株式会社東京衡機 またしても 取締役の不正行為が発覚

株式会社東京衡機は2/27、「調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社の元取締役が関与して、過去に不適切な取引が行われていた可能性があることが判明したということです。2017年には取締役の不正、2023年にも別の不正が発生した同社でまたしても。

株式会社東京衡機

東京衡機は、製造業や研究機関向けに、素材や部品などの実働条件下における耐久性などの評価で利用する試験・計測機器のメーカー。東証スタンダード上場企業です。昨年3月の不正により、東証から特設注意市場銘柄(現在は特別注意銘柄)に指定され、上場契約違約金1,440万円を徴求された企業です。

不正の概要

既に退任している同社の元取締役が関与して、過去に不適切な取引(現在把握しているかぎりでは、約5年間の概算で 2億円超の売上原価の過大計上)が、同社グループ会社において行われていた可能性があるとしています。外部からの情報提供により判明したようです。不正な取引の具体的な内容、期間、会計的な影響、類似案件の有無等を調査委員会で調べるとしています。

内部管理体制等について改善の必要性が高いとして東証から特別注意銘柄に指定。まぁ言ってみれば執行猶予期間中の前科者みたいなもんです。その同社でまた、さらなる不正が発覚したと。外から見ていても本気で改善する気があるように見えませんし、、、この会社ダメかもしれませんね。

株式会社イメージワンにみる 第三者委員会の調査費用

株式会社イメージワンは2/22、「第三者委員会調査及び過年度決算修正対応に伴う特別損失の計上見込みに関するお知らせ」を公表しました。第三者委員会調査関連費用 22,406 千円、過年度決算修正対応費用 39,327 千円)を特別損失に計上する見込みとのこと。

おさらい

代表取締役社長及び1名の取締役が、同社子会社における新規事業参入にあたって、第三者に対して不正に金品を供与したと疑われる行為があったこと、及びこれに関連する不正な行為を行った疑いがある。という、取締役の不正について第三者委員会で調査してきました。

今回の開示では第三者委員会調査関連費用 22,406 千円となっていますが、これは2024 年 1月稼働分の追加作業の費用だとしています。これに先立ち、前四半期でも特別損失の計上が公表されており、その時点での第三者委員会調査に要した費用は73,122 千円を計上する見込み、としていました。

調査委員会の費用

同社が第三者委員会を設置したのが昨年10月16日。調査結果を受領したのが今年1月15日でした。調査期間はちょうど3ヶ月ということになります。委員会の構成は弁護士、公認会計士である委員長と、弁護士2名、公認会計士1名の計4名となっていました。

4名の第三者委員会で3カ月間の調査を行い、当該調査に要した費用が約9,550万円になりました、という結果なわけです。もちろん、委員にどれくらい著名な方を招くか、とか、事案の調査範囲などによりかなり変動しますが、まぁ、一つの目安ということで。

ANAやJALの子会社、空港内走行車両の免許試験で不正

ANAと子会社のANAエアポートサービス、JALの子会社ジャルロイヤルケータリングとJALスカイの2社で不正が発覚。空港の制限区域内を走る車両を運転するために必要な免許の試験で、社員がオンライン受験する際、教本をみて回答するという不正行為がありました(2/20日経)。

不正行為

ANAでは6人、子会社のANAエアポートサービスでは72人が、同社の監督者が教本閲覧を認めるという不正な環境下で受験していたとのこと。また、JALではJALの子会社であるジャルロイヤルケータリングで2人が、JALスカイでは9人の不正が確認されたということです。

今回の試験は滑走路や駐機場で車を運転する際の規則について、制限速度や航空機に接近した際の対処方法などを問うものだそうです。試験はこれまで各地の空港で実施されてきましたが、昨年度から、国土交通省に申請し、試験監督を設置すればそれぞれの会社でも行えるようになったそう。

この不正行為は国土交通省が定める安全管理規程違反であり、外部から国土交通省に情報提供があり、不正が明らかになったということです。重大な違反のはずですが、ANAやJALやその子会社のホームページではまったく公表されていません。

「信頼と安全を揺るがす事案を発生させてしまい、申し訳ありません。」とコメントしてるらしいけど、まず事実を自ら公表しない辺り、本気で改善されるのかどうか、、、重大な事故が起きてからでは遅いんですよ。

トヨタグループでまたしても トヨタ・コニック・プロ株式会社 従業員の不正行為

トヨタ・コニック・プロ株式会社は2/19、「当社元従業員の不正行為に関するご報告」をホームページで公表しました。車の検査不正が相次いだトヨタグループでしたが、今度は子会社で従業員の不正行為です。もちろんトヨタは開示していませんし、メディアもあまり取り上げてませんが。

トヨタ・コニック・プロ株式会社

トヨタ・コニック・プロ株式会社は、トヨタ自動車と電通グループが出資するマーケティング会社です。3年前に電通が出資する形で持株会社を設立しましたが、それまでは純粋なトヨタ自動車の100%子会社でした。

不正の概要

委託業務の発注等に関与していた同社の従業員(当時)が、2017年から 2022年にかけて、実態と異なる不正な発注を行い、再々委託先に受注させ、その再々委託先から金銭を不正に得ていたことが発覚したとのこと。

これを受けて調査を実施したところ、他にも3件の従業員による不正行為が判明したということです。これら4件の不正行為はいずれも異なる事案であり、各不正行為に係る同社従業員及び委託先はいずれも異なる従業員及び委託先だとしています。

被害金額は正確には公表されていないんですが、不正な取引に対する同社の支出金は7億円を超えています。いやいや、トヨタグループマズいよ。まだまだ出てくるんだろうね。

スノーピーク MBO発表 1株1250円でTOB

スノーピークは2/20、「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を公表しました。いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)。米投資ファンドのベインキャピタルがTOB(株式公開買い付け)を実施します。買い付け価格は1株1250円だそう。

スノーピーク

スノーピークは新潟県燕三条発のアウトドアブランド。燕三条が誇る金属加工技術を背景に野外における衣食住の製品を幅広く展開しています。製品を全国の直営店舗、スポーツ量販店、インターネットのECサイトなどを通じ販売する東証プライム上場企業です。

MBO

MBOによって株式を非公開化する方針を固めたことがわかったと報じられ、正式な開示の前日から株価はストップ高していました。前日に情報が洩れていることも気に入りませんが、このタイミングで、こういう形でのMBOによる上場廃止というのはいかがなものかと。

同社は新型コロナウイルス禍でキャンプがブームとなり、卸売りや直販店を拡充して初心者層を取り込み急成長しました。昨年辺りからブームが沈静化し、業績は急速に悪化。株価も同様に、2021年の11月には4,000円台を付け、昨年の5月に2,000円割れ。足元では1000円を割れていました。

つまり、最近同社の株主になった人の多くが2,000円以上で買い付けているわけです。外資と組んで仕切り直し、経営を立て直すといえば綺麗ですが、実態は経営に対してうるさく言ってくる株主をすべて切り捨て、上場廃止するということ。投資は自己責任といえばそれまでですが、株主に対する向き合い方ってこれで良いんだろうか。