MRT株式会社 自己株式の取得? 中止?

MRTは2/24(16:30)、「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」を公表しました。が、しかし同日の22:30、「自己株式取得の中止に関するお知らせ」も公表。なに?って感じです。わずか6時間で前言撤回という事態に。

MRT株式会社

MRTはインターネットを活用した医療人材紹介を展開する企業。東京大学医学部附属病院の医師の互助組織を母体としてスタート。医師を中心とする医療分野の人材ネットワークを強みとして事業基盤を確立してきました。2014年に東証マザーズ上場を果たしています。

適時開示の内容

16:30 「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」を公表。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行、資本効率の向上及び株主還元を図るため、自己株式を取得するもの。と説明されていました。

22:30 世界経済の混乱が長期化されるおそれがある中で、医療を支えるための事業資金の確保など諸般の事情を総合的に勘案し、再度開催した本日の取締役会で自己株式の取得を中止することとした。と説明されています。

ロシアのウクライナ侵攻

前言撤回の背景は、ロシアがウクライナへ侵攻したことが伝わってきての政策変更なんでしょうね。経営の動揺が伝わってきますが、この事態は十分に予想できた展開。そもそもなぜあのタイミングで自己株式取得を公表したのかって感じです。

コロナの影響で需要が急拡大し、これを材料に今年9月には同社株価は2,400円台まで買われていたものの、この2/24にはとうとう1,000円割れに。この株価低迷を何とかするために自己株式の取得を決めたけど、、、。直後にウクライナ侵攻。経営陣はみなお医者さんなんで、マーケットでの駆け引きなどとは無縁だったんでしょうね。ちょっと不細工でした。

株式会社ストリーム 時間外労働で地裁が賠償命令

2/24付け日本経済新聞の記事に、「残業労働223時間、地裁が賠償命令 ネット通販企業に」というのがありました。このネット通販企業というのは通販サイト「ECカレント」などを運営しているストリームという会社です。

株式会社ストリーム

ストリームは家電、PCなどのインターネット通販事業の売上高が全体の約9割を占める企業。ビューティー&ヘルスケア事業、その他事業も手掛けています。東証2部上場企業で、ヤマダホールディングスの持分法適用関連会社ですね。

事案の概要

ストリームの物流センターで働いていた仙台市の40代男性が、1カ月223時間超の時間外労働でうつ病を発症したとして、約6,887万円の損害賠償を求めた訴訟の判決。東京地裁は2/22、安全配慮義務に違反したと認め、同社に約2,425万円の支払いを命じました。

男性は2010年に入社し、さいたま市の物流センターに勤務していた13年11月に147時間超、翌12月には223時間超の時間外労働に従事し、14年2月ごろ、うつ病を発症。その後退職して労災認定を受けていました。かなりブラックですね。

相場操縦事件も

「ECカレント」というサイトはよく知ってましたが、ストリームという会社については知りませんでした。調べていると、同社では「株価操縦容疑で元社長が逮捕へ」、なんて記事が出てきました。インサイダーでもあるのかな。他にも金融ブローカーみたいな人達が絡んでいたようです。逮捕者6人とか。

この株価操縦が行われていたのも、2014年の夏ごろみたいです。株価操縦やらに関与していた経営陣の下で、従業員は擦り減っていってたんですね。ストリームの現在株価は120円台。その後も経営はうまくいってないようです。

グレイステクノロジー 証券取引等監視委員会が課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は2/22、「グレイステクノロジー株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付及び訂正報告書の提出命令勧告について」を公表しました。グレイステクノロジーに2,400万円の課徴金納付命令と訂正報告書の提出命令を出すよう金融庁に勧告しました。

おさらい

東証1部上場で、産業機械のマニュアル作成を手がける同社。2016年3月期~21年3月期に、発注書や受領書を偽造するなどして、架空の売り上げを計上。計約12億6千万円の利益を水増ししていました。この影響で四半期報告書を提出期限内に提出できなかったとして、2月末での上場廃止が決まっています。

