資産運用 株式市場はいま(2)

金融、証券

日本の株式市場が下げ難くなりましたね。米国が下げた翌日にその強さを実感させられます。今日はそんな株式市場の強さについて、株式供給サイドから説明してみようと思います。

相次ぐ社債発行

9/19付け日本経済新聞で、「社債発行 世界で急拡大」という記事が1面トップで伝えられました。低金利を背景に、9月の一日当たり発行金額は過去最高ペースにあるとのこと。低コストで資金調達できることから、多くの企業が起債を急いでいるとしています。

日本だけで見ても、1998年の発行額を超え、過去最高を更新するのではないかと言ってます。こうして企業が調達した資金は、当然設備投資や研究開発に向かうわけですが、最近の流行として、「自社株買い」の原資にもなって行くことが注目されます。

株式の供給減 ROEの向上 

社債での資金調達が低コストで容易になるということは、一方で株式による調達(株式時価発行による増資)が減少することを意味します。つまり、市場に新たに供給される株式が減少するということです。このことは株式市場の需給をひっ迫させる方向に作用します(ただし、今後も株式持ち合いの解消売りは残りますが)。

また、調達した資金で自社株買いを実施することで、1株あたりの収益等は向上しますし、債券等の負債が増加するため、同企業のROE(自己資本利益率)も向上します。つまり、投資家から見た同企業の企業価値が向上し、投資対象としての魅力も増すというわけです。また、自社株買いはその買い付けという行為自体が、同企業株式の市場での需給を引き締める効果もあります。

市場への株式供給量が減少し、企業価値が増大し、投資対象としての魅力が増す。そこへ、先日書いた投資家サイドの大きな変化による中長期的な運用資金が継続的に流れ込んでくる。今、日本の株式市場で始まっているこのような変化は、決して侮れません。と、kuniは感じています。

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