ネットワンシステムズ 納品実体のない取引に関する調査 中間報告書

昨日、ネットワンシステムズは「納品実体のない取引に関する調査 中間報告書」を公表しました。調査の過程で、類似する不正(原価付替取引)が存在することが発覚したため、最終報告の受領は3/12に延期しますということです。掘ったら何か出てくるんですね。

中間報告ということで

中間報告書、まだしっかり読めていないところもあるので、要約の要約っぽく、まとめておきます。

  • 東日本第 1 事業本部 第 1 営業部 営業第 1 チームに所属するマネジャーA氏が本不正行為に係る取引(架空循環取引)を実行していた。
  • 同社において組織的に実行されたものではなく、全容を把握して架空の商流取引であることを認識していたのは A 氏のみであり、A 氏が単独で行っていたものであった。
  • 架空循環取引の名目上のエンドユーザーは中央省庁である(防衛省かい?)。
  • 同社のほか、情報システムに関する機器等の販売等を行う甲社、乙社、丙社、丁社及び戊社の 5 社(これらを併せて「当事会社」と呼んでいます)により繰り返されていた。
  • 当事会社の各担当者が A 氏と連絡を取り合い、本不正行為のために必要な書類をやり取りしていたことは認められるが、各担当者が、本不正行為が架空の商流取引であることを認識していた事実や、A 氏と共謀していた事実については、これまでの本調査においては判然とせず、現時点で認定するには至っていない。
  • 当事会社以外の複数の業者(「関与会社」と呼んでます)に架空発注されることがあった。すなわち、戊社及び同社の発注先である業者に対し、本不正行為によって支払われた金銭の一部が流出していると認められる。

気になるのは

ネットワンシステムズを含めると6社で循環。まだ1社明かされてない会社があるということ。他社の担当者と連絡を取り合い、不明瞭な資金のやり取りまであるのに、他社の担当者は巻き込まれただけと言えるのか。

上記では「金銭の一部が流出」とまとめましたが、毎月5000万円が支払われていたとの証言もあること。こんなところが気になるところです。もう少ししっかり読んでみようと思います。 (以上、速報でした。)

三菱電機 サイバー攻撃 防衛機微情報流出 パワー半導体

三菱電機の不祥事、まだまだ止まりません。一旦はなかったと宣言したはずの防衛省絡みの機微情報。一転してありましたとのこと。さすがに今回はマズイと感じたのか、8カ月間隠してきたパワー半導体の検査不正についても公表することとなりました。

機微情報

流出可能性のある情報として、防衛省の「注意情報」があることを 2 月 7 日に発見したとのこと。半年も前から対応してきて、つい最近見付けたとは。防衛省といろいろもめたんですかね、とにかく急展開です。

「流出した可能性のある当該情報の影響については、現在、防衛省がご確認されているところです。防衛省における全容解明に向け、ご指示に従ってまいります」。とニュースリリースの中で書いてますが、なんとも情けない一文です。ここまでのあらゆることをすべて防衛省に転嫁するかのようにも聞こえます。

防衛省も防衛省です。「漏洩したすべての情報は、取るに足らない情報でしかありません」、って言い切らないと。国を守るのが目的でしょうに。諸外国に対するハッタリも必要でしょう、一体何を考えてるんだか。

パワー半導体

こちらは8カ月間隠してきた検査不正。このタイミングで出てくるとねぇ。新人の自殺、パワハラ、サイバー攻撃に、機微情報の漏洩。これだけ重なってきて初めての公表です。ニュースリリースには、「本件の判明から公表までに約 8カ月もの時間を要し、深くお詫び申し上げます。」とあります。

起きてしまった不祥事に真摯に向き合うなら、まずは公表が優先されるはず。それをできない、腹をくくれない経営陣はいかがなものでしょう。ニュースリリースの処分の欄には、「本事案の関係者については、事実関係を踏まえ、当社規則に基づき、今後、厳正に処分いたします。」とあります。

本事案とは「公表せず隠ぺいを図った」という事実であると考えるべきで、、、であれば関係者とは経営陣でしかありません。

日鉄ソリューションズ 調査報告書(その2)

昨日書きました調査報告書の中から、気になるところをいくつか追記します。13日にはネットワンシステムズの決算発表が控えています。おそらくそこで架空循環取引の詳細が明らかになるんでしょうが、、、ちょっと先走ってみましょう。

最初の架空循環取引

日鉄ソリューションズの調査報告書では、最初に行われた架空循環取引は2014年6月に受注しています。売上への計上は同年12月です。今メディアで書かれているように、ネットワンシステムズが主導していたということであれば、この取引相手はネットワンシステムズでしょう。

以前当ブログでも書きましたが、ネットワンシステムズは同社社員の不正行為により8億円の被害を被る事件が起きています。循環取引ではありませんが、架空取引に対する架空外注費を払わせ、これを騙し取るという手口でした。この事件が発覚したのが2013年3月です。

