日立物流 物流センター火災 放火犯逮捕

日立物流は1/15、「火災発生に関するお知らせ(第九報)」を公表しました。昨年11月29日に発生し、ほぼ4日間燃え続けて約38,000平方メートルを焼損してしまった火災事故。火の気がなさそうなところで、ひょっとして、とは思ってましたが、やはり放火でした。

身内による放火

日立物流西日本が契約している人材派遣会社の社員による放火だったそうです。容疑者は1/15に逮捕されたとのこと。派遣社員とはいえ、身内の犯行。当初は同社のホームページで公表されたのみ。適時開示は1/17になってから行っています。

犯行が発生した理由

容疑者は大阪府内に住む派遣社員の少年19歳だそうです。現住建造物等放火の疑いで逮捕されました。少年は当時、同倉庫で働いており、1階に置いていた段ボール製の荷台に、「ターボライターで火を付けた」、と容疑を認めているといいます。

同社が入る大阪市西淀川区の別の倉庫でも、今月14日に火災があり、現場にいた少年が、二つの倉庫への放火を認めたということです。

犯行理由について少年は、「同僚から暴行を受けて一緒に働きたくなかったので火を付けた」と供述しているようです。暴行?、ってどんな程度だか分かりませんが、他の従業員によるパワハラがあったとしたら、十分な調査と開示をする必要がありそうです。

日立物流はメディアに対しては、「暴行の事実は把握しておらず、事実関係を調査する」とコメントしているようですが、17日の適時開示においても調査委員会の設置等については触れていません。従業員教育など、ガバナンスの課題として跳ね返ってきそうな事件。しっかりと調査してもらいましょう。

神東塗料 水道管塗料の認証不正 影響が拡大

神東塗料は1/14、「特別調査委員会の設置及び当社製の一部製品に係る第三者認証マークの使用停止等について」を公表しました。鋳鉄製の水道管に使われる合成樹脂塗料で試験データを改ざんし、不正に認証を取得して製造出荷していた件ですね。

影響が拡大中

特別調査委員会の設置を決定しましたね。また、日本水道協会から同社製水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料(管用)に係る認証に関し、認証の一時停止及び認証マークの使用禁止の通知を受けています。さらに、認証マーク等を表示している当該認証製品であって、該当する審査基準に適合していないものを出荷しないこと等について請求を受けたということです。当然の流れですね。

水道管製造企業も

同社の塗料を使用してきた水道管企業からもお知らせが相次いでいます。水道管大手のクボタに続き、栗本鉄工所と日本鋳鉄管が14日までにダクタイル鋳鉄管の出荷を停止した旨を公表しています。未上場企業ではコスモ工機株式会社という企業も出荷を停止したようです。

2019年度に敷設された水道管のうち、ダクタイル鋳鉄管は半分以上を占めるんだそうです。で、そのほぼ全量の出荷をクボタ、栗本鉄工所、日本鋳鉄管がまかなっているみたい。

自治体等も

自治体でもやはり工事の停止を始めたようで、予想通りかなりのインパクトある事件に発展してきています。水道管の更新工事はいうまでもなく公共工事です。3月末、いわゆる年度末に工事量が増加すると思われますが、まさにそのタイミングでの工事停止。

工事が止まっている間に老朽化した水道管が災害等で壊れ、大規模な断水が発生。なんてことにならなければ良いのですが。

続く半導体関連企業の工場火災等 ASML

先日、ラサ工業 三本木工場での爆発事故について取り上げました。またしても半導体関連の工場の被災。幸い大事には至りませんでしたが、海外に目を移すと他にも同様の半導体関連企業の被災が出ているみたいです。

ASMLの部品製造子会社で火災

ASMLは、オランダ南部に本部を置く半導体製造装置メーカー。半導体露光装置(ステッパー、フォトリソグラフィ装置)を販売する世界最大の会社で、16カ国に60以上の拠点を有し、世界中の主な半導体メーカーの80%以上がASMLの顧客だそうです。

そのASMLでは、1/2、独ベルリンの部品製造子会社の工場の一部で火災が発生したと発表。ASMLによると、ASML Berlinはウェハテーブルとクランプ、レチクルチャック、ミラーブロックなど、ASMLのリソグラフィシステム用の各種コンポーネントを製造している子会社だそうです。

