株式会社ジェイホールディングス 連結子会社取締役があるはずのない株式を売却

株式会社ジェイホールディングスは4/24、「錯誤による募集新株予約権(有償ストックオプション)の行使過誤に関するお知らせ」を公表しました。錯誤による過誤とはまた、小難しいタイトルですね。誤解によりやっちまいました、、、って意味ですね。

株式会社ジェイホールディングス

ジェイホールディングスは、スポーツ、不動産、Web、太陽光、環境ソリューションの5事業を営む企業です。2021年12月期は売上高の6分の1強を横浜マリノス向けが占めたんだそう。1993年に設立されて以降、ここまでで社名が5回も変わってます。あんまり上手くいってる会社じゃなさそうです。

事案の概要

同社は役職員や連結子会社の役員向けにストックオプションを発行しており、その行使条件は、「同社普通株式の取引終値が一度でも 500円以上となった場合にのみ、本ストックオプションを行使できる」というもの。「取引終値」ね。

同社株式は4/7に一時501円まで買われましたが、残念ながら終値は478円。つまりストックオプションは行使できないわけですが、子会社役員はこれを誤認して行使(株券にする)を申請し、同社の裏方もこれを受けてしまったということです。

結果的に4/14、この株式を市場取引にて1株当たり 340円で売却してしまったとのこと。しかし、まぁ、なんでこんな初歩的なというか、笑い話みたいなミスが発生するんでしょうね。事業活動に資源を最大限に投入し、稼ぐことは否定しないけど、その前に最低限のルールを守る態勢がね、必要なんですよ。

回転寿司業界 はま寿司でも不祥事が発覚

少し前の話になりますが、はま寿司は3/30、「はま寿司に関する一部報道について」を公表。続いて4/7、「はま寿司に関する一部報道について<続報>」を公表しました。不祥事相次ぐ回転寿司業界のはま寿司では、一部の店舗で自社で定める使用期限が切れた食材を顧客に提供していました。

回転寿司業界の不祥事

業界1位のスシローでは、メバチマグロの代わりに、仕入れ値が安いキハダマグロを提供していたという不正が公表されました。ウニやカニの在庫がない店があるのに宣伝を続ける「おとり広告」や、生ビール半額キャンペーンの広告を一部の店で開始前に掲示していたという問題もありましたね。

元気寿司では、新店舗の建設工事に関連して、工事の架空発注や架空の仲介手数料の支払いを通じた取引先からのキックバックがおこなわれていた、なんて不正もありましたし。さらに、かっぱ寿司の社長が、同業他社(はま寿司)の営業秘密を不正に持ち出した疑いで逮捕され、辞任という事件も。

この事件ではかっぱ寿司がやり玉にあがりましたが、不正行為を行ったのは元はま寿司親会社の役員。はま寿司でもいずれ不祥事が出てくるだろうな、と思わせる事件でした。

一部報道により開示

今回のはま寿司の使用期限切れの食材提供については、3月末に文春が報じたことで始まりました。しかし、はま寿司のその後の開示によると、2/3にゼンショーホールディングス(同社の親会社)の内部通報窓口宛てに、通報があったことで同社として認識。その1週間後には、郡山保健所が事前告知なく立ち入り検査を実施しています。

つまり、自社で認識、立ち入り検査まで受けたにもかかわらず、文春にすっぱ抜かれるまで1ヶ月半以上隠していたということになります。その後の開示もスッキリしなくて、、、はま寿司、まだ他にも問題が出てきそうな感じです。

株式会社 きょくとう 雇用調整助成金に関する特別調査委員会の調査結果

株式会社 きょくとうは4/19、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。同社の受給した雇用調整助成金について、支給申請の一部に精査が必要となる疑義が発生したというものでした。約1ヶ月半の調査を経て結果が公表されています。

調査結果の概要

同社が申請した新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例としての雇用調整助成金に関して、福岡労働局は全6項目を指摘していました。調査委員会ではそのうち3項目について、単なる過誤等ではなく、少なくとも担当者レベルにおいては、不適切な申請であると認定しています。

