今年も一年、ありがとうございました

あっという間に一年間が過ぎ去ってしまいました。年を取るにつれ一年間が短くなっていくんですね。これ、ホント不思議なんですが、皆さんも同じじゃないでしょうか。それでも今年もいろいろありました。世の中の景色が一変した年といってもいいかもしれません。

新型コロナ

もう3年くらいになりますかね。新型コロナは今年も猛威をふるい、海外旅行はもちろん、会社へも居酒屋、ファミレスにも行けないような異世界を経験することに。とにかく人間の移動が徹底的に制限されてしまいました。

ロシアのウクライナ侵攻

寝耳に水って感じでロシアがウクライナへ侵攻。まさかここまで本気の戦争に発展するとは思いませんでした。このあとも停戦や終戦へという道筋はまったく見えてきません。世界各国が行うロシアへの制裁を機に、今度はモノの移動が制限されることになりました。サプライチェーンもズタズタ。

これに対抗する格好でロシアが資源の輸出を止めたこともあり、世界的なインフレに突入。おまけに中国ゼロコロナ政策の影響なども。

今年は、「人の移動が制限され、モノの移動まで制限される」という一年だったようです。「ヒト」、「モノ」、「カネ」なんて言いますよね。来年はお金にも制限がかかってくるんでしょうか。いや、逆に資金の移動こそが世界を救う年になってほしいですね。

今年も一年間ありがとうございました。それでは皆様、良いお年を。

サカイホールディングス ズタボロ 経営陣が総入れ替え

サカイホールディングスでは12/22、第32回定時株主総会が開催されました。この総会で、取締役5名選任という議案について、4名が否決。残りの1名については選任されましたが、就任を辞退するという事態に。その後の取締役会では外部人材を社長に選任しています。

おさらい

連結子会社の株式会社セントラルパートナーズで、代表取締役の指示に基づき経理部長が6年間にわたり売り上げを水増しするという会計不正。以前当ブログでも取り上げました。子会社における典型的な、経営や親会社に対する忖度で発生した不正でした。

この事件を受け、上記のように株主総会が荒れてしまったわけです。新社長には刀パートナーズという会社の代表取締役(43歳)が就任されました。どういう方か調べてないんですが、おそらくサカイホールディングスとは関係ない(プロパーではない)方かと。

監査役まで

株主総会では監査役1名選任の件という議案は承認可決されていたんですが、12/26になって、「監査役の辞任に関するお知らせ」が公表されました。当該監査役が辞任です。このことが今のこの会社の状況を一番正直に表しているかもしれませんね。

辞任の理由は、「定時株主総会における取締役選任議案で会社側提案が否決され、
就任を承諾した際の経営陣とは全く異なる体制となったことから、社外監査役として当初期待された役割を果たすことができないため」だそうです。お気持ちよく分かります。

さぁて、なにもかもがガラガラポンしちゃったサカイホールディングス。これからどうなっていきますやら。

SMBC日興証券 罰金10億円求刑

SMBC日興証券の相場操縦事件に関して、12/26、東京地裁で金融商品取引法違反(相場操縦)罪に問われた法人としての同社と、元執行役員の杉野輝也被告(57)の論告求刑公判が行われました。「ブロックオファー取引」で株価操作していたという事案でしたね。

罰金10億円求刑

検察側は「高度で専門的な知識を悪用し、市場をほしいままに操作した。類を見ないほど悪質だ」、として同社に罰金10億円、追徴金約44億4,090万円、杉野被告に懲役1年6月をそれぞれ求刑しました。

検察側はさらに論告で、法人としての同社について、社内のコンプライアンス部門が「複数回の取引を明白な犯罪行為と認識していたが、是正措置を講じなかった」と指摘。「監視・審査機能が形骸化し不全な状態にあり、監督過失の程度は重大だ」としています。

対してSMBC日興は

法人を代表して出廷した近藤雄一郎社長は最終意見陳述で、「今後、二度とこのようなことを起こさないと誓い、再発防止策・改善策を着実に実行し、信頼回復に全力で努める」と述べたそうです。いやぁ、このセリフ何回聞きましたっけ。このところほぼ毎年聞いてるような気がするんだけど。

ホントに懲りない会社です。証券会社はみな昔はこういう感じだったけど、各社ともに着実に良い方向に変わってきてますよ。この会社だけは断トツで何も変わっていないし、これからも変わりそうな気がしません。

株式会社シルバーライフ 在庫金額の過大集計で決算短信を訂正

シルバーライフは12/26、「役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。同時に第一四半期の決算短信の訂正も行っています。在庫金額(棚卸高)を過大に集計していたことで、実際よりも利益が大きく見える決算を発表していたということですね。

シルバーライフ

シルバーライフは、高齢者向け配食サービスのフランチャイズ(FC)本部の運営、およびFC加盟店などへの調理済み食材の販売が主な事業。自社工場および仕入先工場で製造された調理済み食材をFC加盟店、高齢者施設などへ販売している企業です。「まごころ弁当」というサービスなんか聞いたことありませんか。

ことのなりゆき

同社は12/9に第一四半期の決算を発表。経常利益(非連結)が前年同期比2.7倍の3.5億円に急拡大という内容でした。これを受け、1,400円程度だった同社の株価は急騰し、ストップ高の300円高。その後も上昇を続け、一昨日は2,000円台まで買われました。

その日の引け後に決算短信の訂正(利益の下方修正)が出てしまったものですから、株価は一気に売られます。昨日の終値は1,611円の381円安です。間違った決算数値に踊らされて大損した投資家も多いことでしょう。

わずか10日間ほどで間違いを訂正していますから、不正ではなく、あくまでミスだったんだろうとは思いますが、マジでいただけないミスですね。取締役会はなぜ、思いのほか利益が大きく出ている数値に気付かなかったんでしょう。まさにガバナンスが効いていない典型例です。

ちなみに、今回の開示文には西暦年の誤植があったり、今回のミスのことを「発覚した」などと表現していたりします。「発覚」は隠していた悪いことが明るみに出ること、、、ですよ。やっぱりこの開示についても、内容、チェックできてません。

アイ・エス・ビー 特別調査委員会の設置

株式会社アイ・エス・ビーは12/23、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。実はkuniが見落としていたんですが12/20にも、「当社子会社における不正の疑いのある事案の発生について」を公表しています。珍しく「不適切」ではなく「不正」と表現されています。

アイ・エス・ビー

アイ・エス・ビーはモバイルコンピューティングサービスを中心に、流通・製造、金融、医療・介護、官公庁など、各分野で培ったコア技術とサービス・ノウハウを融合した統合ソリューションを提供する企業。要するにシステム開発会社ですね。東証プライム市場に上場する従業員数830名の会社です。

不正の概要

20日の開示によると、連結子会社であるインフィックス株式会社において不適切な取引が行われており、その後2019年に同じく連結子会社の株式会社スリーエスに吸収合併されたのちも、同社において不適切な取引が継続していたということのようです。

さらに同開示には、「2022年11月中旬のスリーエスに対する税務調査の過程において、同社の役員により過去複数年にわたり、売上未計上等の不適切な取引が行われていた疑いがある旨の報告を受けました。」とあります。これ、税務調査ですから、「報告」ではなく「指摘」でしょうね。

ここまでの開示で分かるのはこれだけです。本文では「不適切」と言いながら、タイトルで「不正」と言ってるあたり、当該役員の単独行為であり、個人の不正であるという主張なんでしょうか。他社における事例でも、「会社行為は不適切」、「個人の行為は不正」と呼ぶことが多いんですよね。