課徴金納付命令

こうしたことを受け、架空売り上げの計上など粉飾決算があったとして、金融商品取引法違反容疑で、課徴金2,400万円の納付と、有価証券報告書などの訂正報告書の提出をさせるよう金融庁に勧告しました。金融庁も近く処分を確定すると思われます。

2,400万円って、そんな小さな金額で済ませちゃうの?という疑問を持った方も多いと思います。ただ現在の金商法ではこれが限界。法に定める金額どおりです。

株主は

国庫に納めさせる金額は上記のとおりですが、問題は粉飾決算が原因で損失を被ることとなった投資家(株主)です。2020年末辺りでは4,000円以上に買われていた同社株。昨日の終値はわずか20円。1,000株を400万円以上で買った投資家の現在の評価額は2万円です。

これに関しては経営陣の不法行為を問う株主代表訴訟などで戦っていくことになります。株式投資にはリスクがつきものですが、粉飾決算は論外。経営陣や取引所、主幹事証券や監査法人の責任追及がこれから始まります。

株式会社ハイパー 会計不正か

株式会社ハイパーは2/14、「2021年12月期決算発表の延期及び特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。同日の決算発表に向けて準備を進めるなか、一部の取引において、不適切な売上処理が行われていた疑いがあることが判明したとのこと。

ハイパー

ハイパーは、法人顧客向けに、コンピュータなどのOA機器販売と保守サービスの提供を中核に、アスクルが取り扱う事務用品の代理店業務を運営する、東京日本橋に本社を置く東証1部上場企業です。1部らしいけど、初めて聞く社名でした。代表取締役社長は女性なんですね。

事案の概要

この開示では冒頭に書いたように、「決算発表に向けて準備を進めるなか、一部の取引において、不適切な売上処理が行われていた疑いがある」としか説明されておらず、詳しいことが一切分かりません。

少なくともこの疑いに関する精査には一定期間を要するとしていて、そのため決算発表を延期し、特別調査委員会を設置するとしています。

2/18には「特別調査委員会の委員選出に関するお知らせ」も公表されましたが、事案についてはやはり2/14の開示の表現のままです。客観性、独立性の高い正確な調査を委嘱するための委員を選出したとしています。

しかし、ここまで客観性、独立性にこだわった委員会を設置しなければならないという展開になっているということは、それなりの不正を把握してると思うんですよね。現時点で判明していることを開示するべきだと思うんですが。。。

商船三井 自動車運搬船で火災事故

商船三井は2/17、自動車運搬船“FELICITY ACE” にて火災が発生し、乗組員が総員退避したことを公表しました。しかし、これはあくまで同社ホームページ上だけの公表で、適時開示は行っていません。

事故の概要

火災を起こした貨物船はパナマ船籍の自動車運搬船「フェリシティエース」(全長200メートル)で、商船三井が所有・運航。ドイツを出港し、米国に向かっていました。16日午前9時半ごろ、ポルトガルのアゾレス諸島沖で出火。乗組員が避難したため、船は制御できない状況に。つまり漂流中。

船には高級車のベントレー約200台や、ポルシェ約1100台のほか、フォルクスワーゲンやアウディ、ランボルギーニといった自動車など、約4000台の車が積まれているようです。乗組員22人は避難し、全員無事とのこと。

何で開示しないの

商船三井をはじめとした海運株は、業績絶好調。期末の大幅増配なども伝えられ、株価は大きく値上がりしています(それでも割安な業種ですが)。こうした好業績や増配についてはもちろん適時開示されています。一方で、火災事故についてはなし。

事故が発生した翌日にはホームページで公表していますが、その翌日2/18には株価は2月の高値近辺まで買われました。で、報道が事故を取り上げた後、2/21には株価は急落。事故のことを知らずに、期末の配当目当てで高値を掴んだ投資家もいたりしそうです。

なんで適時開示しないんでしょうね。会社にとって都合のよくない情報はできるだけ抑えておく。こういう発想してちゃダメでしょ。と、思うのですが。