メルコホールディングス 従業員による不正行為 8,500万円

メルコホールディングスは1/27、「当社連結子会社社員の不正行為に関するお知らせ」を公表しました。同社連結子会社において、社員による横領が行われていたことが発覚、その具体的内容及び同社に与える影響の程度については、現在調査中としています。

メルコホールディングス

メルコホールディングスは、メルコグループの純粋持株会社。バッファローを中核子会社として、デジタル家電やパソコン周辺機器の開発・製造・販売・データ復旧サービスなどを行うIT関連事業が主力。このほか、シマダヤによる食品事業や、金融事業も展開している東証1部上場企業です。

連結子会社における不正行為

同社の連結子会社は、パソコン周辺機器では有名なバッファローをはじめ、20社以上あるみたいです。パソコン組み立てる人だったら知ってそうな玄人志向なんかも関係あるのかな。また最近CMでよく見かける空気清浄機のAirdogなんかも取り扱ってるみたい。今のところ、どの子会社で発生したのかは開示されていません。

いずれかの連結子会社の経理社員が、その立場を利用し、2017年以降、会社の銀行口座から自らの銀行口座に不正に送金を繰り返していたということです。さらに、架空の経費の計上などの帳簿改ざんで隠滅を図っていたようですね。現時点で確認できている不正送金額は、合計で約85百万円とのこと。

1/20、所轄警察署へ被害届を提出したそうで、今後、より専門的で中立・公正な調査を徹底するため、外部専門家を招き、全容解明に向けて調査を進めるとしています。

ちなみにこの開示、好決算の発表という良いニュースと抱き合わせで行われていますが、株価は大きく売られました。やっぱり事件の舞台はバッファローなのかなぁ。

メタップス 不正アクセス クレジットカード情報の一部が流出

メタップスは1/25、「当社子会社における不正アクセスに関するお知らせ」を公表しました。子会社である株式会社メタップスペイメントが運営するクレジットカード決済機能において、第三者からの不正アクセスが確認され、顧客のクレジットカード情報が流出した可能性があるといいます。

株式会社メタップス

メタップスは決済代行サービスなどを手掛ける「ファイナンス関連事業」と、スマートフォンアプリの集客支援サービスなどを提供する「マーケティング関連事業」を展開する、東証マザーズ上場企業です。

通販サイトなどとクレジットカードなどの決済事業者とをつなぎ、通販サイトなどに対しクレジットカード決済やコンビニ決済などが可能となるサービスを提供しています。

事件の概要

子会社のメタップスペイメントが運営するクレジットカード決済システム「トークン方式」へのデータベースに不正アクセスが確認され、情報が流出した可能性のある事が判明しました。

決済センター内にある一部アプリケーションに潜在していた脆弱性を侵入経路とし
て、クレジット決済サービスのデータベースに格納されている一部情報にアクセスされ、情報が流出した可能性があるとのこと。

不正アクセスされた可能性のある情報については現在、調査中としており、クレジット決済サービスの一部を、安全が確認されるまで停止しているようです。取引停止の影響の範囲は公開されていませんが、利用加盟店は数千社程度あるらしいです。

一般的なECサイトで不正アクセスによる情報漏えいが起きた際、クレジットカード情報については自社で管理していないため問題なし。というのがよくあるパターンですよね。今回はそのクレジットカード情報を管理している側がやられてしまった、、、ということでしょうか。

グレイステクノロジー 上場廃止が決定

グレイステクノロジーは1/27、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」と、「2022年3月期第2四半期報告書の提出未了及び当社株式の上場廃止の見込みに関するお知らせ」を公表しました。ん~、とうとう来ましたか。

調査結果

売上の前倒し事案及び架空売上事案による会計不正が多数発見されましたね。2016年3月期から、売上の前倒しを開始。最終納品時に売上計上すべきなのに、売上を分割計上したり、納品前に売上を一括計上していました。

当初は、売上計上時に顧客への請求が伴っていたが、次第に、顧客への請求が伴わない売上の前倒し計上を。また、売上の前倒しの後、最終納品に至らなかった結果、架空売上となるケースもありました。このような実情は、同社経営陣も認識・認容していたといいます。

