゾーン)から6,610円まで急落です。発表される決算数値に対する思惑で相場を張っていた人もいたでしょう。彼らの投げで急落したというのもありそうですね。終値は6690円でした。

精査が必要な取引→不正取引?

決算発表延期の理由を全文引用。「当社では、本日の決算発表に向けて準備を進めてまいりましたが、一部の取引について精査が必要となることが判明いたしました。この精査に一定の時間を要するため、決算発表を延期することといたしました。」

説明はこれだけ。精査が必要な取引って何なん?精査に一定の時間が、、、っていうくらいですから、それなりの取引なんでしょうね。精査の結果を待つしかありませんが、どんな怪しい取引が出てくるんでしょう。

堺化学工業 福島県いわき市 湯本工場において爆発事故

堺化学工業は5/11、「湯本工場の爆発に関するお知らせ(第一報)」を公表しました。5月11日(火)午前7時40分過ぎ、同社の湯本工場(福島県いわき市)において爆発事故が発生したとのこと。協力会社社員4名の方が火傷を負われたということです。

被害の状況

ここ最近伝えられた工場等の火災などでは、人的被害はありませんでしたが、今回は協力会社社員4名の方が火傷を負われたとのこと。全員意識はあるようです。「7:40過ぎ、亜鉛末工場において分級ファンを回そうとした時に異音がし、その後爆発しました。」と説明されています。

「分級ファン」? 調べてみると、粉体の粒度を揃えることを目的に、粒子径によって粉体を分ける操作を粒度分級というそうです。ファンを回して空気流をつくり、重力や、慣性、遠心力の違いなどで粒の大きさをそろえる。ためのファンのようです(例によって自信ないけど)。

12:30 時点でほぼ鎮火したということですが、建屋の側面スレートおよび屋根が破損したみたいです。まぁ、爆発ですからね。

亜鉛末

亜鉛末というのは亜鉛の粉末ですね。人間にとっても必要な栄養素でもありますが、引火性が高く、空気に触れると、自然発火することがあり、火災や爆発を生じることがあるんだそうです。消防法では亜鉛の金属粉は第二類危険物として指定されているみたい。

同工場で扱っていた亜鉛末は、主に防錆塗料に使われる製品だそうです。同社のホームページでも確認できました。「亜鉛末は、粒子径の異なる各種銘柄を取り揃え、船舶・橋梁・タンク等の重防食塗料に使用されています。」、、、だそうです。

被害に遭ったのが全員協力会社の社員。メンテナンスなどの作業中の事故だったんでしょうかね。現時点で分かる情報はここまで。第二報を待ちましょう。

株式会社ヤギ(7460) 決算発表を延期

同社福井支店における原料販売ビジネスの一部に、不適切な取引が2014年頃から行われていた疑義が判明し、外部専門家を含む社内調査委員会を設置していた株式会社ヤギ。約1か月経過後の5/10、「2021年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。

不適切な取引の概要

第一報ではまったくもって不適切な取引の内容が分かりませんでしたが、今回の開示では少しだけ同取引の概要に触れています。以下、開示文書からの引用です。

「当社が加工に関わらない仕入販売取引において、原糸であるにもかかわらず加工糸に偽装された商品の取引(加工糸偽装取引)」及び「仕入品に対し当社が加工を委託するが、加工実態がないにもかかわらず加工完了として偽装されたため、加工糸として販売した取引(架空加工取引)」があったということらしいです。

ん~。業界の基礎知識がないのでよく分かりません。付加価値を乗せた加工糸として販売した先はなぜ(原紙よりも)高い価格で買い取るんでしょうね。販売マージンだとか取りき奨励金みたいなおまけを付けるんでしょうかね。

「架空加工取引」と表現されているので、架空取引という商流に、一応原糸というブツが流通する取引なんでしょうか。すみません、kuniには全く分かりません。やはり調査結果を待つしかなさそうです。

決算発表延期

同社では引き続き本件調査を実施し、全容の解明、連結財務諸表(ならびに同社財務諸表)への影響の検討、原因分析を進めていくとしています。延期後の決算発表日についてはまだ公表していません。

ちなみに、ヤギが決算発表の延期を公表したこの日、他にも片倉コープアグリ、日本アビオニクス、ダントーホールディングスの3社が決算発表の延期を公表しています。いずれも新型コロナの影響によるものです。

脱炭素 46%削減 46%ってなに?

気候変動リーダーズサミットで世界主要国が気候変動対策を表明。日本は「2030年に温室効果ガスを2013年比で46%削減」を表明しました。ここ最近のメディアも、この46%削減を前提とした報道となっています。この中途半端な46%って何なんだろうって、感じますよね。

各国の思惑

政治の世界のことですからねぇ、世界各国に様々な思惑があります。当然自国に有利な展開にもっていきたいわけです。達成(目標)年次を2030年とするのであれば、基準年(発射台)はできるだけ高い年にした方が、削減率は高く見せることができます。

日本の場合は「2013年比」としています。2011年の震災で福島第一原発事故が発生。他の原発も停止し、その穴を埋めたのが石炭火力でした。そのため温室効果ガスの排出量が最も増加したのが2013年辺り。ということで2013年を基準年にしている、ということらしいです。

米国の基準年は2005年、英国に至っては1990年です。どれも自国の削減率が最も大きく示すことのできる基準年を採用しているということなんですね。なので、米国の50%削減、英国の78%削減といっても、単純に比較できないわけです。

46%の根拠

日本の46%の話に戻りましょう。安倍晋三元首相は、2015年6月のG7において、2013年比で26%削減する目標案を表明しています。この従来案に少なくとも20%は上乗せしないと、、、ということでこの数字に落ち着いたようです。

ちなみに、従来の基準年は2005年だったようで、原発事故の影響でデータが悪化した2013年に基準年を変更(発射台をより高く)することで、2015年の26%削減に現実味を持たせたというわけです。産業界との折り合いをつけるためとはいえ、、、なんだかなぁ、って話です。