株式会社オルツ 粉飾決算か 第三者委員会を設置

株式会社オルツは4/25、「第三者委員会設置及び 2025年 12⽉期 第1四半期決算短信の開⽰が四半期末後 45⽇を超えることに関するお知らせ」を公表しました。売上が過⼤に計上されている可能性が認められたためとしています。

株式会社オルツ

オルツは、個人の行動やパターンを学習してカスタマイズされたAI(人工知能)であるパーソナルAI(PAI)や、膨大なテキストデータを学習して自然言語処理を実行する大規模言語モデル(LLM)の開発などを手がける東証グロース上場企業です。昨年10月に上場したばかりです。

粉飾決算

同社の「 AI GIJIROKU 」の有料アカウントに関し、⼀部の販売パートナーから受注し計上した売上について、有料アカウントが実際には利⽤されていないなど、売上が過⼤に計上されている可能性が認められたとのこと。

過去の業績を見ても、毎期売上はかなりの勢いで伸びていますが、利益はマイナスが拡大しています。確かに違和感のある状況。現状では粉飾決算が確定しているわけではありませんが、その可能性は高そうです。売り上げの過大計上だけで済むのか、架空循環取引などが出てくるのか。「今⽉初旬より、証券取引等監視委員会の調査を受けており、これが端緒となった」というのも気になります。

そして何より問題は上場して半年しか経っていないこと。いわゆる粉飾上場の可能性も高いわけです。投資家はたまったものではありません。ここでも東証の上場審査はどうなってるんだというお話に(幹事証券もだけど)。当事案、かなり大きな問題に発展しそうです。

東証社員インサイダー事件 起訴内容認める 懲役1年6月求刑

東証社員インサイダー事件の初公判が4/24、東京地裁でありました。検察側は細道被告が業務上閲覧できた部署内の共有情報を父親に繰り返し伝えていたとし、細道被告は罪状認否で「間違いありません」と述べたたとのこと。伝えられた情報をもとに株を不正に取引したとしてインサイダー取引違反の罪に問われた父親の正人被告(58)も起訴内容を認めました。

おさらい

上場部開示業務室に所属し、上場企業の未公表情報に関する相談を受けていた細道被告が、TOB情報を得て、対話アプリのLINEの電話機能などで父親の正人被告に伝達。正人被告が情報が公表される前に合計3銘柄を取引して約409万円を不正に設けていたという事案でしたね。

懲役1年6月求刑

検察側は「市場の公正性と健全性、一般投資家の信頼を低下させた程度が大きい」などとして、2人に対し懲役1年6月、罰金100万円を求刑。父親の正人被告には追徴金約2116万円も求めました。判決は5月9日に言い渡されるということです。

409万円の利益に対して2人とも懲役1年6月。罰金が200万円に追徴金2116万円。インサイダー取引がどれだけ割に合わない不正かがよく分かりますね。

動機が

父親の正人被告が未公表情報を求めていたようで、これに対して細道被告は被告人質問で断り切れなかった理由について「父親との関係があまり良くなく、改善したい気持ちがあった。インサイダー取引は必ず露呈すると認識していたが、喜んでもらいたいという気持ちを優先してしまった」と語ったそう。東証元社員は(DVなどを背景にした)被害者だったんでしょうか。

東京証券取引所 株式の最低投資金額、10万円程度に引き下げ

東京証券取引所は、株式投資に必要な最低投資金額を10万円程度に引き下げるよう全上場企業に要請するようです。現在は上場規程で50万円未満を努力義務として定めています。投資単位の大幅な引き下げで、若年層も少額から日本株を購入できる環境を整えたいとの考え。

新NISA

NISA等で日本株が不人気な理由の一つとして、最低投資額が50万円必要なこと、値嵩株ではさらにそれ以上の金額になることが挙げられてきました。そのため、最低投資額が少額で始められる米国株式に流れてきたというわけです。

最低投資額引き下げ

最低投資額を引き下げることには反対しませんが、日本特有の「100株単位でしか売買することができない単元株制度」の見直しを行うべきでは?と考えます。上述のように欧米の株式等が小さな金額で取引できるのは、1株単位での取引が可能だからなんです。グローバルスタンダードに合わせましょうよ。

「最低投資金額を10万円程度に引き下げる」という方法は、上場している企業に努力してもらうというスタイル。一方、会社法を改正して「1株単位での売買を可能にする」という方法は、東証や行政等が汗を流せば済む話。なんでも上場企業に丸投げというこの体質はいかがなものかと。

証券口座乗っ取りで不正売買 「インフォスティーラー」とは

インターネット証券の口座が乗っ取られ、株式を不正売買される被害が拡大しています。金融庁は2025年4月18日、同年2月からの約3カ月間に6社合計で1454件の不正取引が確認され、約954億円の不正売買が発生したと発表しました(その直後に7社目も判明)。

証券口座乗っ取り

顧客の証券口座を乗っ取り、その口座の保有株を売却。その売却代金で流動性がとても低い銘柄を勝手にストップ高まで買い上がる。当該銘柄はあらかじめ犯人たちが買い付けを行っており、ストップ高する過程で高値で売り抜けるというのが犯行の手口です。当然とんでもない価格まで買わされた顧客口座は大きな損失を被ることになります。

 「インフォスティーラー」

そもそも証券口座を乗っ取る際、顧客のIDやパスワード、取引パスワードなどを事前に知る必要があり、顧客をフィッシングサイトに誘導して、ID・パスワードを入力させ、これを手に入れてるんだろうと思っていましたが、別の手口もあるようです。 「インフォスティーラー」という、Webブラウザーなどが保存するIDやパスワードなどの認証情報を盗み出すマルウエアによるものらしいです。

マルウエアがWebブラウザーなどに保存された認証情報やキーボードの入力などの情報を収集し、第三者に送信するんだそう。いろいろ考えるもんですね。とはいえ、インフォスティーラーを仕込まれてしまう場面があるわけですから、心当たりのないメール(いや心当たりがあっても業者から送られてくるメールは無視すべき時代なのかも)や怪しげなウェブサイトには近づかないことですね。

日野自動車 三菱ふそうトラック・バスと経営統合へ

日本経済新聞は4/22、「日野自・三菱ふそう統合へ 持ち株会社設立 来年4月上場めざす」と報じました。トヨタ自動車傘下の日野自動車と独ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスが、経営統合で最終合意する方向で調整に入ったとのこと。持ち株会社を設立し、2026年4月を目標に上場をめざすとしています。

経緯

一昨年には基本合意していた経営統合でしたが、日野自動車のエンジン認証不正への対応が長期化し、米国などで集団訴訟を起こされ、制裁金として12億ドル(約1700億円)を米当局に支払い和解するという展開に。認証不正で1700億円ですよ。これは痛すぎますね。

公正取引委員会による審査のメドもたったようで、早ければ5月にも日野自動車と三菱ふそうの経営統合が最終合意するということです。それぞれの親会社であるトヨタとダイムラートラックが持ち株会社を設立し、日野自と三菱ふそうを完全子会社に。持ち株会社は26年4月を目標に東京証券取引所プライム市場への上場を目指すんだそう。

合併ではなく

合併じゃないんですね。両社は持ち株会社の下に並列するだけで、従来通りの経営が続けられるということのようです。なんとも中途半端な統合になりますが、次はやはり日野自動車を三菱ふそうに取り込む作業が始まるんでしょうね。人事や経理、総務といったいわゆるバックオフィスはそのままというのは非効率すぎます。日野自動車という社名の消失に向けてカウントダウンが始まったと覚悟した方がよさそうです