その後、売上の前倒しによる売上目標の達成が困難になり、同社経営陣も関与する大規模な架空売上が開始されるようになり、同社役職員が自己資金を振込入金することで正常な入金を偽装していました。

一部の架空売上に際しては、顧客の署名や押印が必要な書類の偽造も行われていたと。また、リース会社による立替払契約も利用され、顧客が作成すべき立替払委託契約書等を偽造してリース会社から売掛金を入金させるようなことも。直近期の21年3月期の売上高18億円のうち、約55%が架空売り上げだったそうです。

上場廃止

第2四半期報告書の提出ができなくなったことから、東証は同社株を整理銘柄に指定。2/28に上場廃止とすることを決定しました。16年に東証マザーズに上場、18年に東証1部へ指定替え。そして22年に上場廃止です。今週末の株価はただの20円。とんでもない事件でしたね。

アサヒ衛陶 インサイダー取引で元社長ら逮捕

アサヒ衛陶は1/26、「当社元代表取締役の逮捕について」を公表しました。同日、大阪地方検察庁により、金融商品取引法違反の疑いがあるとして、同社元代表取締役社長である町元孝二氏が逮捕されたということです。

アサヒ衛陶

アサヒ衛陶は水洗便器、トイレカウンター、手洗器などの衛生機器や、洗面化粧台、化粧鏡、洗面ボウルなどの洗面機器の製造販売および仕入販売を手掛ける企業。業務提携や海外進出により販路を拡大し、主要な顧客はコーナン商事などだそうです。1950年、江戸時代享保年間(約300年前)に創業した東証2部上場企業です。

事件の概要

家電量販大手「ヤマダ電機(当時)」との業務提携公表前の2017年8月に当時の社長と同じく同社元役員の知人が同社株式を買い付けたという容疑。大阪地検特捜部が金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で二人を逮捕しました。

町元容疑者は業務提携情報を知人の容疑者に伝えた上、2017年8月に約580万円分のアサヒ衛陶株を別の会社名義で購入。さらに知人容疑者は同年8~11月に計約8690万円分のアサヒ衛陶株を買い付けた疑いだそうです。この提携ニュースを受けて、株価は1300円前後から一時3300円台に高騰しています。

町元容疑者は2020年11月に、健康上の理由ということで取締役を退任し、同日、同社の全役職も辞任することにより同社を離れているようです。

しかしまぁ、こんな手口で美味しい儲けができると思ったんですかね。会社の利益ではなく、自身の利益を優先する経営者。酷いもんです。あっ、ちなみにアサヒ衛陶や役職員及び元役職員の本件への関与は一切ないとのことです。

飯田グループホールディングス 役員による不適切な企業融資

飯田グループホールディングス株式会社は1/24、「当社に関する一部報道について」を公表しました。FACTAという雑誌で同社元役員による同社子会社(孫会社)における不適切な企業融資に関する報道がされたことに伴うものです。

飯田グループホールディングス

飯田グループホールディングスは戸建分譲事業、マンション分譲事業、請負工事事業と、これらに関連する事業を行う住宅分譲大手。戸建分譲の年間販売数は4万棟を超え、特に東北、関東、東海エリア、沖縄県などで高いシェアを持つ、パワービルダー大手です。

2013年に、パワービルダーの草分け的な存在といわれる一建設を中心に、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームの6社の共同株式移転で経営統合し、飯田グループホールディングスが設立されました。

不適切な企業融資

昨年12/27、同社は「当社子会社の元役員に関するご報告」を公表しています。その中でも、「子会社(株式会社ファミリーライフサービス)の元役員が在任中に不適切な企業融資を行っていた事実が判明。当該元役員に対し民事上、刑事上の法的責任を徹底追及する」、という内容。

今回の開示でも、FACTAの報道内容を否定するわけでもなく、「現在事実関係の把握に努めている」としています。不適切な企業融資、、、って何でしょうね。FACTAオンラインでは、「『損失飛ばし』疑惑」などというタイトルが踊っていました。

今のところ社内だけで調査を進めているみたいですが、こうしてメディアに取り上げられたりすると、第三者を入れた調査委員会の設置とかも必要になりそうですね。