今回の火災の影響で、もしこれらのコンポーネントが損傷していることとなれば、ASMLの手掛ける露光装置の出荷が遅れ、世界的な半導体不足がさらに深刻化するとの懸念が広がっているようです。

台湾でも地震で

半導体、特にDRAM等の製造産業が集積する台湾では、1/3、東海岸沖を震源地としてマグニチュード6.0前後の地震が発生しました。今のところ同産業に対する大きな影響は確認されていないようですが、なんとも物騒な災害が続いています。

他にも、2月に開催される北京オリンピックに向け、なんとしてでも成功に導きたいがゆえ、オミクロン株感染拡大に伴う一部の都市でのロックダウンが発生。その都市での半導体メモリの生産が影響を受けはじめているなんて話も。

去年からマジでこんな話ばかりです。オリンピック開催のための中国の政策、結構サプライチェーンに影響あるかもですね。

グレイステクノロジー 架空売上や架空外注費で利益操作

グレイステクノロジーは1/14、「特別調査委員会による調査の継続、2022年3月期第2四半期報告書の提出遅延及び当社株式の監理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ」を公表しました。昨年11月から不適切な会計処理を調査していた特別調査委員会でしたが、、、。

調査委員会の中間報告

同社は会計処理の適切性につき外部からの指摘を受け、事実経緯の確認のために社内調査を進めた結果、一部の取引について会計処理の適切性に疑念があることを認識しました。これを受け、利害関係を有しない外部の専門家で構成される特別調査委員会を設置したんでしたね。

で、もともとこの1月中旬に調査結果を得る予定だったんですが、残念ながらよりマズい不正が出てきてしまって、今回は中間報告にとどまってしまったという流れ。

調査の過程で、①架空売上を計上し、その架空取引に係る売掛金を当社役職員の自己資金を用いて仮装入金等していたこと、②売上の前倒計上をしていたこと、③利益操作目的で架空外注費を計上していたこと、④これらを実現する手段として偽装工作している状況が多数発見されたといいます。

最も致命的なのが、これらを主導したのが経営そのものであること。調査委員会からは、「元代表取締役及び元取締役が関与する重大な経営者不正が発見された」との報告がありました、と綴られています。

株価急落が示していた

11月に不適切な会計処理を公表した直後、二日間で株価が半分になってしまいました。不祥事発覚で株価は下げますが、ここまで強烈な下げは珍しい。前回取り上げた際も書きました。やはり上記のような最悪の不正が行われていたというわけです。EduLab(エデュラボ)級の衝撃です。

ラサ工業 三本木工場で爆発事故(その2)

ラサ工業は1/13、「三本木工場における爆発事故に関するお知らせ(第3報)」を公表しました。消防、警察、労働基準監督署による合同実況見分が行われたのち、同日より同社による被害状況の調査が開始されたということです。

事故の概要

1/6午前8時50分ごろ、高純度赤燐工場の原料黄燐中の不純物を除去精製する工程において、熱暴走反応によると思われる爆発が生じたということです。爆発により飛散した黄燐の自然発火により、しばらくして制御盤及び制御盤に接続する電線の一部が燃焼しました。

高純度赤燐の原料となるのが黄燐なんですか。ふーん、よく分かりません。事故発生2時間半後には、飛散した黄燐の自然発火が無いことを確認し、消防による放水により制御盤等の火災は直ちに鎮火したそうです。被害はそう大きくなかったんですかね。

被害の状況

消防他の実況見分終了後、同社による被害状況確認の許可が出たため、13日より被害状況の調査をはじめとした復旧に向けた調査を開始したとのこと。人的被害については、第1報では「負傷者 1名(当社社員)」となっていましたが、今回は「負傷者2名(当社社員)。(現在、1名は火傷により入院中。軽症者1名は、通院後業務に復帰」と修正されました。

高純度赤燐以外の製品の供給に与える影響はなく、製品在庫への影響も軽微だったとのこと。1/17より出荷可能な製品在庫を順次出荷再開する予定だそうです。高純度赤燐は、半導体デバイスの製造に必要な原料。大事に至らなくて良かったですね。