ネットワンシステムズ 元従業員2名が警視庁に逮捕

ネットワンシステムズは6/7、「当社元従業員の逮捕について」を公表しました。当ブログでも散々取り上げてきた従業員の不正取引。2名がそれぞれ警視庁に逮捕されています。この件は同日の日本経済新聞の朝刊で取り上げられていました。ネットワンの公表はこれより遅れて10:30でした。

日経の記事

日経によると、事業と無関係な業務の外注費約2億円を支払わせたとして、警視庁捜査2課は6日、元社員のS容疑者(50)を背任の疑いで逮捕しました。また、同社に対する詐欺罪で起訴されていた元社員、M被告(42)が約4億7千万円を詐取した疑いも新たに判明し、M被告を詐欺容疑で再逮捕したとのこと。

同じ会社で二人の犯罪者が出てしまうのもビックリですが、職場まで同じ人たちですからね、この二人。S容疑者は「(会社のために)リスク費を積み立てていた」などと、自らの利得を否定する趣旨の供述をしているそうで、M容疑者は容疑について黙秘しているんだとか。

彼らがどんなことをしてきたかの詳細についてはもう書きません。過去記事をご覧になっていただければと思います。「ネットワン」で検索していただけば、沢山出てくると思います。

日経の記事では、「M容疑者が20年に公表された不正経理にも関与していたとみて捜査を進めている。」となっていましたから、例の架空循環取引に関してはまだ捜査中ということのようです。

架空循環取引

調査報告書やこの取引に加担した各企業が、揃って「ネットワンに巻き込まれただけ」としていたわけですが、ここにも警察が。本当にみんな被害者だったのか、警察はどういう結論を出すんでしょうかね。東芝ITサービス、日鉄ソリューションズ、富士電機ITソリューション、みずほ東芝リース、ダイワボウ情報システムなどなど、もう捜査の手は及んでるんでしょうか。

日東電工 連結子会社で情報漏洩 日東電工は公表せず

日東電工の連結子会社の株式会社ニトムズは5/12、「個人情報等の漏えいに関するお詫び」を公表しました。非上場会社ですので、同社ホームページだけでの公表です。外部業者を装ったメールへの同社従業員によるアクセスにより、、、としていますからフィッシング被害ですね。

情報漏洩の概要

4/30、同社従業員の会社貸与のスマートフォンに外部業者を装ったSMSが届き、従業員がSMSを開封し、アカウント・パスワードを入力。その後、スマートフォンのサービス通知により、第三者による不正アクセスが行われたことが判明したといいます。

漏えいした可能性のある情報は、同社の取引先担当者の会社名、氏名、電話番号(一部メールアドレスを含む)や名刺情報だそうです。個人情報等が漏えいした可能性がある取引先担当者には、個別にお詫びと説明をしているとしています。

気になるところ

5/12には個人情報保護委員会にも報告していますし、問合せ対応等についてもそつなく実施できています。ところがここで気になるのが、親会社の日東電工の対応です。適時開示はおろか、同社ホームページでの公表もしていません。そのため、kuniも1か月近く気付きませんでした。

日東電工の有価証券報告書で見る限り、ニトムズは日東電工の100%子会社です。連結子会社に関する親会社としてのガバナンスが問われはしないのでしょうか。新型コロナ感染者発生のお知らせは、グループ会社も含めてかなり力を入れて発信されてますが、情報漏洩に関してはあまり興味がないのでしょうか。

事故物件の告知 国が不動産契約で指針案

5/30付の日本経済新聞に、「事故物件の告知、病死は不要に 国が不動産契約で指針案」という記事がありました。国土交通省が、入居者らが死亡した「事故物件」について、不動産業者が売買、賃貸の契約者に告知すべき対象をまとめた初めての指針案を公表したとのこと。

指針の概要

事故物件は宅地建物取引業法で告知の必要があるそうですが、明確なルールがなく具体的な扱いは業者の判断に委ねられていたんだそうです。だから、住んでみて事故物件が分かってもめ事に、なんてのをよく聞くわけですね。

指針案の概要は、住んでいた人が、病気や老衰、転倒事故により死亡した場合は告知の対象外。殺人や自殺、火災による死亡は告知すべきだとしています。また、賃貸物件は発生から3年経過すれば告知は不要。ちなみに、売買物件は参考ケースが少ないため、期間を当面限定しないとのこと。