これらの不適切ないしは不正な申請について、会社上層部(取締役)の関与が存在したのか、についても検証されていて、特に前社長とB取締役について言及しています。

結論としては、前社長については、「不適切・不正な申請に対し関与があったと認定するに足る証拠はない」とのこと。一方のB取締役については、「一定の認識があったことが疑われる」とか、「決裁者として、管理本部長としての役割を果たしていなかったと評されてもやむを得ないものであり、同人の問題は大きい」としています。

読者からのコメント

実はこの辺りの事情については、当ブログの読者の方からコメントをいただきました。「この会社のB取締役が黒幕です。昔からブラック企業ですからね。元社員ですけどB取締役は悪い奴です」と、かなり生々しいコメントです。この方はすでに退職されているようですが、残った社員の方たちのためにも、しっかりメスを入れた方が良さそうですね。

株式会社サーキュレーション 代表取締役が違法薬物所持で退任

株式会社サーキュレーションは4/20、「代表取締役退任の開示に関する経過報告及び新経営体制に関するお知らせ」を公表しました。4/18には「代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表していたんですが、その際の説明されていた理由は「一身上の都合により」ということでした。

株式会社サーキュレーション

株式会社サーキュレーションは、企業に対し様々な経験や知見を有する外部の専門人材を紹介し、経営課題の解決を支援するサービスを展開する企業。雇用契約を前提とする人材紹介などと異なり、外部の専門人材を準委任契約によりプロジェクト単位で活用できるそうです。設立からまだ10年未満という、東証グロース上場企業です。

違法薬物所持

代表取締役社長から4/18、「違法薬物所持の疑いにより捜査を受けたとの申出及び辞任の意思表示」があったということです。違法薬物というのは、大麻・覚せい剤・脱法ハーブ・危険ドラッグなどを指している言葉らしいのですが、今回の開示ではその詳細までは分かりません。

今のところ、「捜査を受けた」ということだけしか開示されていませんが、全く身に覚えのない捜査であれば辞任の意思表示、とはならんでしょうしね。しかしまぁ、とんでもない事件です。

同社としても開示の中で、「本件は前代表による業務外の私的空間における純然たる私的な行動」と言ってますが、世間の目はそう割り切ってはくれないでしょう。前代表は現在も同社の筆頭株主(33%を保有)ですので、当面はこれがどうなるか、が注目されることになりそうです。

豊田自動織機 フォークリフト向けエンジン2種の認証取り消し

日本経済新聞は4/19、「豊田織機、エンジン2種の認証取り消しへ 排ガス不正で」と報じました。3/17にフォークリフト向けのエンジンについて、国が求める評価試験で排出ガスデータを差し替えるなどの不正があったと発表していましたね。国土交通省が同社のディーゼルエンジン2種について生産に必要な認証「型式指定」を取り消す方向で調整に入ったとしています。

豊田自動織機

豊田自動織機は、自動車事業と産業車両事業を主力事業とする企業です。トヨタグループの祖で、トヨタの大株主でもあります。自動車事業ではカーエアコン用コンプレッサー、産業車両事業ではフォークリフトを手掛けていて世界トップシェアだそう。トヨタの持分法適用関連会社です。

事案の概要

排出ガスデータを差し替えるなどの不正があったのは、3つのエンジン(ディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種)で、これらを搭載したフォークリフトは約16万台が販売済みとのこと。フォークリフトは国内出荷を停止し、一部車種ではリコール(回収・無償修理)を届け出ています。

この不正発覚後、国交省は同社に立ち入り検査を実施。ディーゼルエンジン2種の排ガス試験では、測定においてデータの改ざんがあったと認定。悪質性が高いとして、型式指定を取り消す方向で手続きに入ったということです。

またしてもトヨタの関係企業で・・・、って感じですよね。昨年3月、中大型のトラック・バスエンジンの排出ガスのデータを改竄していたとして出荷を停止、国土交通省がエンジンの型式指定を取り消した日野自動車も、やはりトヨタ自動車の連結子会社でした。ん~、やっぱりトヨタ、おかしくなっていってるよね。