カメは老化しないのか

日本経済新聞は7/17、「『老化』知らぬカメの一群 生物の宿命ではない可能性」という記事を掲載しました。当ブログではあまり取り上げたことのないサイエンスの世界の話題。生きとし生けるもの、必ず老いていくもの。と習って、それを疑ったことなどありませんでしたが・・・。

老化 の定義によるのだろうけど

日経によると、「老化は自然の摂理で、生物の宿命ともいえる。ところが、その運命から逃れ、老化とはほとんど縁の無いカメの一群が見つかった。生物の新たな側面に光を当てる発見に、生き物好きの間ではカメの話題で持ちきり」なんだそう。世界から1200以上の動物園や水族館が関わる非営利組織「スピーシーズ360」という機関がそう唱えているらしいです。

カメでも加齢で死亡リスクは上がるようですが、極めて遅くて傾向がつかみにくいとのこと。「特定の年齢間隔でみると死ぬ割合は同じ」。事実上、老化はないということです。一般の生物は大人になると成長をやめます。繁殖にエネルギーを注ぐため。それと引き換えに体内で傷んだ細胞の修復作業がおろそかになり、老化が進むのですが、カメは成熟しても成長が止まらないと。

で、結局

記事では老化が認められないとする説を肯定的に捉えているものの、「老化しない」とも言い切っていません。読み進めていくと「生物の宿命ではない可能性」については少々希薄化していく感じ。

日本には「鶴は千年、亀は万年」などと言いますよね。動物の中で、寿命が長いとされる鶴と亀が代表として、めでたい物の象徴になっているわけです。もともと寿命がメチャ長い亀のことだから、現代人が持っているデータでは老化が測り切れなかった。ってだけの話のような気もします。

が、それでも老化と無縁な生物がいて、人類の不老不死を実現する手掛かりになるんだとすれば、、、という夢を持つのも悪くないですね。長生きが幸せかどうかはともかく。

またしてもスシロー 一部店舗で「生ビール半額」を誤掲示

景品表示法違反(おとり広告)で再発防止を求める措置命令を受けたスシロー。今度は7/14、「7月13日からの 何杯飲んでも「生ビールジョッキ」半額キャンペーンに関するお詫びと再発防止策等のお知らせ」を公表しました。続きますねぇ、不祥事。

おさらい

先月には、実際には購入できない商品を購入できるかのように表示した「おとり広告」に当たると判断し、公正取引委員会がスシローを運営するあきんどスシローに対して措置命令を発出しました。これに対してはもちろん真摯に受け止め、再発防止に努めるとのコメント。

さらに、事件を受け、親会社の社長をはじめ取締役3名について、7月からの3カ月間、役員報酬の減額を決定したことも開示しています。その際に調査結果報告においてちょっと気になったのが、「キャンペーン商品の欠品に対するクレームがあったにもかかわらず事態を放置していた」という指摘です。

現場を知る

つまり、現場で起きていることや顧客からの意見やクレームといった、ビジネスで最も重要な情報が経営層に届いていなかったという点です。いろいろな不祥事を見てきましたが、その真因のほとんどがこれなんですね。経営と現場の乖離です。

そして、やはり、今回のような事件が発生したわけです。これも発生原因は同じ部分だと思います。キャンペーンの告知を(現場が)行うタイミングや、告知の中で顧客に誤認を与えないための配慮といった、現場感覚の欠如が真因だと思われます。

こういうふうに進めていくと現場で何が起きそうか。顧客はどう感じるだろうか。こんなことすら事前に検討できない経営層。この会社かなりマズいことになってるような気がします。

マニュライフ生命保険株式会社 金融庁の行政処分

金融庁は7/14、「マニュライフ生命保険株式会社に対する行政処分について」を公表しました。行きすぎた節税が問題となっていた「節税保険」を巡り、マニュライフ生命保険に対して、保険業法に基づく業務改善命令を出したという発表ですね。

マニュライフ生命保険

マニュライフ生命保険は、東京都新宿区に本社を置き生命保険業を営む企業です。カナダに本拠を置き、主にカナダ、米国、アジアを中心に事業を展開する大手金融サービス業マニュライフ・ファイナンシャルグループに属しています。同社はカナダの国策として設立された会社と説明されることがしばしばあるそうです。

