検査不正の内容自体は2016年~2018年あたりで流行った他社の検査不正と似たレベルですが、なぜここまで公表しなかったのか。。。の考察、その2です。
検査不正発覚時
2019年11月に不正行為の第一報が代表取締役に入れられています。実はその1年前にも旧経営陣にその情報は伝わっていましたが、不正行為は放置されていたそうです。
曙ブレーキは2019年9月、私的整理の一種である事業再生ADRの再建計画が銀行団に承認され、経営再建に取り組み始めました。外部から招聘した新社長が10月に就任したところ、その翌月に新社長の耳に不正の話が飛び込んだということですね。
旧経営陣が放置してきた不正行為です。まさに新社長が最初に取り組む課題として世間に公表し、正面から取り組むべきでした。残念ながら、新体制スタートから不正の公表など出来ない。銀行団に何と言われるか、、、。てな具合で思い切れなかったんでしょうね。
ディスクロージャーポリシー
「当社では、会社説明会での発表内容等、適時開示規則に該当しない情報についても、投資家の需要に応えるべく、できるだけ積極的かつ的確に開示する方針を持っております。」
これは同社が掲げるディスクロージャーポリシーの中で紹介されているディスクロージャーの基準に関する一節です。他にも良いことたくさん書いてます。規則に該当しなくとも幅広に情報を開示するということですが、今回の不正行為に関してはそうなっていませんよね。
監督する国土交通省、経済産業省、株式を上場する東京証券取引所は、今回の曙ブレーキの開示の姿勢、どう評価しているんでしょうか。あっ、そうそう、証券取引等監視委員会も。