5月に電気料金値上げ 原油価格は下落しているのに

3/28付の日本経済新聞の小さな記事です。東京電力など大手電力の全10社は27日、5月の料金を引き上げると発表しました。液化天然ガス(LNG)や石炭、原油の輸入価格は下がりましたが、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が増額されるため電気料金は上がるとのこと。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

電力会社等が再生可能エネルギーにより発電された電気の買い取りに要した費用を、「全員参加型」という考えのもと、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(電気料金の一部)として、電気を使用するすべての顧客に、電気のご使用量に応じて負担してもらうものです。再エネ賦課金とも呼ばれます。

全国一律にkWhあたりの単価が毎年国によって設定され、その単価を家庭の電気使用量(使用電力量)に掛けた額が、毎月の電気代の請求額に含まれます。で、その見直しが毎年5月に行われるため、このタイミングでの報道となったということですね。

燃料費調整制度

一方で、燃料費調整制度というルールもあります。原油などの燃料価格が大幅に下がった今回は、こちらの制度により電気料金の見直しが行われます。火力燃料(原油・LNG〔液化天然ガス〕・石炭)の価格変動を電気料金に迅速に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整する制度です。

この制度では、原油・LNG・石炭それぞれの3か月間の貿易統計価格にもとづき、毎月平均燃料価格を算定します。算定された平均燃料価格(実績)と、基準燃料価格との比較による差分にもとづき、燃料費調整単価を算定し、電気料金に反映します。

実際には1~3月の平均価格を算定し、これを6月分から反映する仕組みになっているため、3月からの燃料価格の暴落が影響し、おそらく6月は電気料金が引き下げられるでしょう。2~4月の平均価格が7月の電気料金に反映されますので、7月はもう一段下がるかもですね。