病死を告知の対象に含めると、単身高齢者の入居受け入れに影響することにも配慮したということ。確かにおっしゃる通りだと思います。上手く整理され、考え方が明示されましたが、指針ですので強制力はありません。

パブリックコメント

日経で、「6月18日まで一般から意見を募った上で決定する」と書かれてましたので、パブリックコメントを覗いてみました。ありました。当該指針案の正式な名称は、「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」です。相変らず長いタイトル。

読んでみて気になったこと。「宅地建物取引業者が本ガイドラインに基づく対応を行った場合であっても、当該宅地建物取引業者が民事上の責任を回避できるものではないことに留意」。とあります。

つまり、ガイドラインに告知不要と整理されていたとしても、もし訴訟になればガイドラインが助けてくれるわけではないと。これだからガイドラインってヤツは扱いにくいんですよね。良い業者はより幅広に告知せざるをえません。

ひらまつ 2021年3月期決算発表

高級フレンチのひらまつは5/28、2021年3月期の決算を発表しました。売上高が前期比-36.6%、最終利益も41億円の赤字。新型コロナの影響をもろに受けた格好で、非常に気の毒な数字となりました。

創業者との問題

当ブログでも取り上げてきたように、同社は創業者である平松氏との間ですったもんだし、ようやくこの問題が片付いたのが今年3/2でした。その直後の3/21には緊急事態宣言も解除され、事業環境が一気に好転するかと期待されました。

が、しかし、4/25には再び緊急事態宣言が発出され、その後5/11までとされていた期間が延期され、6/20までということになっています。創業者とコロナでかなり痛い目に遭ってますね。

ひらまつの事業

高級フレンチのひらまつ、と当ブログでも紹介してきましたが、事業内容を見るとこれまた同情してしまいます。同社が短信等で公表しているセグメントとはちょっと違いますが、大きく見て3つの事業からなっています。

主力はレストラン事業。続いてブライダル事業。そしてホテル事業です。外食業界がどういう状況になっているか、今さら説明は要らないでしょう。フライダル業界も同様。5月末にはワタベウェディングが他社に飲み込まれて上場廃止となりました。ホテル業界にしても同様。

主力のレストラン事業から事業展開した他の事業もことごとくコロナの影響を大きく受ける事業ばかり。そこで第4の柱として、「テイクアウトやデリバリー、EC、百貨店等でのインショップ販売、法人営業など、新しい販売チャネルの開拓を行っていく」とのことです。

ん~、これもどうなんでしょう。「高級」が売り物の同社だけに、こうした販売チャネルが伸びるのか。まぁ、世の中にはお金持ち沢山いらっしゃるんで、これもありなんでしょうかね。

大黒屋 役員退職慰労金制度を導入

大黒屋ホールディングスは5/28、「役員退職慰労金制度導入に関するお知らせ」を公表しました。同日の取締役会で決議済み、6月29日開催予定の同社第112期定時株主総会に付議することにしたとのこと。

大黒屋

大黒屋ホールディングスはご存知の通り、バッグ、時計、宝飾品など中古ブランド品の買取と販売を手掛ける東証2部上場会社です。意外なところでは、防爆型照明器具などの製造・販売もやってるようです。

役員退職慰労金制度

以前一度、当ブログでも役員退職慰労金制度を取り上げました。その時は、役員退職慰労金制度の廃止を決定する企業が、最近目立ってきました、というお話でした。そんな指摘をしたところに、同制度の導入の話題が出てきたわけです。

試しにTDnetで5月一カ月間分の開示情報を検索してみると、役員退職慰労金制度の廃止を公表した企業は12社ありました(4月もたしか5社が表明していました)。一方、新たに導入する企業は大黒屋のみです。なかなかのチャレンジャーですね。

「役員報酬制度の見直しの一環として、後払い的要素が強い本制度を廃止し、業績との連動性を高めた報酬制度設計へ移行する」というのが、各社の説明。時代の趨勢と言ってもいいでしょう。そんな中、なぜ故逆行しようとしているんでしょうね。

株価

同社の株価は40円台。今期は黒字を予想しているようですが、前期までは5期連続の赤字(日経で確認できる範囲で)で、当然無配継続中です。株価は低迷、配当もなし。株主が現経営陣を評価しているとは思えません。

そうした状況で、現役員たちが退職する際に退職慰労金をもらう制度の導入とは、、、。会社の残り少ない資産を持ち逃げされるようには映りませんかね。株主総会はかなり荒れそうです。