行き過ぎた節税

問題視されたのは「名義変更プラン」と呼ばれる商品です。解約時の返金率が低いうちに契約者の名義を法人から個人へ変更し、返金率が高くなった時期に解約し、通常の所得より税負担が軽い「一時所得」として返戻金を受け取る仕組みなんだそうです。

万一の事態に備える保険本来の趣旨を逸脱した、商品開発や募集活動が繰り返されていたといいます。マニュライフ生命の前最高経営責任者(CEO)をはじめとする旧経営陣が主導し、「名義変更プラン」を開発・推進していたと指摘しています。

やはり外資系

生保各社はこれまで税制上の抜け穴を探し、企業経営者向けに節税保険を開発しては潰されるということを繰り返してきました。もちろんその他の生保も似たようなものだと思いますが、最後まで推進していたマニュライフが処分の対象になったということでしょう。

保険のことはあまり詳しくないけど、外資系って行政の注意喚起や指導に対して、そう簡単に言うことを聞きません。コンプラそっちのけで期間利益を稼ぎまくり、当局に刺されるときには主導者は転職済み。金融の世界ではよく見る光景です。

コスモエネルギーホールディングス株式会社 不適正検査

コスモエネルギーホールディングスは7/13、「当社グループの一部製品における不適正な検査について」を公表しました。5月に出光興産の子会社で品質検査での不正行為が判明したことから、コスモでも調査をしたところ、今回の不正が明らかになったということのようです。

コスモエネルギーホールディングス

コスモエネルギーホールディングスは純粋持株会社で、傘下に、「コスモエネルギー開発」(資源開発)、「コスモ石油」(石油製品供給)、「コスモ石油マーケティング」(石油製品販売)の中核3事業会社を抱える企業。大手石油元売りで、もちろん東証プライム市場上場企業です。

不正の概要

今年5月から社内調査を行っていた中、「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」、「JIS規格」、ならびに取引先との取り決め等に則った試験・検査項目を、適正に実施していなかった事実が判明したということです。

不正が行われていたのは、コスモ石油株式会社、コスモ松山石油株式会社、コスモ石油ルブリカンツ株式会社の3社の製油所や石油化学製品の工場です。コスモ石油なんかは子会社といっても本体みたいなものですよね。ガソリンや重油など18品目の品質検査で不正行為が判明しています。

品確法、JIS規格、顧客との取り決めに違反している検査不正ということで、出光子会社の昭和四日市石油のケースとほぼ同じです。っていうか、他社で出てきた事例について、自社グループ内を調査したというのが本音ですかね。

出光興産同様、調査委員会を設置して調査、ということになりそうです。他社の問題を見てすぐさま自社の点検をしたというところは評価できます。しかし、この問題、まだまだ同業他社へ波及していきそうです。

株式会社サンドラッグ 不正アクセスにより情報流出

株式会社サンドラッグは7/12、「サンドラッグ e-shop 本店及びサンドラッグお客様サイトへの不正ログインについてのお詫びとお知らせ」を公表しました。海外の IPアドレスからの不正アクセスを受け、不正にログイン、一部会員については会員情報が閲覧された可能性があるということです。

株式会社サンドラッグ

サンドラッグは、「サンドラッグ」などのドラッグストアを全国規模で展開する大手小売チェーンです。ドラッグストアは首都圏中心。国道などの幹線道路沿いに建つ郊外型店舗と駅前型店舗の2タイプを主に展開しています。売上高でみると、ウエルシアHD、ツルハHD、コスモス薬品に続く、業界第4位の企業ですね。

不正アクセスの概要

今回行われた不正ログインの手法は、他社サービスから流出した可能性のあるユーザ ID・パスワードを利用した「リスト型アカウントハッキング(リスト型攻撃)」の手法で行われていると推測しているということです。狙われたサイトは「サンドラッグ e-shop 本店」及び、「サンドラッグお客様サイト」だそうです。

7/9~7/11の間に、19,057件の顧客アカウントに不正アクセスがありました。閲覧された可能性がある会員情報は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、生年月日、購入履歴、現在の保有ポイントなど。クレジットカード情報は、カード番号頭6桁及び下2桁のみ。

顧客が他社での取引で使用しているIDやパスワードを使いまわしていると、簡単に本人になりすましてアクセスされてしまうんですね。パスワードの使い回し、、、これだけ多くのネットサービスを使用していると、ついつい使いまわしてしまう気持ちはよく分かります。けど、こういうことが起きるんです。気を付けましょうね。