3月8日に第三者委員会の報告書を受理して、適時開示も行っています。ということは2013年4月以降は、こうした不正行為をいかに未然防止していくのかといった、いわゆる再発防止策の実行時期になっていたはず。しかし、そこからわずか1年3か月後には新たな不正が始まっていたことになります。まったく酷いことになってますね。

ちょっと腑に落ちないこと

ネットワンシステムズの1回目の不正行為の際、「強い支配力を持つ行為者の行動については、治外法権として聖域化していた」と調査報告書に書かれていました。聖域化することで他のものを近づけないわけです。不正を働く者の常套手段と言っていいでしょう。

話を戻して今回の日鉄ソリューションズ。調査報告書の発生原因の中に、「秘匿性の高い取引先向けの案件であると説明されていたため」というのがあります。このように聖域化する必要があったのは、行為者が架空循環取引を認識して関与していたからでは?と思うんですが。

日鉄ソリューションズ 特別調査委員会の調査報告書

昨年12月13日に設置が伝えられた日鉄ソリューションズの特別調査委員会。同社は2月6日に調査報告書を受領したとのこと。同日付で調査報告書を基に同社がまとめた概要が公表されています。

架空循環取引

同社が公表した内容をそのまま。「当社が特定取引先との間で行った複数の取引について実在性が認められず、かつ、それらの各取引はエンドユーザーが存在しない状態で当社を含む複数の会社が介在する形で複数回にわたって循環を繰り返す一連の商流の一部を構成しており、いわゆる架空循環取引と認められた」

さらに、「本件架空循環取引はA社の営業担当であった某氏が主導したもので、当社は、会社としてあるいは社公事業部として組織的かつ意図的に関与したものではないことに加え、当社の営業担当者にも実在性のない架空取引あるいは循環取引との認識はなく、某氏が主導した本件架空循環取引に巻き込まれたものと認められる」

まぁ、ある程度予想通りの調査結果ですね。で、ここに出てくるA社というのが、もっぱらネットワンシステムズだと言われていますが。こちらも今週辺りには調査結果が出そうなので、それを待ちましょう。

データ等

架空循環取引等は2014年度に始まり、2019年度まで、計29件が認められています。売上金額は計428億円、利益は約28億円計上されています。このうち3件はその他の不適切な取引と分類されてますので、架空循環取引は26件ですね。ちなみに、今年度は4件で、134億円の売上金額となっています。

上記の29件ですが、取引先は6社になると報告されています。ここまでの報道では、ネットワン、日鉄ソリューションズ、東芝ITサービス、富士電機ITソリューション、みずほ東芝リースの5社でした。日鉄ソリューションズを除けば4社、、、ということはあと2社残ってる可能性もあるということですね。まだまだ続きますか。

セーレン(3569)急騰 福井県ということで 黒龍も

以前、「福井県の焼き鯖寿司 福井県つながりで セーレン」 という投稿を書きました。1/26だったかな。その時のセーレン(3569)の株価は1450円処。。。「チャート上1360円辺りまで窓をあけてるので、そのあたりまで押したところは狙い目」、と書いたわけですが、実際に1373円まで下げた直後に1640円どころまで反発してます。いい感じです。

今期は5%減益だそうで

同社は2/4、2020年3月期の連結純利益が前期比5%減の78億円になりそうだと発表しました。従来予想の70億円から上方修正したんですね。米中貿易摩擦などの影響でかなりの減益を見込んでいましたが、想定よりも持ち直す見通しを発表したわけです。

中国景気の減速や新型肺炎やらで、当然のごとく自動車関連は売られたわけですが、新型肺炎に対する見通しの変化で買い戻されたというのが背景です。さらに思ったほどに減益にならないという予想。自動車関連は落ち込むけど、エレクトロニクス関連が下支えし始めたというのが大きな要因でしょう。

こんなふうに会社の業態が変わっていく場面、投資の世界ではけっこう狙い目なんですね。引き続き注目していきましょう。上手く儲けた人いましたか?

福井県つながりで黒龍

昨日、お気に入りのちゃんこ屋さんに行ってきました。いただいた日本酒が「黒龍 純吟」というお酒。純米吟醸ですね。これ美味しかったです。kuniは昔の2級酒みたいな、いわゆる辛口のお酒が好きなんですが、この黒龍、旨かった。お勧めです。っていうか、酒好きの方にはお勧めするまでもない銘酒ですかね。

あっ、それからこのお酒をいただいたちゃんこ屋さん。池袋西口の「蔵之介」というお店なんですが、ここのちゃんこ鍋もお勧めです。しょうゆ味ね。暖冬でお鍋の機会が減ってる今年の冬ではありますが、kuniはけっこうハマってます。味も良いですし、店員さんの謙虚さもいい感じです。